キャベツ
単品では味気ない。
旨味がない。
そんなキャベツであるが、脂との相性はバツグンである。
ドレッシングをかけるだけでおかずとして大活躍する。
揚げ物と食べ合わされば口の中がさっぱりし、より旨味を引き立たせる。
特に私が評価しているのは焼肉丼にした時の破壊力だ。
あの瞬間は脇役としてではなく、主力メンバーの一人として確かな存在感を放っている。
彼の評価は残念ながらそれほど高くない。
好きな食べ物を問われた時、口にされることは少ないだろう。
ともすれば、皿の上に忘れられていることすらある。
その姿はさみしくもあり、どこか威厳すら感じさせる。
だがしかし、多くの人間はその価値に気づくことができず、その山をひと摑みも崩すことがないまま食事を終えていく。
私は我慢ならん。
おろかな人間どもよ。
あることが当たり前になり、感謝の気持ちを忘れ、その頂きに見向きもしない愚民どもよ。
今この瞬間から知るがいい。
肉と野菜の究極のカタチを。
まさに水と油。
お互いが互いを尊重し、高め合い、食の頂きを極めんとするその姿こそが料理というものなのである。