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【書籍化】悪の皇女はもう誰も殺さない  作者: やきいもほくほく
一章 悪の皇女はもう誰も殺さない
6/75

06

第一皇子、マクソンス・ドル・ディアガルド。

燃えるようなカシスレッドの髪と母親に似た吊り目とレッドパープルの瞳。

肉食獣のように荒々しい彼は、皇帝に憧れて幼い頃から剣術を叩き込んで己を鍛えている。

ヴァロンタンと手を組んだ軍のトップレデロ大将の娘の子供で、皇后はヴァロンタンを毛嫌いして後宮で暮らしている。

後宮では全ての権限を握り、自由に散財しながら暮らしているそうだ。


第二皇子、リュカ・ドル・ディアガルド。

深海のようにアッシュブルーの癖毛とラピスラズリの美しい瞳を隠すように眼鏡をかけている。

内気でいつも部屋に閉じこもっており毒物の研究に勤しんでいる変わり者。

母親は帝国民から支持を受ける教皇の娘だった。

リュカも幼い頃は母に連れられて教会に出入りしていたが、彼は宮殿に閉じこもり、本と毒物の研究に夢中になる。


そして後に『悪の皇女』と呼ばれる第一皇女、キャンディス・ドル・ディアガルド。

ホワイトブロンドの髪とラベンダーの瞳を持つ。

ディアガルドの宝石と呼ばれた彼女の母は、由緒正しき血統を持つ古参の帝国貴族の娘だった。

反発する古参の貴族達を説得するために組まれた縁談だったのだが、病弱な彼女は空気のいい別邸で暮らしている。


第三皇子、アルチュール・ドル・ディアガルド。

イエローゴールドの髪とピンクパープルの瞳。

アルチュールの母は平民だと言われている。

アルチュールを置いて母親は後宮に行く、どこにいるかもわからない。

アルチュールは何の後ろ盾もなく宮殿では差別的な扱いを受けていた。


マクソンスが十四歳、リュカが十二歳、キャンディスが十歳、アルチュールが九歳の時に、ついに後継争いが激化することになる。


争いは権力が絡み合い、宮殿内は血生臭いことが頻発するようになる。

しかしアルチュールだけは後継争いから早々に身を引いた。


キャンディスが有利になるようにと祖父が用意した婚約者はいつも笑顔で隙がない完璧な王子ジョルジュ。

他の兄弟たちにはいない紳士的で大人びたタイプだった。

隣国のダルトネスト王国の第二王子で端正な顔立ちに聡明で完璧だと称されていた彼はダルトネスト王国で絶大な人気を得ていた。


キャンディスはジョルジュの顔は嫌いではなかったが、キャンディスのやることに文句ばかり言う。

嫌な男だとわかった瞬間、ジョルジュに近づかなくなった。

彼はキャンディスの嫌な部分をチクチクと刺してくる。

粗相をした侍女を処罰した時も、いちいちキャンディスに注意して相手を助けてばかり。

いちいち癪に触る嫌な奴ではあったが、キャンディスは心の奥底ではジョルジュに愛されたいと思っていた。


(わたくしの婚約者なのに、どうしてわたくしを敬い愛さないのよ!)


しかし愛し方も愛され方もキャンディスにはわからない。

婚約者なので離れることもできないまま共にいた。

パーティーに一緒に出席する時に送られる羨望の視線を受けられることだけはジョルジュを評価していた。


今までキャンディスは気に入らないものは目の前から排除してきた。

しかしジョルジュは他国の王族だ。

対等に注意してくるジョルジュはキャンディスにはどうすることもできなかった。


宮殿内の空気は殺伐として兄弟仲は最悪の中、颯爽と現れたのが〝ルイーズ〟だった。


突然、兄弟たちと共に父に呼ばれて紹介されたルイーズはアルチュールの双子の妹だと言われた。

つまりキャンディスは唯一の皇女ではなくなり、第二皇女となる。


再会を喜ぶアルチュールとルイーズ。

ルイーズは母親が市井で育てていたようで、立ち振る舞いは平民そのものだった。


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― 新着の感想 ―
ルイーズって本当に皇帝の子だったのかね? 他国の密偵とか。
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