転生します
2話目です
「落ち着いたか?」
(・・・はい。)
落ち着いたのは落ち着いたけど、恥ずかしい事には変わりがないよね。
「まぁ、気にすんな。」
(きにしますっ!それより、考えを読まないでください!)
「それは、無理だな。だって、お前喋れないし。」
(えっ?どういう事ですか?)
「その事については、私が話します。まず、あなたは、ここがどこだかわかりますか?」
(わかりません。)
「ここは、神域又は神界と呼ばれる所です。」
(へ〜、ここ凄い所だったんですね。)
「お前反応薄いな。」
(考えを読まれる方が個人的に神域とかより驚きましたからね。)
「そして、ここは選ばれた人しか来れない所なんです‼︎」
(へ〜。)
「うん、まぁそうなるわな。いいか、よく聞けよ。ここは、お前が住んでいた地球とは違う世界だ。」
(なんで、そんな世界に自分がいるんですか?)
「それはな、こちらの世界に少しだけ転生とか転移をさせてるわけよ。」
(じゃあ、自分はそれに選ばれたんですか?)
「いや、違う。お前はなんらかの拍子に転生か転移に巻き込まれたと思ってもらっていい。」
(なぜです?)
「なぜなら、貴方自分に関する記憶がないでしょ?」
(いやいや、記憶はありますよ。今すぐにでも話せますし。)
「それなら、お前の年齢は?性別は?職業は?分かるんだろう?」
(えーと、あの、そのー、すいません、わからないです。)
なんで、わからないんだ?自分に関する事以外は、覚えてるのに⁉︎いままでみた、ドラマ・漫画・小説とか今までに作った料理のレシピとかは、覚えてるのに⁉︎
「いや、悪かったな。意地の悪い事をして。」
「そうですよ。私達のせいで記憶を無くしてるのに。」
(どういうことですか?)
なぜ、この二人のせいで記憶をなくしてるのだろうか?
「じゃあ、説明しますね。なぜ、貴方の記憶がないのが私達のせいなのかを。」
□◇□◇□
「と言うことなのです。わかりましたか?」
(あ、はい。なんとなくだけどわかりました。つまり、二人が同時に異世界にだれかを転生させようとしてその時に自分が巻き込まれて今に至ると言うことですね。)
「ああ、その通りだ。」
(では、自分は地球ではどのような扱いになってるのですか?)
「その、言いにくいんだけど多分行方不明扱いになってると思うよ。」
(では、帰れるんですか?)
「いや、無理だ。偶然お前が巻き込まれた反動で記憶を失ってるから地球には返すことができない。記憶があったら、帰れたかもしれないけどな。」
(そうですか。自分は、どうすればいいのですか?)
「お前反応薄いよな、やっぱり。」
(自分に関する記憶がないからですかね?親がいるのかも家族がいるのかもわからないから、そんなに悲しくもないですしね。)
「ごめんね私達のせいで、地球に帰れなくて。その代わりと言ったらなんなんだけどね、よかったらこの世界に転生してみない?楽しいと思うよ?」
(転生ねー。)
そもそも、この世界は地球とどう違うのだろうか?
「そういえば説明してなかったな。わかりやすく言うと、剣と魔法のファンタジーな世界だ。この、アギウスはな。」
「楽しいよー、アギウスは。魔法もつかえるし、スキルもあるし、魔物や獣人、エルフやドワーフもいるしね。」
おおー!なんかこう、心躍る世界のような気がする。転生するのもアリな気がする。
「それに、こうなったのも私達のせいだしね。少しだけ考慮するよー。」
(何を考慮するんですか?)
「まあ、スキルとかだな」
それって、こっちで何個か考えていいってこと?結構破格の条件のような気がする。
「あまり、強すぎるのは無理だけどね。」
いいかも。うん、いいね。うん。
(自分は、アギウスの世界に転生したいと思います!)
「了解しました。」「ああ、わかった。」
(それで、スキルなんですけど、一つ目にーーー)
□◇□◇□
「じゃあ、準備はいいか?」
(オッケーです。)
「それなら、その印の所に立ってね。」
えーと、印、印と。
(はい、立ちました。)
「OK。じゃあ、いくよー!」「それなら、いくぞ!」
すると、その印が光り輝き始める、
(あ、ちょっと待ってください。忘れてました。貴方たちの名前ってなんですか?)
二人とも、鳩が豆鉄砲食らったような顔になり、少しして笑い始めた。
「そうですね。そういえば名前教えてませんでしたね。」
「確かに、教えてなかったな。」
「私は、グリモアです。」
「俺は、アレイシス。」
(グリモアにアレイシスですね。ありがとうございました、グリモアにアレイシス。自分は、アギウスで生きていきますね。それでは、また会う日まで。)
光が眩く光ると、消えていった。
「聞きましたか?アレイシス。地球にいたあの人をこちらに連れてきた私達にありがとうですって。」
「ああ、聞いた。おかしな奴だな。」
「これは、あのスキルだけでは足りないですね。」
「確かに足りないな。あのスキルだけじゃ。なら、少しオマケをしてやるかグリモア。」
「ええ、オマケをあげましょう。」
「「どうか、あの者に神の加護があらんことよ。」」
二人は、嬉しそうにさっきまでいた者へ、加護を与えた。自分達に優しく接してくれた者がアギウスで生きていけるように。二人の神は、そう願いながら加護をかけた。
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