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9.異世界転生したらチートとハーレムと銃と剣が初期装備で勇者をする事になりました

あの物騒な男は周りを囲んでいた女々を置いて

何故か逃走。

話を聞いたところ、俺を助けてくれた少年『ハヤテ・クロセ』はやはり俺と同じく、異世界転生の被害者であった。取り囲んでいる環境は俺と全く異なっているが。

更に話を聞けば、彼らは旅をしているらしくて。

勿論、目的は俺と同じく元の世界へ帰還する為の手掛かりを探す為────であるが、それは片手間だとさ。

「僕の生まれた意味はこの世界を救う為なのかもしれない......だから」

だからといって、こんなハーレムパーティ作って、異世界勇者やってるのはどうなのよ。

「ちょっと.......ついて行ってもぉ.......良いですか、勇者様?」

唯一の手掛かりがこの男なんだ、少しついて行っても損はしないはずだ。少しでも手掛かりを、

そう─────手掛かりを。



ここはとある町外れの森。

あの男を追っ払った後、ギルドバーで討伐依頼を受けてこの場所へやって来た。

森へ入って約5分後、標的である械物に出くわしたわけだが。


「ふええ〜!ハヤテさん〜!助けてください〜!」


「ミーシャが追われて.......嘘!?なんかべたついてて動けない!気持ち悪い〜!」


「2人とも....!ぐあっ......触手..........!?動けん.....!」


動けなくなる仲間たち。


「みんな!くそ.....待っててくれ!」


手が回らず、悔しがるハヤテ様。


「ど、どうしますハヤテ様?」


「助けに行く! 君はそこで待っててくれ!」


雑魚械物を剣で薙ぎ払い、手を軽く俺の肩に添えた後、仲間の元へ走って行く。

しかも速い。なんだその能力、最初から使えよ。


「はああ!!」


触手のようなマニュピレーターに捕まっていた『ノエル』と呼ばれている女性をまず助ける。

斬り裂かれたマニュピレーターはバチバチとスパークし、ノエルを解放する。


「ノエル姉さん!」


「わっ!? な、ハヤテ!お前何をして……!」


ハヤテ様はお姫様抱っこでノエルを連れ、

敵から距離をとった。


「ノエル姉さんはここで休んでて」


「……………あ、ありがとう」


威勢のあった顔が一気にメス顔に。

どういうことだ。


「ミーシャ!」


「ハヤテさま〜!!!」


標的である大型械物が多足歩行でミーシャを

追いかけていた。

それを追うハヤテ様。


「『チェイスオブ・レイド』!!」


またハヤテ様のスピードが速くなった。

そのスピードを活かして標的の後足から前足へ

縦横無尽に斬り刻む。

正面に立ち、ミーシャを庇う。

右手で振るっていた剣と反対の左手で拳銃を構えた。


「『レイド・エンド』だ」


銃口の大きさより遥かに巨大な光が標的へ

照射された。

その光は対象を木っ端微塵に焼き尽くした。

一言で言うなら『チート』だ。


「は……ハヤテさまぁ……………はわ!?」


「え」


思わず声に出た。

ハヤテ様はミーシャの長い髪を優しく退けて、

額にキスをした。凄いぞハヤテ様。

その後、彼女に小さく笑みを見せて、

本命ヒロインっぽい『アリサ』と呼ばれる

少女の元へ飛んだ。


飛んだり走ったり忙しい動きをする人だ。

一方、アリサは謎の粘着液に捕まっており、

械物に食われようとする寸前だった。


「いや………助けてハヤテ───!!!」


「────『ツヴァイブリッツ・アリサ』」


上空から剣を振りかざす必殺技らしい。

何故か振り下ろした直後に前方の械物が

全て消滅した。

あと、謎の粘着液も。


「君を救う為の魔法の言葉だよ」


「ハヤテ…………うぅ、恐かったんだから………」


アリサはハヤテに泣きついた。


「ハヤテさま!」

「ハヤテ!」


残りの二人も合流。

泣きついているアリサを見て凍りつく二人。


「な、何をやってるんだアリサ! ハヤテはお前のものではない! 私のものだぞ!?」


「違いますよノエルさん! わたしのですよ!」


そう言って二人はハヤテ様の腕を引っ張ろうと

掴む。


「ハヤテ…………」

「ハヤテ!」

「ハヤテさま!」


三人に追い詰められたハヤテ様。


「はは……全く、三人とも可愛いんだから仲良くしてくないかな?」


「「「!!!」」」


「!!!」


!!!!




「どうしたんだ? そんなに顔を赤くして」


「別に! 何も無いんだから!」

「見るな………好きになってしまうだろ」

「ハヤテさま………大胆でしゅ……」


「なんか言った?」


「「「何も!!!」」」


気付けば三人はほぼ同じ反応を返してしまっていた。まるでハヤテ様の虜になっているように。



俺は一体何を見てしまっているんだ。

なんだか怖くなってきた。俺はこのまま彼等について行っていいのか。


「♪〜」


俺の携帯端末が鳴る。そういえば入団した時に

渡されていたな。


「はいもしもし?」


「私よ。貴方、今そこで何をしているの」


まさかのアネモネからだった。

担当エリア外に出ているからお怒りの電話かもしれん。

だが、正直に答えよう。


「ハヤテ様御一行と冒険してます」


「誰よそれ」


うーん──────チート兼ハーレム属性持ち

異世界転生勇者様ですかね。


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