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7話 犯人は誰?

「これをお嬢様が作ったのですか!?とても美味しいです!」


 使用人達に感謝を込めてとお菓子パーティーを開いてみたが、パーティーは大好評だった。

 屋敷の中庭でぷちパーティーの形で開催されている。


 お嬢様もこの日のためにお菓子作りを練習し本番ではシュークリームなども焼くことができた。

 なかなかの上達具合に嬉しくもなったりする。


 もちろん全部が全部お嬢様が作ったわけではないけれど。

 美味しい食べ物と可愛いお嬢様にみな顔をほころばせていた。


 可愛い格好をしてお菓子を配る姿はマジ可愛い。


 この世界観。作者がいい加減なのか貴族の決まりがわりと緩い。

 なのでこういう格好でお嬢様がお菓子を配るというのも誰も反対をしなかった。


 因みにプリンなのだが、もちろん最初に食べてもらって容器は指紋がつかないように手袋をして厳重に回収している。


 私が渡したので旦那様もきっとバレないようにどこかで食べているのだろう。

 部屋のどこかでこの中庭を見下ろしているに違いない。

 パーティーに来ればいいのにと誘いたかったが……上からの指令には二人を不仲にしろというものもあったので、まだ犯人がわかっていない状態で二人を接近させるとまずい。

 主に私の命が。こいつは無能と首を切られてしまう恐れもある。


 二人の仲をとりもつにしても黒幕の正体をつかんで締め上げてからだ。

 私がお嬢様側に寝返ってるとバレるのは非常に不味い。

 今まで通りを装わないと。


 嬉しそうに可愛い格好でお菓子を配るお嬢様を見つめ、私の想いは犯人を見つける事へとむいているのだった。



 ■□■


「リンゼありがとうございます!とても楽しかったです!」


 お菓子パーティーが終わり、リシェルお嬢様が微笑んだ。

 可愛いフリフリのドレスに天使の羽をつけている。


「バレンタインデーとは楽しいものですね」


 ニコニコした顔でいうお嬢様にはいそうですねと微笑めば、お嬢様はにっこり微笑む。


「お父様は来てくれないのですね」


 少し寂しげに言うので


「お菓子はお届けしましたから食べていると思いますよ?」


 と、私が言えばお嬢様は嬉しそうにコクコク頷いた。


 はやく黒幕ともども暗殺ギルドをぶっ壊してお嬢様と旦那様の仲をとりもたないと。

 と私は考えながらお嬢様の着替えを手伝のだった。



 ■□■


 さて。

 自室に戻り私は並べられたプリンの容器を見て考え込んだ。

 もちろん全部は持ち帰らなかった。

 全部持ち帰れば不審に思われる。


 私が持ち出したのは手袋をしていて普段指紋を採取しにくい人物に限られている。

 

 今までも何もしていなかったわけではない。

 庭師のトムなど、指紋がとりやすい人物はとっくに照会しているが……誰も一致しなかった。


 あとは。

 護衛騎士のグランゼとラルシル。

 執事のセバスあと騎士団長のラオスと、副騎士団長のグーテンベルク。


 怪しい人物で調べてないのはこの5人。


 私は早速照会をはじめるのだった。


 ■□■


 照会した結果……一致した人物はいた。

 一番可能性が低いと思っていた人物だけに私も思わず唸る。


 執事のセバス。


 彼が犯人だ。

 

 ……。


 ………。



 うん。やばぁぁぁ!!

 慎重な性格な私ありがとう!!!

 なんの考えもなしにグエン様に打ち明けてたらこっそり殺されてたわ。

 絶対私が打ち明けた時点でグエン様が信用して使用人を調べろと指示するのはセバスだっただろうし。

 やばかった。まじやばかった。


 これは思った以上に深刻で。

 思った以上に私以外の潜伏者がいるのかもしれない。

 なんたって人事権を握ってるセバスが裏切り者なのだ。


 ……これ、私一人の力じゃどうしようもない。


 私はガクリと項垂れるのだった。

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