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一騎打ち

恋人になったことを根掘り葉掘り聞かれた次の日、俺はいつも特訓している場所に行った。


「楽しみよ。ハクヤがどこまで強くなったか知りたいと思っていたからね」

「…俺も今日こそは母さんに勝つよ」

「確かに私もハクヤの本気を見たことはないわね。だからこそ、今日は私も本気で行かしてもらうわよ」

「いいよ。俺も全部出し切るから」


母さんは不敵な笑みを浮かべている。そして、俺も今までにない高揚感がある。初めて全力を出し切れる相手だからな。


「ハクヤ様、奥様…怪我だけは気をつけてください」


マイが心配そうな表情になっている。


「審判は俺に任せな」


父さんは真剣な目でこの勝負を見守ろうとしている。


「ハクヤそろそろいいかしら?」

「いつでもいいよ」


俺はいつも使っている木刀を正面に構えた。母さんは短剣を鞘から抜き構えた。


「双方準備はいいか?」


俺と母さんは頷き開始の合図を待った。


「…はじめ!!!!」


父さんの言葉と同時に俺と母さんは地面を全力で蹴り鍔競り合いになった。


「私と鍔競り合いできるなんて大したものね…だけど簡単には勝たせてあげないわ」


俺から距離をとると魔法を使い始めた。


「喰らいなさい!火竜!!!」


火で出来た竜が俺に迫ってきたが、俺は神気を木刀に纏った。そして火竜が大きな口を開けて俺を喰らおうとした瞬間に木刀で薙ぎ払うことにした。

前世でじいちゃんから教えてもらった刀術を使って。


桜花一刀流(おうかいっとうりゅう)一葉(いちよう)


斬撃が火竜を横に真っ二つにした。


「…これを真っ二つにするなんてなかなかやるわね。正直かなり驚いているわ。だから次はもっと楽しませてあげる!」


火と水と風と雷の球が出来ると同時に合体した。


「吹っ飛びなさい!!<フォースレーザー>」


俺の身長より直径が少し大きいレーザーが俺に迫ってきた。


「ちょ!?まじかよ!?」


俺もこれには相当驚いている。だって当たったら死ぬしな。なら、俺もその技に見合う技を使うか。


「<吸収>」


木刀をもっていない左手をレーザーに向かって伸ばし受け止めた。そして、レーザーにあるエネルギーを吸い取った。


「なっ!?あれを正面から受け止めるの!?」

「今度は俺から行くよ!!!<加速>」


驚いている母さんに一瞬で距離を詰め、接近戦に持ち込んだ。


「まさか、ここまで強くなっているなんてね…」


そう言っても、俺の木刀の攻撃普通に受け止めているけど。やっぱりチートすぎるって思う。


「…驚いた?」

「えぇ、素直に驚いたわ。だから、『銀の魔女』と言われた理由を見せてあげる」


母さんが魔法を使おうとしたので俺は急いで距離を取った。


「火竜、水竜、風竜、雷竜出てきなさい!!!!」


母さんの後ろに4体の魔法で作られた竜が現れた。そして母さんを中心にして竜が吸い込まれていき急に光を放った。

俺は目をつぶり、光が収まるのをまっていると一つの姿が見えていき、完全に見えた時俺は目を見開いた。


「うそだろ…」


母さんの白銀の鎧をつけていて、背中から翼が生えていた。


「ハクヤ…これが母さんの全力よ。これはね、四属性の魔法を私の魔力に混ぜて鎧を作り、さらに竜の力を得たのよ。私は『竜騎士化』ってよんでるけどね。スキルの所にこの技がないのは私のオリジナル魔法だからね!!本気で行くわよ!!!」


いやいや!!あんなチートと戦えと!?きっついぞ!!それに母さん…人間やめてるだろ…俺もあんまり人のことを言えないが…


「ふぅー…これはマジで手札を全部使わないと勝てないな…」


俺は覚悟を決めてもう一度木刀を構えなおし集中をした。


「ハクヤ…覚悟は見たわ。なら行くわよ!!!」


母さんは俺にものすごい速さで迫り斬りかかろうとしていたが俺は受け止めた。


「母さん…正直ここまでギリギリの戦いになるとは思ってなかったよ」

「私のこの技を受け止めても余裕があるとわね…」

「いや…正直余裕がないよ。だから俺も切り札を使わしてもらうよ。だから母さんは全力で守った方がいいよ!」

「この鎧を壊せるというのね…今まで壊せれた人はいないけどね!!」

「なら、俺が最初に壊してやる!!!」

「来なさい!!!!」


俺はさっきのレーザーから吸収したエネルギーを左手に集めた。


これで決めれなかったら俺の負けだな…だけど後悔は一切ない!!!!


「<増幅>からの<加速>そして…<集中>」


俺は左の拳にエネルギーを増幅させ、肘の所からの加速で威力を上げて、エネルギーを母さんの鎧に当たる場所に集中させた。

そして、俺の拳は母さんの鎧とぶつかった。


「うぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」


―—―――――――――ピキッ!!


鎧にヒビが入った。


――――――――――――ピキッ!!ピキピキッ!!


徐々にヒビが広がっていった。そして…。


――――――――――パリンッ!!


やっと鎧が割れた。俺はそこでエネルギーをさらに増幅させた。


「なっ!?」

「これで最後だぁあああああああああああああああああああああああ!!!!」


俺の拳は母さんの腹に入った。そして全力で吹っ飛ばした。

母さんは生えている木を何本も倒しながら飛ばされていき、かなり奥で木にぶつかって倒れた。


「勝者ハクヤ!!!」


父さんは俺の勝利宣言だけをして急いで、母さんの所に行き回復魔法をかけた。


「母さんは大丈夫だ!!意識を失っているだけだ」

「…よかった」


俺はその途端に体から力が抜け倒れそうになった所でマイに支えられた。


「おめでとうございます、ハクヤ様。今はちゃんと休んでください」


俺はマイに体を預けて意識を失った。





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