出会い
転生から5年が経ち俺は5歳になっていた。
5歳まではエネルギー操作の実験をしたり、魔力を体の中で感じ取り操れるように練習をしていた。あとは、木の棒を木刀の代わりにして素振りをしていたぐらいだ。
今は基礎が大事な時期だからな。10歳になれば冒険者になれるし、あと3年は基礎をしていても問題はないからな。
それで、今日は初めて村から出て街に行くんだぜ!!どんな街かめっちゃ気になるぜ!
「ハクヤ街に行きましょ」
「うん!今日は何しに街に行くの?」
「それは着いてからのお楽しみよ」
母さんは俺の頭を優しく撫でて微笑んでくれた。
俺はこの笑顔を見るたびに安心感を得られる。
「街道はだいぶ安全だけど、万が一があるかもしれないからこのナイフを懐に入れときなさい」
母さんが俺の懐にナイフを入れて、俺と手を繋ぎ街に向かって出発した。
街道に入ると、道はちゃんとほそうされていて、人通りも多く比較的に安全と思った。
「あとどれぐらいで着くの?」
「そうねぇ…10分も歩けば着くわよ」
だいたい村から20分ぐらいの距離か…意外と近かったんだな。もっと遠いと思っていたぞ…
「ほら、見えてきたわよ」
母さんが指をさした方向を見ると、中世のヨーロッパっぽい街並みが見えてきた。
「大きいなー」
「ふふ、あの街はまだ小さい方よ」
まじか!?あれでも小さいってことは大きい街ってどれくらいだよ。早く見てみたいなー。
無事門番の所をくぐり、街の中にいくと母さが止まり話しかけてきた。
「私はちょっと寄りたい所があるからそこの噴水の所の椅子に良い子に座っといてくれる?」
「大丈夫だよ!ちゃんと待っとくよ!」
「ふふ、ありがとう」
俺の頭を優しく撫でて俺と別れた。
さて、ここからは俺一人の時間だがやることが一切ないぞ…家なら特訓や知識をつける所だが何もないしな…
ただ椅子に座ってろって言われたし暇なんだよ…素数でも数えとくか?
「オラッ!!!ガキがこんな所に来るんじゃねぇぞ!!!スラムのガキなんて消えちまえ!!!」
ん?なんだ?なんか急に騒がしくなったけど?
「スラムのガキは死んでも誰も悲しまねぇから好きなだけやっちまうか!!テメェら!!」
「そうっすね!兄貴!」
「さすがです!!」
どうやら、鎧を着て大剣を背負ったおっさんが俺より少し年上?ぐらいの女の子を殺そうってことらしいな…嫌になるぜ…
「い、いや…助けて…」
必死に助けを求めている少女を、通りすがりの人は見て見ぬふりをしている。
それもそうだな。この世界は自分だけでも生きるのが大変なのに人を助ける余裕なんてないしな…
「だ、だれか…嫌だ…」
だけど、俺はこの少女を見捨てるなんてできなかった。
おっさんが拳を作り少女に迫ろうとしていた。俺は助けるために自分の出来ることを全部使うことにした。
「<加速>」
俺は光神の加護のお陰で今は音速ぐらいならだせるから、そこからエネルギー操作でエネルギーを増幅させて移動速度を上げて、おっさんと少女の間に入り男の拳を片手で受け止めた。
「なっ!?」
「おっさん…この子に手をあげるなら俺が相手になるぜ?」
俺は神気を纏い、最大の威圧でおっさんと子分二人を睨んだ。
「「ひっ!?」」
「どうなんだ?やるのか、やらないのかはおっさんが決めろ」
おっさんの子分の二人はビビッているがおっさんは少し気圧されただけか…
「ふ、ふざけんじゃねぇええええ!!!ガキが俺を止めれると思うなよ!!!」
「…なら、止めてやるよ。おっさんの息の根もな」
おっさんは背中に背負っていた大剣を抜き俺に斬りかかってきたが、俺は余裕で躱しナイフを懐から取り出した。
「そんな攻撃じゃ俺には効かねぇぞ?」
「なめんな!!これで終わりにしてやらぁ!!!!!!」
大剣に炎を纏い突っ込んできた。
「遅い」
俺はナイフを神気で纏い、おっさんの懐に入り込み鎧だけを真っ二つにし鳩尾に拳をぶち込んだ。
「…嘘だろ。俺が…ガキに負けるなんて…」
おっさんは意識を失ったようだな。子分も見てみると俺の威圧で気絶していた。
「ふぅ…終わったか。つうか弱すぎるだろ」
「あ…あの…」
俺は声がした方に振り向くと助けた少女がいた。
改めて少女を見ると、顔は美人だな。少したれ目だが泣きぼくろがあり、風呂に入れば綺麗な黒髪ロングだろうしな。将来絶対モテる奴だな。美男美女とりあえず爆ぜろ!!
「あの…」
俺は少女の声で、意識を戻し向かい合った。さりげなく身長負けてるよ…
「あぁ…怪我はないか?」
「はい、かすり傷なので大丈夫です。…それよりさっきはありがとうございました!」
少女は勢いよく俺に頭を下げてお礼をいってきた。
「気にすんなよ。あいつが気に食わなかっただけだし」
「それでもありがとうございます!」
「はぁ…まぁお礼は受け取っとくよ」
「私の名前マイって言います!」
「俺はハクヤって言うしよろしく」
俺とマイは握手をして友達?になった。
「それじゃ、俺の母さんが来るまでだけどあそこのベンチで話すか?」
「はい!!」
「じゃあ時間がもったいないし行こうぜ!」
俺はマイの手を取りベンチまで走っていった。
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