外にでる
「ふふぁー。」
目が覚めたので、軽く伸びをする。
「ンンッーーーーー。」
少し、体が痛い様な気がする。
「はー、やっぱりこうなるかー。」
王族に生まれた私はこれまでふかふかのベッドでしか寝たことがなかったので宿のベッドは、体に合わなかったらしい。
「まぁ、いいか。それよりごはんごはんと。」
部屋を出て、食堂に行く。
「おばちゃーん、朝食はー?」
「あら、あんたもう起きたのかい。結構早起きなんだね。すぐに用意するから、そこらへんに座って待っときな。」
「わかったー。」
近くにあった、椅子を引いて腰をかける。
少し、待つとおばちゃんが朝食を持ってきてくれた。
「ほら、食べな。」
「いただきまーす。」
〜今日の朝食〜
サラダ
野菜がたくさん入ったスープ
パン×2
「ごちそうさまー。」
「どうだった?朝食は?」
「いやー本当に美味しいね。おばちゃんが作った料理は。」
「そう、言ってくれると嬉しいよ。」
「いや、本当にですよ?」
「はいはい。それより、聞きたいことがあるだけどいいかい?」
「はい、いいですよ。」
「あんた、冒険者なんだよね?」
「はい、昨日からですけどね。」
「けどあんた、それらしいものもってないじゃないか?それらしいものって、あんたが今つけてる変なローブだけじゃないか。」
「なんですか、変なローブって!よく見てください!可愛いでしょ?私は、なんといってもこの耳の再現度の高さに惹かれて買ったんですよ!」
私は、ローブのことを熱く語った。
「何と言ってもですね、この耳が「分かったわかったから、少し落ち着きなって。」・・はい。」
確かに少し熱くなりすぎたかもしれない。でも、おばちゃんにこのローブの良さが伝わらなかったのは、残念だ。
「その、ローブのこと悪く言ってすまなかったね。私はそんなことを言いたかったんじゃないんだ。そのあんたは、大丈夫なんだね?」
「なにがですか?」
「だから、心配してんだよ。あんたみたいな奴がよく死ぬからね。」
「ふふ、心配には及びませんよ。私こう見えて強いですからね。」
ドヤ顔風に言ってみた。
「分かったよ。ともかく『無茶』だけは、するんじゃないよ!」
おばちゃんは、そう言ってから厨房に戻っていく。
「ふふ、いい人だなー。」
私のことを心配してくれたことを嬉しく思った。
「さて、行きますかー。」
私は、麦の宿を後にした。
□◇□◇□
「すいませーん、門を通ってもいいですか?」
門兵に問いかける。
「なにしに行くんですか?」
「薬草を取りに行くんですよ。」
「わかりました。けど、魔物もいるので気をつけてくださいね?」
「大丈夫ですよ。私、これでも冒険者ですからね。」
「それでもです。ともかく気をつけてくださいね?」
「わかりましたよ。」
私は、微笑を浮かべながら門兵に答えた。
「では、通ってくれて構いません。気をつけて。」
「分かってますって。」
私は、初めて王都から外に出た。
「あっ、そうだ!薬草ってどこでとれますか?」
私は、さっきの門兵に聞いた。
「あそこにある森の入り口付近でとれますよ。」
「ありがとうございます!」
私は門兵に礼を言い、颯爽と駆け出した。
□◇□◇□
「なんで、お姉様はそんな意味がわからないことのために城を出たのよ!そんなの城を出ないほうが出会いは、多いじゃない!」
ロロは、トルテ達にいい叫ぶ。
「ロロ、諦めろ。姉ちゃんの考えてることはわからないんだからさ。」
「だって、そうじゃないオラール。ここにいたら、出会いなんていっぱいあるじゃない!それに、お姉様の美貌じゃ選び放題じゃない!」
「それもそうなんだけどなぁ。」
オラールは、ロロの言い分に納得する。
「そういう出会いを求め出るのじゃないらしいです。アリアネス様が求めた出会いは。」
トルテが、はっきりと言い放つ。
「アリアネス様が城を出るときに私にそう言ってましたしね。」
「「本当に訳がわからねーよ!(ないわよー!)」」
ロロ達が言い争ってるのは、アリアがいなくなった日です。