この学校には個性的な人が多いみたいだ。
「ちっ。なんだってんだよ...。」
俺は今、教室で掃除をしていた。そうなってしまったのも、全てこいつらのせいだ。俺は真面目に話を聞いていたというのに。ものすごい喧嘩口調と謎の比喩によって掃除をする羽目になった。しかも、その二人は掃除をせずにサボっている始末だ。
「ほら、ここの教室終わったから次行くぞ。」
二人がサボっているため、やらないわけにもいかず一人で掃除をしていた。
「おう。気が利くな!嫌な奴だと思ってたけど違うみたいだな!」
「頼りになりますねー!雨の日の折り畳み傘ぐらいです!」
くっそこいつら掃除すらしない分際で俺を評価するんじゃねぇ...!しかも俺は傘レベルかよっ!!
そう思い、次の教室のドアに手をかけた。
「中で声がする...?」
「ほんとか?覗け覗け!」
そう言われたので仕方なく、優しくドアに触れ、音をたてないように少し横にずらした。
中から聞こえてきたのは、幼い声だった。
「ふっ。私は選ばれしもの...。世界を救えるのは、私しかいないのだ!!」
んんっ!?こ...これは...?
「私の名は...ファントムスレイヤー...。闇を葬るものだ...。」
これは...中二病なのか...?
「失礼しまーす!今からここを掃除するので出て行ってくださーい!」
こいつ...。空気読めよ...。
「むっ。貴様は誰だ!私はファントムスレイヤー!世界の秩序を取り乱す奴は私が許さん!!」
また濃い奴でてきたなぁ...。