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20話 プロポーズ

「リ、リンゼどうしましょう!?

 ロゼルトに結婚を申し込まれました!」


 次の日。

 顔を真っ赤にしてお嬢様が私に報告してきた。

 見るからにあわあわと慌てていて、ロゼルトに告白され、まっ先に私に相談しにきたのがわかる。

 なるほど。ロゼルトも王子がいま婚約者を探していて、公爵家のリシェルに会ってしまえばプロポーズされると思ったのだろう。

 そりゃあこんな可愛いお嬢様がプロポーズされないわけがない。

 作中では嫌っていたらしいが、あれは既に相手がいたからっぽいし、賢明な判断だろう。


「おめでとうございます!!お嬢様!!」


 私が顔を真っ赤にしてあわあわするお嬢様の手をとった。


「は、はい!嬉しいです!」


 と、嬉しそうに微笑む。

 はにかみ笑顔がマジ可愛い。


 10歳で決まるというのは、はやい方ではあるけれど。

 貴族としてはそう珍しいことでもない。


 10歳の時に招かれる王宮の舞踏会で相手を決めてくる令嬢も沢山いるからだ。

 そして他の殿方に申し込まれる前に……と駆け込みプロポーズする貴族もわりといる。


「で、でもどうしましょう。お父様が許してくれるでしょうか?」


「血筋的には問題はありません。

 旦那様も反対する理由もないでしょう

 

 けれどお受けするなら舞踏会参加を辞退せねばなりませんから。

 すぐにでも知らせるべきです。

 私がそれとなく知らせる時期を考えてみます」


 言って私は微笑んだ。

 この貴族の世界では、爵位よりも魔力系統の血筋が重要視されている。

 魔力が高ければいいというわけでもなく、魔力の質と相性。

 そしてなによりあまり血筋がちかすぎない事が望まれる。

 爵位が高い者同士ばかりが結婚するとそれ魔力の血が濃くなり、魔力的障害児が生まれやすい。

 その為、純粋な血筋の貴族なら爵位はあまりこだわらない。

 

 この世界は婚姻ははやいものの、子供を作る行為をしていいのは女性側が20歳の誕生日を迎えてから。

 女性が20歳未満は魔力的障害児が生まれやすいためだ。

 20歳になると女性は妊娠するために女性しかいない別荘に篭もり……子供ができるまではそこで缶詰状態になる。

 妊娠準備期間は男性は足しげく女性の待つ別荘に通わねばならない。

 ここらへんはなんだか平安時代っぽい設定でもある。

 そして子供が生まれてからすぐに子供の魔力の質が調べられ、二人の子なのか確認される。

 こちらの世界でいう托卵などというのは絶対に許されないのだ。

 もしその妊娠準備期間中密通して他の男性と通じて他の子を身ごもったとなると……浮気した男性が殺される。

 理由としては元々女性しか入れない場所に入ってきた時点で男性側にその気がなければ無理ということとレイプなどをさせないため……なのだと思う。

 まぁ女性の方が男性を拉致監禁して無理矢理行為をもったなどという状況なら話は違うのだろうが。

 今のところそういった前例はない。


 話がかなり脱線してしまったが。

 それだけ魔力的血筋に異様にこだわる世界観なのだ。

 ロゼルトとの血筋はバッチリ……なので大丈夫だろう。

 まぁ、本当は王族の血を引いているけれど、そこらへんは知らない設定のはずなので黙っておく。


 に、しても問題はセバスだ。

 彼がなんと言ってくるだろう?

 出来れば王子と婚約させたいはずだろうけれど……。

 でも作中でもフランツと婚約させてたし問題ないのだろうか?

 お嬢様と王子がラブラブになってしまったらマリアの入る余地がなくなるし、婚約者がいたほうがいいのかもしれない。

 とりあえず何か指示があるまでは知らなかった振りをしておこう。


 お嬢様とロゼルトの婚約の儀式を生で見れることになろうとは。

 少し感慨深いものがある。


 でもまずはあの鬼畜に知らせた方がいいだろうなぁ。

 教えなかったらまた何で教えなかったんですか?と笑顔で責められる。


 私は心の中でため息をつくのだった。

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