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HERO!!!  作者: 冴あき
第4章 真のヒーロー
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第45話旅立ち sideカイト

 渾身の波動砲で、大王の姿は木っ端微塵に吹き飛んだ。死に際の、苦し紛れの言葉が、少し引っかかった。空中へと消えた大王とともに、天へと抜き出た大王の城と言うべき塔は、脆く崩れていった。

 しかし、地上の水島駅付近では、未だにジャッカルたちが、人間の姿に戻るわけではなく、うめき声をあげながら人間たちを食らいつくしていた。

 戦いへと向かっていた俺と、栄華えいがさんとバババギャーン。しかし、数の多さに波動だけでは、沈めるに至らず、ただ人間に戻す事を考えると、AIサンプルの到着を待つ以外になかった。

 大王を倒して、1時間近く。明け方になろうかと、空が明るみを帯びる。

 昨日までの悪夢を覚ますかのような、朝日の明るさ。それと同時に、空に小さいカーゴで一面、埋め尽くされた状態。その光景で、明るんだ空が、また色が変わっていく・・・。

 耳元から、東郷美由紀とうごうみゆきの叫ぶ声。


「あんたたち!片はついたようね?でも、私っていつもグッタイミングじゃない?」

「良いから、早く散布しろ!」と栄華えいがさんの怒鳴る声がする。


 数千といううごめいているジャッカルたち。それに向けて、無数、数千のカーゴより閃光が走った。その閃光がジャッカルたちを覆う。

 声を挙げて、人間を襲っていたジャッカル達が、瞬時に、人間の姿へと戻っていく。


 それを見て、栄華えいがさんは、俺をインカムで呼ぶ。


「真のヒーローよ!この光景をよく見ておけ」

「どういう意味だ?」

「これから、このAIアンプルを注入された人達は元に戻るだろう」

「あぁ・・・」

「だが、それは全く以前と同じにではない事だ・・・」

「どう言う意味なんだ?」


 栄華えいがさんは、一瞬悔しそうな顔をした。だが、それは直ぐ元の明るい表情になり、大きく手を挙げて誘導する。


「いずれわかる時が来る。戻るぞ!あとは美由紀たちに任せよう。それより愛美まなみ愛美まなみって煩いし、戦闘の方法はどうにかならんかったのか?」

「あれ?戦闘で聞いてたの?」

「まる聞こえだったぞ?そのヒーローとしての強さもな?」

「ありゃりゃ・・・。でも、よく栄華えいがさん、大荒部長おおあれぶちょうに勝ったね?」

「あぁ、AIサンプルのおかげさ」

「なるほど・・・。良かった。母さんに感謝だ」

「あれは美咲みさきさんからもらったのか?」

「そう。役に立って良かったろ?命かけてんだからな。無事かな?母さん・・・」


 WORLDに戻ると、母さん達が、治療を受けていた。意識はまだ戻らないが、命には別状はないと医師から説明を受けた。俺も一応に治療を受けた。大王を倒してから、美由紀さんのAI散布によって、ジャッカルたちは全員、元の人間に戻ることができた。大王製薬の会長はいなくなり、今後どうなるかと思われた。

 しかし、今回も以前の、親父が戦った怪獣襲来の時と同じように、国の存亡に関わるため、ジャッカル達や、製薬会社の人間達には、ニューラライザーにより、記憶の一部が書き換えられたと聞かされた。俺もそれに含まれるのかと思ったが、俺がこの日本を救ったという事により、WORLDへの入社が確約された。


 そんなある日。海外から、俺の父親の情報が入ってきた。今父親は、精神の病に掛かり、イギリスの情報機関が追っている組織の中にいる一人ではないかと言う不確定な情報だった。

 それを確証づけるために、WORLDイギリス支部に情報提供を求めた。すると、間違いなく追っている組織の人物の中に、俺の父親、真野勝利と同じ風貌の日系人がいると言うことが発覚した。


 母さんと、愛美たちの治療が終わったある日。俺は栄華えいがさんにイギリスに行かせてくれと打診した。栄華えいがさんは、俺に救われた日本での功績で、許可をつけてくれた。

 旅立ちの日・・・。


 バババギャーン達が俺を見送りに空港まで一緒にきていた。

「俺たちは行けないけど、お前には感謝している。頑張ってこいよ!お父さん無事だと良いな!」

「ありがとう。母さんと、愛美ちゃんのことよろしく頼みます」

「おうよ!」

・・・と、挨拶して歩き出そうとした・・・。


「ちょっとぉ!!?重要人物忘れてない?」そこに現れたのは、ゲートを抜けて空を飛んできた愛美の姿だった。

「愛美ちゃん、まだダメだろ?おとなしく日本いて!」

「嫌!私、カイト君と一緒じゃなきゃ、WORLDに入んないって栄華えいがさんに言ったのよ?」

「えっ?そうなの?」

「うん、だから、いつもお供させてくださいな?怪人の力、必要でしょ?」

「・・・・・」

 愛美ちゃんの回復力は、怪人になったことで格段に上がり、健常者に戻ることができた。そうでなければ、死んでもおかしくない傷だったと医師から聞かされていた。

「ふぅ・・・・」俺は一息ため息をつく。

「仕方ないか・・・」

「そうそう!いつも一緒!!」

 俺たちに手を振るバババギャーンたち。そして英雄ひでお達。


「行ってきます!!」

「おう!行ってらっしゃい!頑張ってな!!良い報告待ってるぞ!」

「ありがとう!」

「何かあったら、いつでも連絡してこい!俺たちはお前らの仲間だ!」



HERO!!!《覚醒》END

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