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23話 コントロール

「魔力が高いと説明したはずですが」

 

 クレーターになった自分の屋敷の庭を見つめ、鬼畜が大きくため息をついた。 

 あの後私は鬼畜の私室で説教をくらうはめになったのだ。

 ちなみにジャミルは「じゃ!あとは任せた!」と笑顔で逃げていった。

 何で逃げるかな!?

 そもそも魔法使えって言ったのはジャミルだし!

 一緒に怒られるべきだとおもうのだけれど!


「聞いていますか?」


 ジャミルに毒づいていればマルクにツッコミをいれられてしまう。


「す、すみません。

 でも平民なんで魔力がどれくらい高いのかわからないのですが」


 そう、リンゼとして現地人の知識はある。

 が、平民はそもそも魔力をあまりもたないためにそちら方面の知識は疎い。

 自分が使える魔法を憶えていればいいやーくらいなのである。

 リンゼも毒薬やら呪いの魔法の種類については詳しいが、魔法を扱う事に関してはあまり知識がないのでよくわからないのだ。


「そうですね……。

 魔力量だけなら聖女であるリシェルお嬢様を超えるかもしれません」


「え!?すごい超チートキャラじゃないですか!?」


「チート?」


「えーっと、規格外キャラ?とでもいいましょうか」


「ああ、成程。まぁ使いこなせれば、そうかもしれませんが……。

 あなたでは無理でしょう」


「え?」


「ごく稀に平民でも魔力だけは高い人間というのは生まれます。

 ですが使いこなせません。

 平民でも高度な魔力を使う者もいますが、そのような場合私のように過去に貴族の血筋がいる場合がほとんどです」


「あ、そういえばマルクさんってお嬢様のお母様と一緒の魔術学園へ行っていたんでしたよね?」


「はい。そうです」


「何故、平民は使いこなせないのでしょう?」


「魔力をコントロールする力が備わっていないからです。

 虫を殺す程度の事はできますが、貴族のように膨大な魔力をコントロールはできません。

 貴族が何故血筋にこだわるのか。

 そこに理由があります。


 魔力をコントロールするにはどうしてもエルフの血が必要です」


「エルフの血?」


「魔法を上手く扱うためには純血の人間ではダメだということです。

 貴族と呼ばれる人たちは太古の昔エルフ達と交わったハーフエルフの子孫なのですよ。

 ですからその血がこれ以上薄まらないように貴族は貴族としか結婚しないのです。

 仮に平民の者と結ばれた場合には、その子供は貴族扱いされません」


「なんだか、雑種が混ざるともう血統書がつかないペットの犬のような扱いですね……」


 私が言えば、マルクさんが微笑んで?マークを浮かべたので、「ああこちらの世界の事です」と、笑って誤魔化した。


「じゃあ私は魔法を使いこなせないのでしょうか?」


「いえ、方法がないわけではありません。

 魔道具がありますから」


「魔道具?」


「これですね」


 言って指輪を渡される。


「魔法を上手くコントロールできるようになります。

 が、注意してほしいのは貴方の魔力ではどこまでこの指輪が耐えられるかはわかりません。

 弱い魔法以外は使わないでください。

 主にバリアなど身を守る魔法をお教えします。それ以外は決して使わぬように」


 マルクさんの言葉に私は頷いて指輪をはめる。


「魔力がコントロール出来るなんて凄いですね。

 買うとしたらどれくらいお金が必要なんですか?」


「そうですね。この屋敷一つ分といったところでしょうか」


「たかっ!?借りてもいいんですか!?」


「情報料ということで。差し上げますよ」


 言ってにっこり微笑む鬼畜。え!?マジで!?


「意外といいところもあるんですね」


 と、素直な感想を言ってしまえば


「貴方はいつも一言余計だと思いますよ」


 物凄い笑顔でかえされる。


「はい。すみません……」


「では魔法の使い方をお教えします」


 言う、鬼畜の表情は……やっぱり鬼畜だった。

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