プロローグ 異世界転移 勇者様?
初めての異世界ものです。暖かい目でお願いします!
部活で賑やかになっているグラウンドを寂しそうな目で見ながら学校から帰ろうとすると、後ろから背中を叩かれ転びそうになりながら叩いて来た人物をじーっと見る。
「なーに、黄昏てるんだよ!一緒に帰ろうぜ!翔斗!」
俺は上坂 翔斗。高校二年生で元サッカー部だ。
元っていうのはほんの一ヶ月前U18での国際試合で外国人選手の猛烈なスライディングを利き足の左脚に受け、再起不能になっていた。ちなにみ、その外国人選手は一発レッドカードで退場になり大ブーイングを受けていた。
そんな俺に話しかけて来たのは三条 大河だ。あの試合以来元気ななくなった俺にちょっかいという名の元気付けてくれてる良い幼馴染だ。
大河は帰宅部だが、運動神経抜群で、よく運動部に行ってスケットという名目で遊びに行っている。なぜ、それが許されてるかというと部活動をしてる生徒よりそのスポーツが上手く、教えてやってるからである。
その上こいつの顔は10人中10人がイケメンというぐらいのイケメンだ。
男子に女子に引っ張りだこな奴が一ヶ月前から俺につきっきりになっており、少し罪悪感を覚えながら甘えさせてもらっている。
そんな大河と二人で話しながら帰っていると、急に俺の足元が光り、
「でさー、ん?お前の足元なんか光ってないか?」
その言葉を疑問に思いつつ下を見るとなにやら幾何学的模様が浮かび上がっており、前に大河に借りたやつに出てくる魔法陣みたいだなと思っていると、より強く光り出し、横から大河がなにやら叫んでいるのを、聞きながら目の前が真っ白になっていった。
そして、眼が覚めるとーーー
身体が縮んでいた!!ーーなんていうことはなく、辺りを見回すと床には先程の魔法陣のようなものがチカチカしながら、次第に光が消えていき、足の床となった。
すると、三メートルはある巨大な扉が開きなにやら豪華な服装をした初老の男性を中心に部屋に入って来て、ふと、隣にいる女性に気がつき見て見ると、綺麗なドレスが似合う金髪でとてもスタイルが良く、顔を見るとお約束の美少女だった。
俺は最近、大河にこの手の本を暇つぶしがてら読んでいたのがはまってしまい、よく二人で話しながら帰ったなと思いつつ、今の状況についた考え始めた。
(これは異世界転移か?ってことは、よくあるパターンだと、魔王を倒してください勇者様みたいなやつか?)
などと、心の中で思っていると、あの可愛い美少女が口を開いた。
「突然の事で申し訳ありません。私はラティア王国第二王女のリリー=シン=ラティアと申します。いきなり失礼なのですが、
《ステータス》と言って頂けないでしょうか?」
まさにテンプレだな。と思いつつ、言われた通りにすることにした。
「《ステータス》!!」
ショウト・カミサカ Lv.1
HP 300
MP 300
STR 100
VIT 100
AGI 100
INT 100
MND 100
DEX 100
LUK 50
【スキル 】 剣術Lv.1 全属性魔法適正
全属性耐性Lv.1 魔力操作Lv.1 天駆Lv.1
【固有スキル】 コントロールLv.1
【称号】勇者 異世界転移者
……うん。本当に勇者だったね。
一応言っとかないとダメだよね…。
「えっとー…勇者って書いてますね…」
そう言うや否やその場にいる皆が嬉しそうに声をあげ、王女様が
「勇者様!今この世界は魔族によって支配されようとしています!魔族を率いる魔王を倒してくださいませんか!?」
はいー!!やっぱり魔王討伐でした!!
いやー!ここまでくるともうテンプレ過ぎて展開読めちゃうね!どうせ、この後聖剣かなんかもらって仲間集めて訓練していざ出発!って感じでしょ?
と思っていると、扉から一人の兵士が慌ただしく入って来て
「陛下!!魔王が討伐されました!!」
『は?』
今なんて言った?聞き間違いじゃなきゃ魔王が討伐されたって。
チラッと国王の方を見ると目を見開いて驚きこちらの方を向き罰悪そうに言った。
「え、えーゴッホン!!ん、ん。勇者様
魔王が討伐されましたので、どうなさいます?」
「どうなさいますって、帰れたりするんですか?」
小説とかだと帰る方法が無いだの魔王が知ってるだので帰れないんだが、
「もちろん帰れますとも!呼び出す以上帰り道は準備しなければなりませんからな!」
……。いや、嬉しいんだよ?帰れるんだからでも、ここに来てテンプレぶち壊して来てるな。
「えっと、じゃあ帰ります」
「そ、それではお気をつけてお帰り下さい」
そうなんともまあ微妙な顔をしながら王女に言われ床が光り魔法陣が展開され目の前が真っ白になり意識が落ちていった。
………って!勇者だったの5分だけだったよ!
のんびり行く予定です!
誤字脱字など気を付けますがあったら
ご容赦ください!