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19話 玉の輿

「……もう他には隠していませんよね?」


「も、もうないです」


 結局前回はあまり関係ないだろうとエクシス関連の事はあまり話さなかったのだけれど。

 どこで情報を手に入れたかはこの際不問にしますから、知ってる事をすべて吐きなさいと、小説で手に入れた情報はすべて吐かされた。


 怖い、尋問の仕方がマジ怖い。


「に、してもエクシス派の情報が流れてお嬢様が監禁されたのだとしたら、エクシス様に接触するのも不味いですね」


 言って鬼畜が考え込んでいる。

 そう、作中ではエクシスは身内の者にリシェルが聖女だと漏らしたら、神殿が発表する前に誰かが情報を漏らし王子と婚約させられたと言っていた。

 つまりエクシスの身近にも裏切り者がいる。


 言い忘れたのは悪いとは思う。

 でも下手に言うと、未来予知の能力でなぜ関係ない人物の内情まで知ってるのでしょう?

 とか突っ込まれる可能性が高いからなんとなく言い訳を考えているうちに言い忘れただけで悪気はない。

 ちょっとでもつじつまが合わないような所をねちねちねちねち攻めてくるのだ。

 Sだ。こいつ紛れも無くSだ。


 そもそも作中でも問答無用でリシェルお嬢様の書類を燃やしたシーンで気付くべきだった。


 こいつは生粋の鬼畜Sだと。

 言葉使いとリシェルお嬢様に対する態度が優しかったためまったく気付かなかったわ。


「いま、物凄く失礼な事を考えていませんか?」


 物凄く人のよさそうな笑を浮かべて聞いてくる鬼畜に私はブンブンと首を横にふるのだった。



 ■□■


 

 とにかく、ジャミルの暗殺ギルドの囲い込みと、鬼畜の病気の事と、神殿関連は伝えておいた。

 これであとは何とかしてくれるだろう。鬼畜が。


 私は下手に動くと察知されてしまう恐れがあるので、今まで通りお嬢様に毒を飲ませるふりをしていればいい。

 鬼畜にお嬢様が聖女とバレると私が毒を飲ませていないのがバレるから絶対に神殿には近づかないようにと念を押された。

 それは私が困るので絶対守ろうと思う。


「リンゼさんはいいなぁ。

 玉の輿じゃないですか」


 メイド友達のクレアが私と昼食を食べながら言ってくる。

 ちなみにお嬢様にはシークがつきっきりなので私も屋敷の中ではそれなりに自由があったりする。


「興味ありませんよ。私はお嬢様一筋です」


 言って私はご飯を一口食べる。

 マルクさんから熱烈求愛を受けているのは皆知っているのでからかってくる人が多い。

 が、冗談でもあれと付き合う気はない。

 鬼畜すぎて心休まるときがない。


 にしても、問題は舞踏会だ。

 本来の歴史通りなら恐らくもうフランツと婚約していたはず。

 作中には書いてなかったが、こんな可愛いお嬢様が王子に出会っていて求婚されないはずがない。

 きっと舞踏会には出なかったのだろう。


 今の歴史ではお嬢様はロゼルトと仲はいいが婚約まではしていない。

 舞踏会で王子に見初められて婚約!!などとなってしまったら大変な事になる。


 などと私がうんうんと思いを巡らせるのだった。




誤字脱字報告&ポイント&ブクマ本当にありがとうございました!

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