俺は、とことんついていないようだ。もう高校生をやめたいです。
朝、HRが終わり、皆が思い思いのことをしていた。新しい友人を探したり、周りをキョロキョロ見ていたり、黙々と読書をしていたり。俺も、新しい友人を探したい。いや、もう一人できているんだが...。
俺は職員室にいた。霧原、舞姫と一緒に。
ここまで話せばわかるだろう。HRの時、先生が話しているというのに、いきなり席を立ちだして、なんと迷惑なことに俺のことを指さしてきたのだ。
それだけでもかなり迷惑なのだが、さらにめんどくさいのが加わってきたのだ。
その名も霧原瑠璃。ふざけんなっていうね。
「ちょっと、聞いてるんですか!舞姫さん!」
さっきからずっと腕を組んで睨みつけている生徒。舞姫いろは。
「霧原さんも!まじめに聞いてください!」
ものすごく笑顔が素敵で、謎の比喩を見せつけてくる生徒。霧原瑠璃。
「なんだ、人間風情が、俺に気安くはなしかけるんじゃねぇ。」
「まじめに聞いてますよー。えへへー。」
「三人とも!ふざけないでください!!」
「え?俺もなんですか?」
いいことを教えてやろう。俺はHRの事件中に一言もしゃべってない。
「ふざけちゃいねえんだよ。こっちは貴重な時間割いてまでも話を聞いてやってんだ。感謝の気持ちの一つでも表してみろよ。」
「なっ。なにっ!?」
こいつマジモンのヤンキーだ。このままじゃ俺の評価まで落ちかねない。それは何とでも阻止しなければ。
そう思い、口を開こうとしたときだ。
「先生もうるさいですねー!せっかくの休日なのに、外で工事をしてる時ぐらいやかましいですよー?」
「う...うぐぅ...。」
心なしか、先生の目に涙が浮かんでいるような気がした。なんか起きそうだな...。
「三人とも...。」
な、なんだ...?
「ん?しゃべるときははっきりしろ。」
「雀のような声なんですねー♪」
嫌な予感しかしないんだが。俺は何もしてないぞ。HR中も座ってたらたまたま指をさされただけで、舞姫さんとは何の関わりもない。
「三人とも...。学校中の掃除をしてこーい!!」
意外に可愛らしい...