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本編が書籍化記念 小話(お嬢様の結婚式)

 カーン。

 カーン。

 カーン。


 神殿の鐘が本日行われるお嬢様とロゼルトの結婚を祝うために盛大に鳴り響く。

 今日はお嬢様とロゼルトの結婚式。

 本来はもっと早めに行うものだったのだけれど、お嬢様とロゼルトが「リンゼが起きるまでは絶対しません」と、先延ばしにしてくれたらしい。

 私がニマニマと笑いながら結婚式を楽しみにしてくれていたのを覚えていてのばしてくれたのである。


 そしてこじんまりではあるが身内だけで人間の神殿で結婚式をしてくれることになった。

 エルフ式でなかったのは、私や親族が結婚式の誓いのシーンを見れないからで、エルフたちは少々不満そうだったが、私の件で目を離した負い目からかOKしてくれた。


「ど、どどどどどうしましょう。娘をお嫁に送るってこういう気持ちなんですかね!?」


 まだ結婚式の準備中で待合室で私がせわしなくうろうろしていると


「……まるで嫁に送る前の父親か母親だな。もうちょいおちつけ」


 と、ジャミルに突っ込まれ


「先ほど会ってきたグエン様とまったく同じ行動をしているのですが」


 と、マルクにも薄目で突っ込まれた。


「当たり前でしょう!?全知全能の神であらせられる全ての生けとし生けるものから愛されるお嬢様の結婚式ですよ!?落ち着けという方が無理があります!」


「支離滅裂な事いってるぞ」


 薄目でジャミルが突っ込んで、


「……あなたはお嬢様の事となるとこれだから」


 マルクがやれやれと、頭をかかえる。


「そうはいっても結婚式はやっぱり女性の憧れですからね。

 お嬢様の白いウェディングドレス姿を想像するだけでもう、妄想が膨らみますよ!

 一体どういうドレスなのか今から楽しみすぎて。きっとお嬢様のことだから何を着ても綺麗ですけど、やっぱり実物は神々しさが違うと思います」


「ドレスなんてお貴族様なんだからいままで、たくさん着てきてるんじゃないのか」


 ジャミルが呆れたように言う。


「あまいですよ。女性にとって結婚式のドレスと舞踏会のドレスは別物です!」


「そういうものでしょうか?」


 小首をかしげて鬼畜がいうので、私はうんうん頷いた。


「そうです。結婚式は特別なものですから、やっぱりウェディングドレス姿のお嬢様はSSRなはず!!」


「それではあなたのウェディングドレスも気合を入れないといけませんね。やはりエルフたちから精霊の布を仕入れるべきかもしれません」


 鬼畜が真面目に悩みだした。


「え!? なんでですか!?」


「特別なものなのでしょう?」


「あ、いや、確かにそれはそうですけど!? さ、さささすがに精霊の布って王族でも手に入れられないものですよね!?お嬢様はともかく私にはもったいないっていうか」


「ですがそれほど神聖視しているのなら、そこまでこだわるべきです。

 必ずしも一生に一度のものではありませんが、私は貴方を手放す気はありませんので、一生に一度の物ですからね」


 鬼畜が漫画なら花を背負っていそうなイケメンオーラを放ちながらスマイルを浮かべる。


 ち、ちがう!?君は鬼畜でそんなキャラじゃなかったはず!?

 まさか私がお嬢様ばかりに熱中してるから嫉妬した新手の嫌がらせか!?

 君そういうキャラでしたっけ!?私が思わずジャミルの方に助けを求めると


「お幸せに♡」と中指と人差し指でちゃっとウィンクをして、ものすごい勢いで待合室から逃走していった。


 逃げた!あの男また逃げた!?

 私がドアを睨んでいると、いきなり背後から壁ドンされる。


「では、私たちの今後もしっかり話し合いましょうか?」


 と、鬼畜が営業スマイルを浮かべる。

 あ、これ、やっぱりちょっと拗ねてる!

 確かに最近お嬢様の結婚式のことばかりに気を取られてあまりかまってあげなかったけど、お嬢様相手に嫉妬とか大人げない!


「拗ねてます?」


「拗ねてませんよ?」


 にっこり笑みを深くして営業スマイルを浮かべる鬼畜に私もにっこり微笑み返し不意打ちで唇にキスをした。


「……!?」


 顔を赤くしてびっくりした顔をする鬼畜に私はにっこり微笑んだ。

 そう、最近編み出した鬼畜攻略法!とりあえず先制攻撃!

 この人意外と攻めには弱い。

 ドSで先手を読んで行動するタイプだから攻撃側に回っても防御側に回ることはきっとなかったのだろう。攻めは得意なのに防御はめっぽう弱い。うん。防御側に回ると可愛いから困る。

 ていうか攻撃側に回るとマジで鬼畜でドSなので主導権をこちらに握っとかないといろいろやばい。

 特に私が。体力もたない。いろんな意味で。


「ちゃんと結婚式が終わったらかまってあげますから、拗ねないでください♡」


 そう言って抱き着くと、やれやれとため息をつく。


「……約束ですよ」


「はい、約束です、幸せにするって約束しましたしね」


 私はそう言って耳たぶまで赤くしている彼にキスをした。





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お世話になっております。てんてんどんどんです。

ありがたくも本編がコミカライズに続き書籍化決定いたしました。

これも皆々様のおかげです、本当にありがとうございます!


★ベリーズファンタジー様にて7月5日発売です、何卒よろしくお願いいたします★

イラストはTCB先生!!超美麗表紙です!!


挿絵(By みてみん)


一部の取り扱い店様にて特典SS付になっております。


★アニメイト様★(特典SS「誕生日プレゼント」)


★書泉様★( 特典SS「憧れていたもの」)


の特典が付きます!在庫がなくなり次第取り扱い終了になりますのでご了承ください><


そしてコミカライズもよろしくお願いいたしますー!!!


★どこでもヤングチャンピオン様 6月号 ★



挿絵(By みてみん)


どこでもヤングチャンピオン7月号は6月28日(火曜日)発売です、よろしくお願いします。


次の更新は グエンさんがマルクさんに〆られるお話ですー!


作者別作品 悪役令嬢ですが死亡フラグ回避のために聖女になって権力を行使しようと思います

のコミカライズ4巻も同日の7月5日発売となっております!

こちらも併せて何卒よろしくお願いいたします><


挿絵(By みてみん)


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