表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/76

56話・どっちに妬けるの?


「別に不思議でも何でもないと思うよ」

「バーノが精神的に大人なだけよ。皆がそうとは限らないけどね」


 視界をピンク色が掠めたと思ったら、肩にモモが乗っていた。バーノの肩にはキミドリが乗っている。


「あなた達、仲が良いのね。焼けちゃうわ」

「どっちに?」

「どっちもよ」


 モモに話しかけていると、バーノが聞いてきたので二匹の仲の良さに焼けると返せば「僕も同じく」と、言葉が返って来た。


「ねぇ、バーノ。あなたに聞きたいことがあるのだけど、あなたから見た薬師長さまってどういう御方?」

「急にどうしたの? オロールの爺さまと何かあった?」

「ううん。何も無いわ。薬師長さまは奥方さまはいるの?」

「爺さまは気難しいところはあるけど、ナーリック爺さんの話では、若い頃に比べて態度は軟化したと聞くよ。オロールの爺さまに奥さま? いないよ。今は独身」


 どうしてそのようなことを聞くかとバーノの目線は訴えていた。でも、その答えを聞いてジネベラは安堵した。

 

 この間オロール先代公爵と、出会った時のキャトリンヌの態度が気になっていたのだ。あれからバリアン男爵家に帰ってきて、キャトリンヌはずっと浮かない様子で、母からこっそりと「何があったの?」 と、聞かれたぐらいだ。その晩のキャトリンヌは、夕食後すぐに部屋に下がってしまい、両親と三人で心配していた。

 翌日には何事もなかったような顔をしていたが、よくよく観察してみれば、キャトリンヌはオロール先代公爵のことが話題に上がると時折、顔を顰める時がある。


 薬師長を苦手に思っていそうな感じではあるものの、それにしては王都で会った際に、自分から堂々と名乗っていたのはどうしてなのだろう? 薬師長とアンジェリーヌ二人をじっと注視していた気もするし、キャトリンヌが何を考えているのか分からない。今までにこんなことはなかっただけに気になって仕方なかった。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ