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One Love ラプソディー  作者: 五十嵐。
最終章 生きること、それは人とのしがらみを解くこと。
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第九話由紀乃

 やっと期末テストが終わった。成績もいつもと同じくらいで満足のいく結果だったと思う。あとは楽しみなクリスマスと冬休みが待っていた。

 けれど知明の家でやったパーティーには竜介はこなかった。同じ学校のクラスメイトだけでやった方がいいだろうと気を使ったらしい。バイトがあるからとも言い訳していた。確かにその日は竜介のバイトの日だった。けど、事前に言えば休めたはずだった。


 最初、その辺が不満だった。それほど母親との関係は悪くなさそうだったから、もっと積極的に会うべきだと思った。けど、やはりどこかで受け入れられないらしい。顔を見ることが重荷になる?

 知明は一月の末から学校へ戻れる予定だと語った。薬の副作用で多少、むくんでいたが元気だった。杏理とはいつもテキストやメールで交流している。しかし、面と向かうとお互いが意識しあい、口数が少ないのが笑えた。

「竜は、僕が入院中とか具合が悪い時はよく顔を見に来てくれたけど、今はあまり来なくなっちゃった。来る理由がないって感じで。だからパーティーに誘ったのに」

 知明はがっかりした顔で言った。私も申し訳なく思う。


 私達のデートは、ディズニーランドへ。

 最初、そう言ったら竜介は嫌な顔をした。クリスマスには、ものすごく混むと思ったらしい。でも意外にそうではないという情報を得ていたので、私は自分の意見を押し切った。

 スターライトパレードを楽しみ、ちょっと豪華そうなレストランへ入る。クリスマスの時期は限定メニューがあると聞いていた。


「もっと混んでいると思ってたし、すごい高級レストランのフルコースとかねだられると思ってた」

 竜介がそう言った。

 高校生の私が、どういう知識から高級レストランのフルコースをねだると思うのか。食べたことのないモノなんて、好みかどうかもわからない。高いイコールおいしいという定義がいつも成立するわけでもない。大体、テーブルマナーで緊張するような食事なんて食べた気がしないだろう。極端な話、竜介と一緒なら近所のうどんでもよかったのだ。


 人気アトラクションに並ぶ。一時間待ちでも平気だった。何気なく、竜介の腕を取り、自分の腕をからめた。竜介も抵抗なく受け入れてくれる。周りも暗いし、冷やかす知り合いもいない。他にも密着しているカップルが多かったからかもしれない。

「あったかいな」

と一言、言っただけだった。私は便利なカイロになっているみたい。

 家にいるときはお互いをなるべく意識しないように努めている。だから、こうして外で会う時は思い切り甘えたいのだ。


 竜介にパーティーに来なかったことを一言、言おうと思っていた。しかし、そんな気は失せていた。竜介だって、家族と近寄りたい心はあるはずだ。けれど本人がまだその時期ではないと判断したんだろうと思う。周りがやいのやいのいうべきではないと悟った。

 何の心配もない、そんな新年が待っている、その時はそう思っていた。



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