第38話会話 side栄華
「クッ・・・!こいつが、大王・・・黒幕かぁ・・・」
私は、司令室のモニター画面を観ながら司令席の座席を叩いた。英雄たちもモニターに釘付けになっていた。私は、オペレーターに、とりあえずスナイパー部隊を、派遣するように伝えて、英雄とバババギャーンたちを連れて、作戦室へと篭った。依然レッドの姿は無いが、他4人のバババギャーンと英雄と百花と共に作戦を練った。
まずは先行する、スナイパー部隊で、占拠されているテレビ局のジャッカルたちを、閃光弾で殲滅し、その後、大王の元へと、我々全員で殲滅にかかることを伝えた。しかし僕はいるだろうということで、バババギャーンにそれを殲滅してもらう形にした。
私は、一旦、医務室のテスター治療を受けている、カイトの母、美咲さんのところへ顔を出した。東郷美由紀がカイトの様子を診ていた。
「どうだ?回復具合は・・・」
そう尋ねると東郷は、首を横に振った。私は、依然、意識が戻らないことを悟った。美咲さんが無事であれば、これまでの経緯を聞けるはずだと思ったが、甘かった。すると、突然、医務室の扉がぶち破られる音。扉が吹っ飛ぶ!
「なっ!なんだぁ!?」
声を挙げた私と、東郷の目の前には、ロボットテスターから甦ったばかりの、水浸しのカイトの姿だった。
「母さん!母さん!」
そう叫ぶカイトは、意識は戻っているが、まだフラフラとした足取り。しかし、力強い何かを感じ取ることが出来た。ただ朦朧とする意識の中で、母が呼んでいるかのように医務室に現れたのだった。
「どうなんだぁ!母さんは!生きてるんだろうなぁ!」
「カイトくん待ってぇ!まだ美咲さんは意識がもどって・・・」
東郷の言う事など聞かずに、カイトは、美咲さんのベッド横に来て、美咲さんと頭を合わせた。
「俺には、母さんの言葉が聞こえるんだ!ちょっと待ってろ!」
以前の、優しさに満ち溢れていた、少年カイトの姿では無く、そこには、一人の男としてのカイトがいた。
「カイトくん!何をしてるの!そんな事したってぇ!」と東郷が声をかけるがカイトは黙ったまま。美咲さんと頭を合わせていた。
まるでそれは、以心伝心と言う言葉が、相応しいのか分からない。だが、美咲さんの思い出や、記憶を自分の中に、取り入れているかのように見えた。
しばらくの沈黙が続くと、カイトは、スッとベッドから離れた。そして私、栄華に一言、言いのけた。
「栄華とか言ったな!?白のスーツはあるのか?父さんの形見だろう?」
「なっ!?なんだってぇ?ちょっと待て!なぜそれを知っている。それに父さんの形見ってどういう事だ!?」
「俺は今、眠った母さんの意識と会話をした」
「会話って・・・」
「あぁ!俺たち怪人にとっては造作の無い事・・・」
「カイト・・・」
「それにな、あんたに挿したアンプルがあれば、怪人を元の人間に戻せるんだよ!」
「そっその事も知っているのか?」
「あぁ、今さっき母さんの意識の中と会話して全部聞いた」
「待ってぇ!カイトくん!アンプルはまだココには到着してはわ!」と東郷が言う。
「なんだって?」
「AIアンプルは今アメリア国から輸送中、テレビ局や水島駅全員の人間を元に戻すだけのアンプル量は無いのよぉ」
「チェッ!役に立たねぇな!!」
「明日朝までには到着する予定にはなってるから」
「じゃあそれまでに大王を倒してやるよ!白のスーツを着させろ!あるんだろ!?」
「お前・・・その体で・・・何が出来るってんだ!確かにお前には合うだろう・・・だが、今の状態では、戦闘力がアップしすぎて体が持たないぞ!」
「フンッ!あんたさぁ?俺の波動力は、見たはずだろ?俺が、人間の姿のままで、倒したのは誰だっけな?」
「きっきっさま!」
堂々と言いのけるカイトの姿に、私は、スーツホルダーへと案内せざるをなかった。
「美由紀!アメリア国からの便の事頼んだぞ!」
「OK!任せて!」




