なろうにおける内政ものっていうジャンルのあれこれ
皆さまご機嫌よう。
稚拙な小説を恥ずかしげもなく投稿している加藤良介です。
現在、私は異世界転移ものの小説を書いておりますが、テーマはズバリ、内政ものとなっております。
コーエーさんの三国志や信長の野望でも戦より内政が好きな私。
少しづつ領国が豊かにして資金と兵糧、そして強い兵器なんかを揃えて名だたる武将を吹っ飛ばすのがのが楽しい。そう考える同志の方も多いようで内政ものなんて一ジャンルとして確立しているのは有難いんですが、不満もあります。
それは、『貧しい村とか国が豊かになる方法が雑じゃね?』って事でございます。
異世界に転移したときにスゲーパワーを貰ったりする設定はいいんですが、使い方が超適当な作品が多いような気がする。なんか魔法の力で「はい。ズドン」みたいな展開。
それって楽しいの?
手っ取り早くて話が早く進む利点はあると思いますが、それで、内政ものとか言われても・・・・・貴方、内政舐めてますねって感じしか受けません。内政って刀振り回したり魔法ぶっ放すよりよっぽど難しいものでしょよ。
現実の政治でも法律作って効果が出るまでどんなに速くても一年。長くて十年とかかかるのに一瞬だものな。現実感なさ過ぎて萎えませんか。
貧しいものが豊かになるっていうサクセスストーリーな展開は大好きなんですが、一気に大金持ちになったらつまらん。徐々にのし上がっていくのが楽しいので、私の作品では他の作品に比べてのし上がっていくペースがめっちゃ遅く描きました。
なろう読者に多いとされる「さっさと強くなって、文明の劣った異世界人にドヤってくれ」という需要には一切答えられませんが、それでよかよね。
内政ものは新規産物の開発から産業育成、技術革新と流れていくのがセオリーだと思いますが、内政ものって言いながら新規産物だけで話が終了している作品が多い気がします。
いや、それ以前の問題だ。
それ、商品になるのってものあります。
例に挙げますと「マヨネーズ」ですよね。
これで大儲けして村の財政を潤すって、マジで言ってますか。
そりゃ、私もマヨネーズ好きですけど産業になるか?それ。
ギャグで言っているつものなのでしょうが、私はギャグには煩い方でしてこの程度では笑えません。
主人公が料理人で王様とかの晩御飯に自家製マヨネーズを作って出したら気に入ってもらい褒美をもらう。なんて展開なら理解できますけど、材料も料理も文化背景も違う異世界でいきなりマヨネーズ。売れると本気で思ってるんですかね。無理やろ。
例えば、キューピーマヨネーズ持って江戸時代行っても何に掛けるんさ。蕎麦、寿司、饅頭にでも掛けるんかいな。まぁ、生粋のマヨラーは白米にかけて食べるらしいからワンチャンあるのかな。私は無理だけど。
仮に受け入れられたとして、どこで作って誰にどうやって売るつもりなんだい。
貧しい村とかだったら卵と酢を大量に用意できないんじゃないですかね。どこから持ってくるんや。近くの村々から買い集めるのかね。そんな資金力あるなら他の事に使った方が効果的だと思うけど。大体、貨幣経済すら未発達だったら物々交換なんですけどそれは。
「マヨネーズは美味い。異世界人にも受け入れられる」
そこまではいいけど、そこからがガバイ。ガバ過ぎんよ。
大量生産の方法と流通、販売の方法とそれを運営する組織作りまでやって初めて大金が転がり込んでくるんじゃないの。
大金欲しいだけなら道に落ちていた石を拾って磨いたらダイヤモンドでしたでいいじゃん。これなら今言ったこと全部要らないもん。(世界最大のダイヤモンドって、マジで原石が道に落ちてたらしいし)
内政ものっていうのはそこまで考えてくんないとね。
私は作品の中でヒロインが蒲鉾作って儲けようとしますけど、大きな成功としては描きませんでした。だって、誰が食べるんだよってなった時に説得力のある市場を用意できなかったからです。だから小銭稼ぎのちょっとした成功程度に留めました。
本当は失敗として書いても良かったんですけど、そこまで現実的にしちゃうと話が進まんので、軽い成功程度にしました。
私は異世界転移ものを書くにあたって、なろうの他の作品やレビュー動画などを視聴して勉強しましたが、内政ものの勉強になった作品には出会えませんでした。
だって「何か作りました。わぁー凄い」で、終わりなんだもん。何を参考にしろって言うのさ。聞きたいのはその次のステップなんだよ。製造は?販売は?管理は?波及効果は?そこを書いてほしいんですよね。
もう一回いいますけど、金が欲しいだけなら「金塊拾いました。終わり」でいいじゃん。おもんないけど。
なろうの内政ものが産業育成までやってくれないので、私は自分で考える羽目になってしまいました。いやまぁ、自分で考えるのは当然なんですけど、それでも参考程度は欲しい。
でも、無いんだなぁ。成功してドヤるのに重点が置かれているので、過程はどうでもいいらしい。
そんな私でも参考にした作品が無いわけではありません。
なろうではありませんが2作品ほど紹介させてください。
一作目はアニメにもなりましたので有名と思いますが、橙乃ままれ先生の「まおゆう魔王勇者」
これは、貧しい国を一から強国にのし上げていく過程が、これでもかと描かれており大変参考になりました。ただ、扱う産物がジャガイモとか火薬とか羅針盤とか活版印刷術とか、それ一つで世界が激変するものばかりで、壮大な大河ドラマになっちまうんで取り扱いませんでしたが。しかし、産物が世界に与える影響を丁寧に書かれていたと思います。素晴らしい。勉強になりました。
二作目は渡辺恒彦先生の「理想のヒモ生活」
こちらは、ガラスや蒸留酒といった比較的身近な産物を作ってくれて、これなら一般人でもある程度の知識があれば頑張って作れそうなので親近感が持てます。
しかも、この主人公、PCやTV、冷蔵庫に発電所といった文明の利器を揃えて異世界に転移するのでなかなか用意周到。
なんかよく分からん不思議パワーよりよっぽど作品が誠実ですよね。
残念ながら内政はヒロインの専売特許になっているので、主人公の活躍としては今一つでしたけど。それをヒロインが悩むところがまた可愛よい。
かように、良い作品はあるのになろうには見当たらないのが不満でござります。
たまに、作者さんに社会経験がないとか言う論調がありますが違うと思います。今日び、何かの製造方法を調べるなんて、いとも簡単にできます。
作品で使いたい産物をググればいいだけなんですから。
そこから読み取れる上辺だけの知識を使うだけで、それなりの説得力を持つでしょう。
私もよーつべで色々な動画を漁って助けられました。いや。なかったら書けなかったでしょうね。
まぁ。文句ばかり言ってもしょうがありません。
私なりにマヨネーズで大金を稼ぐ方法を考えてみましょう。
作り方は問題ありません。卵とお酢を混ぜるだけで基本的には誰にでも作れます。
卵とお酢は・・・そうだな。
主人公は大きなブドウ畑が近くにある養鶏場の跡取り息子に転生したことにしよう。ヒロインはワイナリーのお嬢様にして、そのつながりでワインからワインビネガーを作って混ぜる。
よし、でけた。
流通経路は実家とお嬢様のワイナリーのものを使うとして、どこに売るかですけど。
まてまて、早まるな。大事なことをすっ飛ばしている。保存方法をどうしよう。
お酢が入っているといっても元は生卵。すぐに傷んでしまいます。自家用マヨネーズの賞味期限は一日らしいので、これでは商品になんない。せめて一週間は持ちこたえて欲しいけど、どないしよ。
雑菌が入らない環境で作り、瓶か缶などの密封容器に詰めないといけませんね。
よし、ワインを蒸留してアルコールを作ろう。これで殺菌だ。ってあれ。ブランデーが出来ちゃったよ。これをそのまま売った方が絶対に儲かるけどな。まあ、いいや。
次は保管方法ですね。
歴史上最初に販売されたマヨネーズは瓶入りだったらしいから瓶だな。
さて、瓶なんてどこから調達しよう。一から作るのは無理筋ですよ。先述した「理想のヒモ生活」ではガラス玉一つ作るのに大変苦労していましたから。瓶なんてとてもとても。
ということでこの世界にはガラス瓶があります。17世紀かな? 中世ナーロッパとしてはいただけないけど目をつぶりましょう。多分私以外は気にしてないし。
瓶が発明されたころの使用目的は軍需品の保管目的だったらしいから、ここで女騎士でも登場させるか。彼女の伝手で瓶を調達しましょう。
出会いとか瓶を貰う流れは皆さんで考えてね。
これで、保存と運搬容器の問題は解決だ。
次は市場ですね。これはその国の首都で売るしかないでしょうな。金持ちが沢山いて新しい物好きが集まるのが首都ですから、新商品を売るのにもってこいです。
消費期限の事を考えたら馬車で一日の距離にしよう。埼玉ぐらいかな。
かなりゴールに近づいてきましたね。
お次は販売所ですな。
これは、お嬢様がパパに泣きついて何とかしてもらいましょう。懇意の商店を紹介してもらいました。何だこうすれば女商人が出せるじゃないか。素晴らしい。
では、なんやかんやあってマヨネーズを置いてもらうことが出来ました。
さて、売れるでしょうか。うーん。微妙。
だって、言ってしまえば、ただのソース。生活必需品とは言えません(重度のマヨラーを除く)
売れても二・三個なんじゃないでしょうか。
そこから大評判になって行列ができるのは不自然だ。美味しさを多くの人に知ってもらわないといけません。
いよいよ、話は佳境。お次は宣伝ですな。
宣伝方法はいろいろありますが、新商品です。売るためには使い方を説明しなくてはいけません。
マヨネーズを使った料理。何じゃろ。
私はサラダに掛けるかエビフライに掛けるか・・・・・・いや違う。
卵サンドを作りましょう。パンと卵とマヨネーズのハーモニーはサンドイッチ界に王者として君臨しているではありませんか。
なんと、卵サンドを発明してしまつった。俺って天才だ(主人公)
ツナマヨもお願いします。
これを、デパートの実演販売(最近やってるのかな?)方式で宣伝しましょう。使い方の一例を上げれば後は勝手に市場が成長するはず。
さあ、皆さん。いよいよラストでございます。
一番大事なことを最後に持ってきました。このマヨネーズいくらで売りましょう。
一般市民向けに大量に作って安く売るか、一部のブルジョア相手に高値で売るか。どちらが良いでしょうか。
マヨネーズはこの世界では未知のソース。
やはり初めは、高値で上流階級に売って、そこで評判になる事でロイヤリティーを上げてから一般販売が望ましい。
憧れの品として買ってもらう訳ですな。
よし。ここで最後のカードオープン。
魔法カード「ちょろいプリンセス」だ。
このカードは場にある時に主人公に好意を向けて王様に紹介してくれる効果がある。
この効果により王様の晩餐会でマヨネーズを使ってくれることとなり、卵サンドと一緒に上流階級に一気にマヨネーズが広まりました。
主人公のマヨネーズは都で大評判となり高値で売れました。
めでたしめでたし。
これで行けるでしょう。自分で書いててバカバカしい粗筋ですけど長かった。
途中でブランデーとか卵サンドとかマヨネーズより商品価値の高いものが出来ましたけど目をつぶってください。
これはマヨネーズを売る話です。
私ならブランデー売りますけどね。高級銘柄「ルイ13世」とか作ったら1本20万円以上で売れるしな。
ハーレムなろうを馬鹿にして、女の子を無駄に出したことを謝罪いたします。ごめんなさい。全員主人公の踏み台にしかなってねぇ・・・・・・
ヒロインたちとの出会い方や好意を持ってもらう話の流れは皆さんで考えてね。私には無理です。
とにかく、ここまでやっての内政ものだろうがよ。
やっていますか? 書けていますか? いかにも心もとない。
やっている方いらっしゃったら是非ともご一報ください。絶対に読みます。こんなのあるよでも構いません。教えてくださいまし。
どっかにないかな。
終わり
書き終わって思い直しましたが、主人公をワイナリーの跡取りにしてヒロインを養鶏場の幼馴染にした方がいいですね。お嬢様とプリンセスでキャラ被っちゃうし。
借金のかたに養鶏場を取られるヒロインたち一家のためにお坊ちゃまが一肌脱ぐ話にすれば嫌味が減るか・・・・・な?
お読みいただきありがとうございます。
これとは別に小説や考察文を上げております。そちらも読んでいただければ嬉しいです。