やはり、あの出会いは運命だったのだろうか。
クラスの表示を見る。1-B。間違いはないだろう。
「ここみたいですねー!」
「そ、そうだな...。」
霧原は、何でこんなに元気なのだろうか。人見知りの激しくない、むしろフレンドリー側の俺でも、初対面の人に対し、ここまで元気にふるまえないだろう。むしろ俺がフレンドリー側の人間ではないということか?え?そんなはずはない。中学校では、彼女はいなかったが、友達は何人かいた。ん?何人って少ないのか?そういえばバスケに集中しすぎて部活の仲間と以外はあんまり話さなかったが、いや、それでも人見知りではなかったはずだ。ああああああ。
そんなくだらない思考をめぐらせていると霧原がスライド式のドアに手をかけた。
「おはようございまーす!!」
続いて俺も入る。
「...。」
うん。何もおかしくないはずだ。これが普通だ。
「あの人感じ悪ーい。」「てかあの二人一緒にきたよな!どういうことだ?」「あの女の人元気でいい人そうだねー。」「地味メンきたしww」「あの人可愛い!!」
みんな思い思いに言ってくれるな。素晴らしいほどに腹が立ってきた。
キーンコーンカーンコーン
八時十分の鐘がなった。あたりに散らばっていた人たちはみんな自分の席に着いた。
よし。自分の席を探そう。俺は風野だから後ろの方だな。霧原は早いから遠そうだな。
後ろから二番目の窓側から二番目の席。それが俺の席だった。黒板も見やすいし、なにより、窓から吹いてくる春風が心地よい。
そう思い、窓に顔を向けると、そこには超絶美少女がいて、俺のことを睨んでいた。
「貴様、朝の輩だな?」