母の愛
俺とマイはベンチに座り、お互いのことを話し始めた。
「ハクヤさんは何歳なんですか?」
「5歳だけど?マイは?」
「10歳ですけど…って5歳!?」
耳元で叫ぶなよ…耳がキーンってなるだろ…
「嘘ですよね!?」
「こんなことで嘘をついてどうすんだよ…」
俺は会話をしながら鑑定をこっそりつかった。
名前 マイ
種族 人間
HP 1200/1200
MP 6000/6000
レベル 1
攻撃力 1000
防御力 700
魔攻 3000
魔防 1500
素早さ 1000
運 50
魔法適正
火・風・雷・時空神・回復
スキル
神器作成・神器操作・魔力操作・銃術・神氣
加護
武神・女神
おう…普通の人にしては強いんじゃね?それで魔銃作成と魔銃操作は気になるな。
神器作成
自分の思った武器や防具を作ることができ、魔力を込める量により大きさなどが変形できる。神気を込めると神器となり、神がもつような武器や防具になる。
神器操作
全ての武器や道具を意のままに操ることができ、自分が武器や防具に触れていなくても意のままに操れる。ただし、相手が装備しているものは操れない。
…あれ?これってめっちゃチートじゃね?加護と魔法適正とスキルが見事にかみ合ってるし…
これはもう決めたぜ!!
「…聞いてますか?」
「あぁ…わりぃ聞いてなかったわ。それより俺の話を聞いてくれるか?」
「…なんですか?」
「俺の仲間にならないか?」
「……え?どういうことですか…?」
俺はマイに鑑定が使えることと神器のことについて説明をした。
「私って強くなれるんですか…?」
「ちゃんと努力すればかなり強くなるぞ。恐らく国でも一番とかになれるんじゃないか?まぁこの国の最強が誰かしらないけど…」
俺が説明し終わると俺の両手を包み込むようにして握られた。
「お願いします!!なんでもするのでそばに置いてください!!」
「そこまで!?」
「だって…私には帰る場所なんてありませんから」
少しだけ悲しそうな顔をしていた…
「まぁ…いいけど母さんに聞かないとダメだからそれでもいいならだけど…」
「はい!!」
さっきの表情とは真逆の可愛い笑顔を浮かべていた。
「んじゃ、もっとたくさん話そうぜ?」
「はい!!」
俺とマイはたくさん話をしていた。
気が付くと太陽は真上になっており、お腹がすき始めたころだった。
「お腹すいたな…」
「そうですね…」
二人でのんびりしていると後ろから声をかけられた。
「ハクヤただいま」
「母さん!!」
俺はベンチを飛び下り母さんに抱き着いた。
「あらあら…」
母さんは俺の頭を優しく撫でてくれた。
「それでこの可愛らしい子は誰かしら?」
「は、はい!!マイって言います!」
マイは深くお辞儀をしていた。そんなに畏まることもないのにな。
「母さん…お願いがあるんだけど…」
「珍しいわね、ハクヤがお願いをいうなんて…それで何かしら?」
こういう時の母さんは無駄に迫力があるし怖いんだよ…実際ちびりそう…
「マイを仲間にしたいんだ!!」
「…どういうことかしら?」
俺は、さっきの喧嘩のこととマイのステータスのこととスラム出身ということを話した。膝は震えていたけど…
「…ねぇ…ハクヤ」
「な、なに…?」
「歯を食いしばりなさい!!」
「え…?」
―――パンッ!!!
俺はビンタをもらった…
「いいかしら!ハクヤは今回は無事だったし、マイちゃんを助けられたからよかったわ。でもね…もし相手が強かったらハクヤも死んでいたかもしれないのよ!!」
俺は初めて母さんが泣きそうな顔を見た…自然と謝罪の言葉がでてきた。
「…ごめんなさい」
「…ごめんね、強く叩いたわね…」
母さんはしゃがみ俺の叩かれた方の頬を優しく撫でてくれた。
「でも、マイちゃんを助けたことは立派なことよ」
優しく抱きしめてくれた。これにはかなり安心した。
「それで、マイちゃんは家に来るの?」
「は、はい!行きたいと思ってます!」
母さんは何かを見定めるようにマイを見つめていた。
大丈夫かな…
「いいわよ。ただし、家事も戦闘技術も覚えてもらうけどいいかしら?」
「…っ!!はい!ありがとうございます!!」
よかった…認められたか…こっちの方がどきどきしたぞ!
「それじゃあ家に帰りましょうか」
「うん!」
「はい!」
俺は母さんの右手、マイは左手を握り家に帰った。
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