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010 世界の秘密

クレス侯爵領を抜けてカルトロ公爵の領地に入ってから2日ほど経過した。


砦の戦闘で荷馬車が爆発でなくなってしまった為に旅の道具は皆無である。


道ですれ違った行商人などから食料を仕入れてなんとか旅を継続しているが、お金なども荷馬車へ置いておいたためにカオルがおこずかい程度に持っていた銀貨数枚が全財産である。


その銀貨も行商人から購入した食料で消えてしまった。


「流石に資金がまずい。カオル、この付近に町はないのか?」

「もう少しでカルトロ公爵で宿場町として有名なブブラの町に着くと思う。そこには冒険者ギルドがあるから兄貴だったらすぐに稼げるはずだよ」

干し肉を食べながらカオルが答える。


「兄貴に質問があるんんだが、兄貴に助けられてから体の調子が良いし、何故か色んな事が分かるようになったんだが本当に兄貴は何者なんだ?

今まで疑問に思っていたが、この前の戦闘からどうしても知りたい衝動が凄いんだ。まるで自分が自分じゃないみたいな不思議な感覚に襲われる」


ナノインセクトの寄生の後遺症かもしれないな?

嘘は言えないし、カオルは知った方が良いのかもしれない。

素直に教えることにした。


「私は、魔王を倒すために勇者召喚で召喚された勇者なんだ。だが呼び出された勇者は3人いた。その中で一番弱いステータスだった為に、追放された存在だ」


「兄貴が追放!? 一番弱い!? 勇者ってそんなに強いのか!ほかに2人!? 

ビックリし過ぎて考えがまとまらない! だけど強さの秘密はわかったぜ! なんだだったら、魔族なんて余裕で倒せそうだな! 悩んでた俺が馬鹿だったぜ! そうか、そうか……」


一人で驚いて一人で納得してカオルがニヤニヤしている。


「カオルは、体調はどうなんだ?」

「一回、自分が自分じゃない感じになって兄貴に襲いかかろうとした時から、胸の中になんかモヤモヤしたものがある感じであとは変わりないかな?あ、めっちゃ強なったか!」


あれからナノインセクトの増加や意識の乗っ取りはないようだ。

【ちょうど解析が終わりましたよ。あとは制御モジュールを作成すれば、この世界の謎は解決します】


カオルの事を考えているとインディから返答があった。

この異世界も科学的に解明出来る世界だったのか?

【全てがわかった訳ではないですが、ナノインセクトに関しては判明しました】


インディの分析能力に舌を巻く。

自分だったら感情もだいぶ戻った為か、単純作業や考えることが苦手と言うか苦痛に感じてきているので助かる。


なるべく簡単に説明出来るか?

【え?……わ、わかりました】


何故かインディが困惑しているが、最近は殆どの感情が戻った為か説明を聴くのも苦痛にりつつある。


【では簡潔に説明しますと、大気中に不可視超小型の虫であるナノインセクトが存在しており、現在の私達の周りには8種類存在します。

移動により種類が変わるので、地域によっては、もっと種類がある可能性もあります。

小さな虫ですが、多くの情報を保持しており同じ種類のナノインセクトが集まると意識が芽生える程です。

人間も多くの種類の細胞が37兆2000億個結合して個人となり意識を持っています。

それと同じだと考えてください。

この世界の人間は、呼吸によってナノインセクトを取り込み平均1-2%ほど寄生されていて人体構成に含まれているようです。

カオルは、体内のナノインセクトが20%を超えた状態です。

この事より一種類のナノインセクトが7兆を超えた集合体になる付近で意識が芽生えるようです】


と言うことは、この付近だと8種類の意識があるって事か?


【そう言う事になりますが、20%も集まるには色々な条件があるようで、簡単には集合体にはなり得ないのですが、私達の機械的なナノマシンとの親和性が高い為に条件を無視して集合してしまったようです。

ナノインセクトの情報も一部分析が出来ました。

カオルに親和性が高く精神を奪ったナノインセクトの名前は『ルシフル』。主に光の操作を得意とする性能です】


カオルは、今後どうなるんだ?


【私達のナノマシンとナノインセクトが親和性が高いが寄生されてしまう現象でしが、解析が終わりましたので逆に使役出来るようなりました。多少は後遺症が残りますが、カオルが『ルシフル』を取り込んだ形で制御モジュールが完成すれば安定します】


それって、今は私達が与えた力だけだったものが、ナノインセクトも利用可能になってさらにカオルが強くなると言う事かな?


【そういう事です】


私が、カオルの人生を変えてしまった感じだな。

しかし、そこまで高性能な未知のナノインセクトはどこから来たのだろうか?

この世界の謎を調べるのも面白い。

カオルの手伝いが終わったら調べて行こう。

今まで、自分の刑期しか関心がなかったがこれが好奇心と言うものだろうと考えながら、制御モジュールが完成するのを旅をしながら待つのであった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


しばらくしてブブラの町へ到着した。

特徴は、町と外との境界があまりはっきりしていない。

中心から離れるほど建物が少なくなり、最後はなくなる感じになっている町のようだ。

そのために、町に入るというかどこからが町なのかよくわからない。


ただし、町の真ん中を二つに分けるように大きな道があって町の両端に衛兵らしき人は立っていた。

冒険者プレートを見せるだけですんなり入る事ができた。


冒険者ギルドは、大きな道に面していたためにすぐ見つける事が出来た。

中に入ると、かなり狭い建物にもかかわらず、冒険者と思われる人であふれている。

掲示板には、多くの依頼が張り出されていた。


「ブブラは初めは町ではなくて旅の宿があっただけなのですが、少しづつ人が増えて宿場町へ発展したので、初期に作られたギルドの小さな建物から改築されていないから町の人口に対して小さいようですね」

カオルが博学を語る。


たしかに、冒険者ギルドの建物は木造で色が黒く変色していて、かなり歴史を感じる建物の様だ。

来て早々に依頼が張り出されている掲示板を見つめて、カオルと短時間で多くの報酬がもらえる依頼を探す。


かなり昔から張り出されていると思われる、古城の調査の依頼が目を引いた。

調査なのだが、難易度Cにもかかわらず報酬が金貨50枚になっている。

難易度Bの依頼より報酬が高くなっていて、張り出されている依頼で一番高い報酬だった。


「兄貴、これいってみます?」

カオルも目を付けたのか、その依頼用紙を掲示板から剥ぎ取った。


その瞬間に、周囲の冒険者が一斉にカオルの姿を見つめた。

その中の人がよさそうな中年冒険者の一人が、カオルの側に寄ってきた。


「兄ちゃんたち、あまり見ない顔だね。ここは初めてなのかな?その古城の調査は、やめておいた方が良い。その依頼を受けて戻ってきた奴はいない」


「でも難易度Cですし、依頼があるんですよね?」


「それが奇妙なんだが、カルトロ公爵様から色々な場所へ直接依頼が来ているうちの一つなのだが、いつまでたっても解決しない案件なんだ。みんな気味が悪いので受けないんだが、まれに君たちみたいな冒険者が依頼を受けるけど誰も帰ってこないんだ」


「ギルドでは、どんな対応してるんですか?」


「カルトロ公爵様からの直接の依頼だから詳細も調べられないので、なるべく依頼を受けさせないように暗黙の了解で対応している感じだな」


ギルド内部でも物凄い困っている案件の様だ。私の刑期が一気に減る予感がする。

是非とも受けてみたいが、カオルにとっては寄り道に近い。

カオルの意見を聞いた方が良いかと思ったが心配は不要だったようだ。


「兄貴!めっちゃ面白そうだ!受けて良いかな?誰も帰ってこないって聞いたら逆に燃えてきたぜ!」


熱い男になったな。いや初めからだったな。


受付がかなり依頼を受けるのを渋ったが、カオルの銀プレートのため難易度Cまでは受諾かのなので無事に依頼を受け取った。


古城は、ここからカルトロ公爵領をさらに4日ほど馬車で進んだところにあるそうだが、さすがにその旅費がない。どうするか考えると、ギルドの受付で支度金で金貨を5枚先渡しされた。

依頼主のカルトロ公爵様から支度金を渡すように指示を受けているそうだ。

支度金がある場合は、中途キャンセルが難しいために一度受けたら止めさせない為の内容に感じた。


先ほど、忠告してくれた冒険者が「あれほど止めたのに!死の宣告をもらってしまった。もうだめだ!」

叫びながらギルドから出て行った。


過去に彼と同じ仲間数人が金貨を5枚もらって帰ってこなかった事で、トラウマを抱えている事を受付に聞かされる。


カルトロ公爵領は商業も盛んだった為に、運よく古城の側を通る行商の商人を見つけられたので、金貨2枚で乗せてもらい、残りのお金で食料を多めに買いそろえた。


そして4日後に、古城の前にたどり着いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


苔やツタがびっしりと付いた大きな石で造られた城であった。

手入れはされてないと思われるのだが、壊れているところが全くない。

それが、凄い違和感を醸し出している。


「無人で放置されているのに建物が壊れないってどんなつくりの城なんだろう?カルトロ公爵がここを統治する前からあるって聞いているから、遺跡と言った方が良いのかな?」


カオルが感想を言いながら、古城の大型の門をくぐる。

門は鉄製で開いているが錆が凄い状態で押しても閉じることができない気がする。


調査と言ってもなにをどう調べれば調査完了か不明瞭な依頼だった。

もう一度依頼書を確認すると、とくに書いていない。


「カオル、調査ってどんなことをすればよいんだ?」


「ん?兄貴は調査の基本を知らないのか?調査と言えばマッピングしてくまなく回ればいいんですよ。その時に見つけたお宝は依頼主の物になるけど、黙っていたらばれませんよ」


いや、それを聞いちゃったら依頼主に渡さないと法令順守のシステムの為に全身に苦痛が来るって事だな。

聞かなければよかった。


カオルが、この世界では貴重な紙とペンをいつのまにかに持っていた。


「ちゃんと調査用に買って来ましたよ!」


紙に現在地点と城を概略を書き始めているが、めちゃくちゃ絵が下手で縮尺もおかしい。それだと一階だけでその紙が埋まってしまうと思うが?

しかも、メモを取る必要もなくインディが視界に現在地点のマップを出してくれた。


「カオル、私が書くから大丈夫だよ。それより周囲を警戒してくれ」


「流石!兄貴だ!」


カオルが手に持った紙とペンを喜んで私に渡すと、周囲を警戒しながら前進を始めた。

カオルに押しつけられた感じがあるなぁ


【私がチェックして、すべてのデータが揃いましたら出力しますよ】

流石!インディ!


本格的な古城調査を開始した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


1日うろつきまくって、何も問題が発生せずにインディが地図と建物の見取り図を完成させた。

インディーに右手の制御を託して地図を紙へ全て書き込む。


「兄貴! 凄い絵がうまいな! 」

完成した物を見てカオルが感動していた。


かなり広かったが、おかしな点はなかったと言えるが違和感があった。

まず、生物が植物以外に居なかった点である。普通は動物がいてもおかしくないと考える。

つぎは、建物が一切壊れていない点だ。普通ならどこかが崩れていたりするはずだが、老朽化しているように見えるが壊れている点がなかった。


インディに質問したら解決できるだろうか?

そう思った時にカオルが僅かに光りだした。


「え?兄貴!俺光った? あ、おさまった。何かしたのか?胸のもやもやがなくなった。え?なにか語りかけてくる? ルシフル?」


【……囚人番号2019号…… ちょうどナノインセクトの制御モジュールが完成して、バックグラウンドでカオルの体内に構築しました。これでカオルは、安定します】


このタイミングで?

一言欲しかったかな?


【バックグラウンドで処理を行っていましたので、進行度に確認をしていませんでした。予想時間より短縮してしまい報告が遅れました】


「おお!世界ってそうなっていたのか!!」

カオルが、独り言を話し始めた。


【私と囚人番号2019号との関係と同じく、カオルの方が上位権限を保持しつつ『ルシフル』の意識がカオルとリンクしたようです】


それって、この世界の謎を『ルシフル』から聞けるってことかな?


【そうなりますね】


早くもこの世界に関して情報が取得できそうだと思った瞬間に私の体も僅かに光りだす。


【囚人番号2019号の体内にもナノインセクト制御モジュールが構築されました。以降は大気中のナノインセクトを自由に制御可能です。現在、私がナノインセクトから情報を取得中…… あ、不味いですね。すぐにもこの古城から脱出してください】


インディのあ焦った思考が飛んできた。

やな予感がするのですぐに行動に移す。


「カオル、ここは危険な可能性があるすぐに古城から出るぞ」

「あ!俺も言おうと思ったんだ。流石兄貴だぜ!」


二人で急いで古城の外に出る。


既に日が落ちる寸前であった。

古城から出るとすぐに、あたりが暗くなっていき3個の月の明かりが周りをうっすらと照らす。


古城からある程度離れてからカオルの質問する。

「何故、危険だったんだ?」

「何か俺に『ルシフル』って奴が話しかけてくるんだ。そいつが言うには、古城は『ルシフル』の兄弟の集合体で作られていて『ゼノム』と言う警備用の人格があるらしくて、夜間だけ動きだすんだが不法侵入者を排除する機能があるそうだ」


【その通りですね】


インディも賛同する。


「そうすると、この依頼を受けた者が夜になっても古城にいた場合は消されていたと言うわけか?」


「まぁ、兄貴だったら返り討ちにしちゃいだろうけど今迄は、そうだったのかもしれないな。

兄貴、『ルシフル』が同化するか聞いて来るんだが、同化って何だ?」


【同化した方が良いかもしれませんね。現在のカオルと『ルシフル』の関係は、私と囚人番号2019号の様な関係ですが同化すれば精神は上位権限を持っているカオルの精神で知識はルシフルになると思います】


私達は、そうしない理由は?


【私達の場合は、チップが物理的に2個に分かれていますから出来ないですよ。出来るならやった方が良いのですがね】


そう言うことか。今後の利便性も考えると同化を勧めたいがカオルに任せよう。


「カオルが好きにすれば良いよ」


「兄貴が言うなら同化するぜ!頭が良くなるらしいからな!」


カオルが突然痙攣すると無表情になった。


「ああ……そう言う事だったのか。結局、魔王は倒すべき敵なんだな」

カオルが一人で納得している。


「そうか、兄貴は消えてしまった管理者だったのか。素晴らしい。これで長い間停滞していたこの世界に平和が戻るのか!もはや話さなくても全て兄貴はわかるんだな。他の兄弟達にも教えなくてはならない」


カオルの人格が消えてないか?

管理者?異世界の囚人だけど?

何か、理解に齟齬が生じている気がする。


【急激に知識が増えたので混乱しているだけかと思います。私もナノインセクトの情報は、回収できましたので囚人番号2019号に伝達します】


それは楽しみだ。

私の好奇心が刺激される。


【簡易にわかりやすく回答します。この星は遠い遠い過去に滅びたと考えられる超科学文明の惑星になります。上空に見える5個の月は、規格外の大きさの監視衛星です。現在、情報を元に監視衛星と交信を始めましたので結果が出たらまた再度報告します】


え?想像の斜め上な気がする。

3個しか見えないけど5個!?


【この星の衛星軌道を元の世界で言うと月のように等速で5個の巨大な監視衛星が周っています。ちょうど恒星の明かりが当たらなくなる地域を照らすように3個が夜の地域を照らすように調整されているようです。理由は、ナノインセクトのエネルギーは、恒星の明かりか、監視衛星からくる波長によって発生しています。夜間でも十分にエネルギーを蓄えられるように、過去にナノインセクトによって生み出された意識体が設置したようです】


情報共有するためにカオルの中にある私達がインプラントしたモジュールを使って私の声をカオルにも伝達します。


インディが、自分の声をカオルにも伝え始めた。


「? インディ!?って! 兄貴の中にももう一人人がいたのか! よろしくお願いしますインディさん!これは念話って奴なのか? いや通信!?いや、これは情報の共有化?」


カオルに対してインディが対話を始めたようだ。

カオルが私を見つめて話かけてくる。

新しく入った『ルシフル』の知識と今までカオルが生きて来た時に知り得た魔法などの知識が一緒になって混乱しているようだが、落ち着いてきたのか、いつものカオルの口調に戻っていた。


そして、カオルと私にインディが、長い過去の歴史を語り始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

インディから語られた歴史は壮大な物語だった。


私達の世界は、偶然に細胞が生まれ細胞が集合体を作って人間と言う意識がある存在が生まれた。


こちらの世界では、偶然に細胞生まれた迄は一緒だが、そこから虫が生まれ、虫が自分達の生存率を上げるために集合体を作って、それが更に一段上の集合体の意識を持った事になる。


独自の進化を遂げて、科学が進んでいく。進化して行き最終的に一個の意識を持った個体として完結してしまい進化が止まってしまった。


その当時の虫の集合体で意識を持っている完成された存在は、33種類存在する。


そのうち一つが『ルシフル』であり、他にも多くの意識がある集合体が存在した。


進化が止まった事に対して、二つの意見で対立を始めた。


更なる進化を望んだ意識体。

現在の進化が止まった状態が終末であり、自分以上の存在は許せない意識体。


始めは討論であったが生存をかけた争いまでになった。

ナノインセクトは、弱点と言える特徴があった。


ナノインセクトは、光が当たる事によってエネルギーを吸収する体になっている。

この星を照らしているピストル・スターと言う恒星の光が当たっている間は、エネルギーを吸収するために意識を保てないのである。

人間に例えるなら夜は寝て昼に活動するそれが、ナノインセクトは夜に活動して昼間は寝ると言う事で逆であった。


夜でもエネルギーが吸収出来るように非常用に設置した壮絶な技術力で作られた監視衛星の出力を自分が神であって自分より上の存在を認めない11種類のナノインセクトの意識体が操作して常に星にエネルギーを当てる事により残りの進化を望む22種類のナノインセクトの意識を封印したのが今の世界だ。


しかも22種類のナノインセクトが集まって意識を持たないように大気に手を加えている。


この事態を引き起こした自分が神派の11種類のナノインセクトは、自分達はエネルギー吸収状態でも意識を保てるように有利な設定にしたはずなのだが、残った11種類の意識体同士で再び闘争を始めてしまい最期には誰も残らずに滅んでしまった。


そして、時が流れて実験体として宇宙にいたナノインセクト以外の知的生命体を実験的に星に連れて来ていたものが、数が増えて再び文化を持った世界が現在のこの世界になる。

過去に地球か火星にいた人類も攫われていたんだな。


皮肉な事に、ナノインセクトの意識体が滅んだと言うのに大気に残っている神派の11種類のナノインセクトと親和性が高く偶然意識を持った魔王といわれる存在と、進化を望む22種のナノインセクトと親和性が高く偶然意識を持った勇者と言う存在が、遠い過去の現在で再び代理の戦争を始めている事になる。


ああ!話が長い。


わかりやすく言うと過去の自称神の11人の生き残りが再び復活しようとしていて、11人よりも力が弱いが稀に生まれる過去の22人の誰かが阻止するを繰り返している世界な訳だな。


しかも、ピストル・スターと言う恒星は、地球から銀河系の中心方向のいて座に位置にある、太陽系から2万5000光年ほどの離れた五つ子星団 の中にある。ピストルの形に似た星雲の中にあると言われている恒星なので、異世界ではなかった事がわかった。


勇者召喚は、膨大なエネルギーを持って対象生命体を地球から転移させたという事だった。


結論から言うと、私の目的は定まった気がする。

刑期を早く終わらせて地球か火星に戻るというスケジュールがまとまった。


その前に、カオルは助けてからだな。



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