Let's 女子じゅーどー部っ -☆ 【シナリオ形式】
■
短編の柔道物。12ページで3組の試合を描くというチャレンジ作品です(笑)。た
だし男が主役だと暑苦しくなるので、例によって女子柔道物を考えました。すると
筆が滑って、スポーツ青春物ではなくお色気ドタバタに……(笑)。なお登場する
「必殺技」のうち前二者は、作者の考案ではなく過去に一応実在したものです。(汗)
■あらすじ
予算獲得の条件として、男子との団体戦を行うことになってしまった女子柔道部。
体力差を埋めるため、真奈たちの考えた卑怯な必殺技が炸裂しまくる! はたして
勝負の行方は……。
■人物
真奈:山下真奈。女子柔道部主将。激し易く、短絡的かつ直線的な性格。
優希:富田優希。女子柔道部員。長身で不必要に色っぽい女子。
春香:西郷春香。女子柔道部員。小柄で茫洋とした雰囲気の女子。
生徒会長:くそ真面目っぽい、ストレート髪にメガネのお姉様。
司:渋川司。少年漫画の主人公タイプで男子柔道部主将。心の底では、真奈のことを
心配してくれてるらしい。
夏樹:磯夏樹。男子柔道部員。すばしこいタイプの男子。
高志:高木高志。男子柔道部員。力持ちっぽい外見の男子。
主審:男子柔道部員。驚いたり焦ったりしても、役目はしっかり果たす男子。(笑)
[1]
扉絵。
T「Let's 女子じゅーどー部っ -☆」
[2]
○生徒会室
真奈「納得できません!」
デスクに掌を叩き付けて、絶叫する真奈。
キャプション「女子柔道部部長 山下真奈」
生徒会長は、メガネをなおしながら落ち着き払って、
生徒会長「女子柔道部は実績もほとんど無いでしょ。請求は飲めないわ」
真奈「でもこんな少ない予算、ひどすぎます!」
生徒会長「なら実績を示すことね」
真奈、不満そう。
[3]
真奈「しばらく大会は無いし……練習試合くらいしか」
生徒会長、馬鹿にするように
生徒会長「そんなもの実績のうちに入りますか。せめて、男子柔道部と団体戦をやって
勝つくらいの……」
真奈、勢いよく身を乗り出して
真奈「!」「男子に勝てば予算を認めてもらえるんですね!」
生徒会長「え……ええ、まあ」(汗)
勢いに押されてしまってる生徒会長。
○女子柔道部部室
真奈「というわけで」「男子と3vs3の団体戦をやることになりました」
優希、手を挙げて
優希「ぶちょー」
[4]
優希「ふつう負けると思います」
春香「体力差あるもんね」
真奈「でもっ! 「柔能く剛を制す」って!」
書き文字:桃山時代の達人・関口柔心も
春香「近代のスポーツ柔道はあきらかに体力勝負だよ?」
真奈「うっ……」
困ってしまう真奈。
優希「……ま、戦術、思い付かないこともないけど」
真奈「何か策があるの!?」
優希「弱い者が強い者に勝ててこそ「武道」でしょ♪」
優希、ニヤリと不気味に笑む。
○柔道場
すでに柔道着姿の一同。
司「本当にやるの、山下?」
キャプション「男子柔道部部長 渋川司」
真奈「他に選択肢ないもん」
[5]
司、背を向けながら
司「言っとくが、どんな事情があろうと勝負は勝負。手を抜いたりはしないからな?」
真奈、拳を見せて
真奈「いいわよ、渋川。ガチンコでいきましょう」
○コート
試合開始。
主審「赤、女子柔道部・西郷春香! 白、男子柔道部・高木高志!」「勝負一本、
はじめ!」
春香、異様に汚れた道着を着ている。(伏線)
○ギャラリー
生徒会長も観戦している。
○コート
高志「うっ!?」
ぷ~ん、と、二人の周囲に漂ってる臭気。
高志「な、なんだこの気持ち悪いすっぱいニオイは!」
春香「へへへ……この道着、4ヶ月ほど洗ってないの」
[6]
春香はにじりより、高志は鼻を押さえてあとじさる
高志(苦悶の表情)「汚いぞ!」
春香「そりゃあ、洗ってないわけだし」
高志「そ、そういう意味じゃなくて……ううっ、さ、触るなっ!」
春香、とびかかろうと威嚇。
春香「うりゃああっ」
高志「うぎゃあっ!」
高志、逃げようとしてけつまづき転んでしまう。
主審の声「勝負アリ! 一本」
○選手席
真奈(汗だくで引きつり笑い)「な、なにあれ……」
優希「これぞ、触れずに勝つ伝説の必殺技「臭気道」♪」
○ギャラリー
顔がひきつってる生徒会長。
[7]
○コート
主審「赤、女子柔道部・富田優希! 白、男子柔道部・磯夏樹!」
袖と襟を掴みながら動く二人。
優希、わざと胸元のTシャツをちらちら見せてる。(伏線)
夏樹、ついつい視線が優希の胸元に。
優希「よっ!」
優希、夏樹の足を内側から刈り夏樹は転倒。
夏樹「大内刈り!?」
主審の声「有効!」
[8]
○選手席
真奈「やった、優希♪」
春香「いや、恐いのはこれからだって」(引きつり笑い)
○コート
主審の声「押さえ込……」
縦四方固めの状態に入ってる。
声「!?」
下になってる夏樹、顔面に……
夏樹「むぐっ!?」
夏樹(心の声)「むっ、胸が!?」
優希、夏樹の顔に胸を押し付け、頭を抱きしめて、舌なめずり。
優希「さあ、天国と地獄を同時に味わいなさい!」
[9]
夏樹、頭を抱え込まれてもがいてる。
夏樹「もがが~~~っ!」
夏樹(心の声)「うわーっ! 息ができないっ、でも女子だから気色いいっ!」
優希、狂気的な笑いを浮かべて抑えこみつづける。
○選手席
主審の声「白、イき……もとい、落ちました。勝負アリ!」
真奈、頭を抑えてる。
春香「「愛の必殺技・捕乳締め」って言うんだって」
○ギャラリー
真っ青になって固まってる生徒会長。
[10]
司「お前ら……ほんとになりふり構わないな」(汗)
真奈(半泣き)「しょうがないでしょ! フェアな勝負じゃアンフェアなんだから!」
主審の声「赤、女子柔道部・山下真奈! 白、男子柔道部・渋川司! はじめ!」
司、真剣な表情で身構えて
司「だが、俺も県大会3位「横四方の渋川」……あの程度の奇襲は通用しないぞ!」
真奈は顔を紅潮させ、なぜか辛そう。
真奈「ううっ……やらないとだめなの?」
○選手席
手に汗を握ってる優希と春香。
優希「今よ真奈!」
春香「必殺!」
[11]
○コート
目をつぶって思い切った表情の真奈の、帯がとけ股下の紐が切れ、
前をはだけて股下が落ち、下着が丸見えの姿に。(Tシャツは着てない)
声「究極の奇襲技、「裸締め」ならぬ「裸攻め」!」
声「ーーーっ!!」
司、ぶったまげて鼻血を噴く。
[12]
主審「白の試合放棄。勝負アリ!」
真奈はぺたんと座り込んでしまい、前をおさえて号泣する。
真奈「なんて作戦よ、も~っ!」「渋川、責任とってケッコンだかんね!!」
司は返事もできず、うずくまっている。
○ギャラリー
真奈「でも一応、全勝しました」
生徒会長「認めるか、そんなもん!!#」
生徒会長、ハリセンで真奈の頭をひっぱたく。
[おしまい☆]