神鐵
紫焔の工房での騒動から10日ほど経ったある日珍しく師匠である鍛冶神が紫焔の工房に顔を出し来た。
師匠「火入れの時は随分とお客が多かったが無事に火入れは終えたのか?」
紫焔「あ、師匠ご無沙汰してます、火入れですか?はい、あれから無事終わりましたよ。なんであの日に限ってお客が多かったのかは知りませんが?」
「工房は無事そうじゃな?」
師匠「なんじゃ?おまえも来たのかこの暇神が」
鍛冶神「酷いですね、まあ暇なのは認めますけど。」
紫焔「鍛冶神様その節はご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした!」
鍛冶神「そんなこと気にするな大体コイツと居る時はよくあることだ。それに我に様付けす必要ないぞ、それよりも神鐵でアレを造れるとは思いもしなかったがな」
突然訪問して来た鍛冶神に神鐵で造った物がどういう物なのか尋ねられて言葉を失ってしまう紫焔に師匠である鍛冶神が倭刀の製法上神鐵で造ることが不可能だと言われた。
なぜ、紫焔が神鐵で倭刀を造れたのか疑問に思った鍛冶神は何か特殊な製法でもあるのかと紫焔に訊ねたことがあったがその時は紫焔に軽く流されてしまい分からずじまいだった。
紫焔「ん~、まあここにいる方たちなら教えても大丈夫かな? そもそも、教えた所で誰でも出来る訳でも無いですし自分以外の方が知ってることに越したことは無いんですけどね」
「神鐵の加工は金翅神硬鋼石の加工する過程で偶然見つけただけものですよ。金翅神硬鋼石の出来る過程に必要な殻と液混ざり出した時に出る液体が神鐵を加工して火入れまで行うのに適していたというだけの話です。」
鍛冶神「そんな重要な事教えて大丈夫なのか?」
紫焔「大丈夫ですよ、金翅神硬鋼石の大元である金翅鳥は決まった場所に卵を産む訳でも無いし卵を見つけてもヒナがいつ孵るかなんて分からないですから。それに偶然なにかで入手出来たとしても神鐵その物が入手出来なければ無意味ですからね」
「今回のこの倭刀は依頼者が神鐵を持ち込んだので造ることが出来ただけです!それとこれは他言無用でお願いしたいんですが倭刀本来の製法であれば金翅神硬鋼石でも造ることが出来るんですがこれを良しとしない方が本来とは違う製法を広めた為、神鐵で倭刀を造ることが出来ないとされているんです。」
師匠「なるほどのう、所でその倭刀は敢えて神鐵造ってあるように見えるが何か神事でもあるのか?」
紫焔「さあ?俺は依頼されたから造ったまででそれ以外のことは聞かないという依頼内容だったしね」
師匠「そうか、それでは仕方ないな。気にはなるが依頼者からそう言われては聴くことも出来ないからな。」
実は神鐵に関してはどこで入手出来るのかどんな状態で見つかるのかさえ不明とされており一説には黄泉の鉱物ではないかと噂されるくらい謎とされてる素材である。
鍛冶神「そういえば、先ほど神鐵の加工の仕方は教えても問題ないと紫焔殿は言われたがそれはなにゆえに?」
紫焔「ああ、そのことですか?それは神鐵の加工には特殊な力とされている神力、誰もが持っている魔力、そして一部の種族というか部族しか持っていないとされてる星霊力を必要とするんですよ。さらに神鐵を加工するにあったってこの三つの力の制御をしつつ練り込んで神鐵に膜を張るように馴染ませなければいけないんです。」
師匠「ふむ、聞く限りかなり特殊な技術がいるようじゃな。確かに誰でも出来ることではなさそうじゃしな。」
鍛冶神「そもそも、鍛冶師にそんなことが出出来るのか?」
紫焔の話を聞いて疑問を投げかける鍛冶神だが紫焔の師匠である鍛冶神は特に何も言わなかった。
紫焔の師匠にあたる鍛冶神には師事を仰ぐ際紫焔が自分の一族にまつわる話をしていたことが疑問に繋がらなかったようである。
黄泉
黄泉比良坂を境にあるとされている黄泉国の呼称で主に死者の国として知られているが天国や地獄といったものとは別世界でこの地での食べ物を食べてしまうと魂が定着され現世に帰れなくなるという!
蘇るとは黄泉帰るが黄泉から活きて帰ってくる事が語源で蘇生という意味で蘇りが使われるよになった。
黄泉神
黄泉国にいるとされている神
紫焔は自分の一族の話を鍛冶神にも話すか話すまいか悩んでいるのだが師匠である鍛冶神はどちらでも自分の好きにするといい言うのだが中々決められずにいた。
都合上日本神話の神の名前や地名が出て来ますがあくまでフィクションであり宗教的意味合いもありませんので悪しからずご了承ください!




