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vs.ムッツリ仮面

暗雲立ち込める山奥のとある場でミューと堂島は物言わぬ陰と対峙していた。

「あえかなる心を持つ者はその弱き心隠せぬ、そこの人であって人で無いもの、あとおカマン。道を誤ったな、私がその程度のサルにも足らぬ知恵で誤魔化せると思うたか」

「……っ」

「ねぇ!?もしかしてオカマンって私の事!?ねぇ!?」

物言わぬ影の不気味な圧力がミューと堂島に襲い掛かる。それは物言わぬ影が重い腰を上げ、戦闘態勢に入った証拠である。

「(……もう、遅いです。一瞬奴の恫喝に怯んでしまいましたが、ここは玉砕覚悟で挑むしかなさそうです)」

ミューは手に汗を握りながらも今まであったいくつかの選択肢を捨て去り、一つに絞った。

それはすなわち『覚悟と死』。それくらいの気概が無ければ自分は元より、傍に居るおカマンをこの場から逃がす事ができないからだ。

「……みゅーん。堂島、私は今から奴の懐に入り先制攻撃を仕掛けます。私が地を駆けた瞬間、お前は元来た道の方向へ一気に逃げて下さい。おそらく引率の先公がスタート地点にいるはずです」

「みゅっ、ミューちゃん……そんなっ!」

「早く準備するです、もうお前と喋っている時間は無いです」

ミューは堂島にそう言うとすぐに戦闘態勢を構えた。両手、両足の先を地につけ、両の瞳の鋭い目は目の前の獲物、物言わぬ陰に向かれていた。姿は人ではあれど、その構えはまさに獲物を狩る野ウサギそのものであった。

「ウフフ、怖い顔。それでこそ、私の狩り甲斐がありますわ」

「……?(奴の気配が変わった……?)」

違和感、それはほんのちょっとした違和感……いや明らかな変化。一瞬殺気がほころび掛けた瞬間。ミューは物言わぬ影のちょっとした変化に気付いてはいたが、戦闘態勢の構えは解かなかった。

「ウフフ……どうしたのかしら?人であって人、いや……ウサギちゃん?早く、私の元に駆けて来て下さいまし」

「…………」

ミューはいわゆる天邪鬼な性格であった。そのため、他人に来いと言われてのこのこ来るタイプではなかった。むしろ余計にそのちょっとした綻びに怪しさを覚え、戦闘態勢の構えを一層強めた。いわゆる、先手必勝!で迎え撃つというわけではなく、迎撃に切り替えた。相手が来るなら、迎え撃ち、後手に回る。

「ど、どうしたの……は、早く来なさい……ハァ、ハァ……あぁ~もぅ、ムラム、イライラするわね……ハァハァ」

ミューが自分から動かない理由か、それとも他の理由かは分からないが誰が見ても明らかに物言わぬ影の様子がおかしい。

「も、もしかして……はぁはぁ、これは……今流行の放置プレイって奴ぅううう?くひゅ~、かぁいい顔してやることはえげつないわねぇ……いいわよぉ、もっと、もっとよぉ!はぁん!フゥー」クネクネ

「(何だコイツ)」

目の前の物言わぬ影は両腕で自分で自分を抱きしめ、身体全体をイソギンチャクのようにくねくねしている。その姿はさながら怪しげな宗教団体の儀式のよう。

「みゅ、みゅ~ちゃ~んっ!な、何かあの人怖いぃ~~~!」

ミューの背後にいるおカマンは物言わぬ影の狂気にも似た変化にビックビクしている。お前のその反応も生物学的な意味で怖ぇですよ、とミューは心の中でツッコンだ。

「(みゅーん、逃げろと言ったのにこのオカマは……が、奴の狂気じみた行動には何か裏があるはずです)」

ミューは未だ戦闘態勢を崩さずじっと構えていた。しかし、その直後。そんな今までの膠着状態は思わぬ形で崩されたのであった。

「……ふっフフ、今の今までこうもこの私を辱めた相手は初めてですわ……ふぅ(///)お礼に私の本当の姿を羞恥プレ、晒して差し上げますわっ!」

そして、物言わぬ影は勢いよくローブを満月の昇る綺麗な夜空に向かって放り投げ、その姿を露にした。






「私の名はムッツリ!ムッツリ!ムッツリ仮面!月に代わってタイーホしちゃうぞっ☆」






「「…………」」ポカーン

開いた口が塞がらぬ、とはまさにこのことだろう。漆黒のローブの下から現れたのはもち肌仕様の肢体。

何と言ってもまず最初に視界に飛び込んでくるのはおっぱぉであろう。どでかい、どでかすぎる。ミューは一瞬、脳裏にどこぞのおっぱいでいっぱいな魔法少女を思い浮かべたが、それも優に超えたけしからんデストローイ。それは『このワタクシのけしからんたわわなマシュマロを是非国指定天然記念物に入れて下さいませ』と言わんばかり。次に目が行くのは素顔。癖毛の混じったパツキン美女、どことなく雰囲気からして外人さんいらっしゃーい、な感じを匂わせるお方だが顔の造形はどちらかというと日本人寄り。鼻も決して高くないし、キリッとした感じではないが、小顔が素敵。などなど、至れり尽くせりの容姿……言う事ない、が。

「(みゅっ、みゅーん……こいつ!真性の痴女ですっ……!)」

中身が良くても装備が残念でござる。

彼女の大事な部分を覆っているのは僅か二枚の水着?いや下着か?大事な部分を覆い隠すための極端に布地面積を狭くした彼女の下着は少し歩いただけで色んなモノをポロッポロッポロリンチョしてしまうような思わず性少年は目を背けたくなるほどのふぁんたすてぃっく!どこぞのジョイトイよろしく、●字開脚なんてしたらふぁんたすてぃっく!さらに装着しているパピヨンマスクもふぁんたすてぃっく!とにかくふぁんたすてぃっく!な格好だった。

「ウフフ、お嬢ちゃん達どうかしら?私の衣装、今宵を生きるまさにムッツリ本来の姿ですわよね?……ふぅ」

「みゅーん、お前はムッツリじゃねぇよ。チャック全開じゃねぇですか。全開仮面」

何故か本来の姿を露にしたムッツリ仮面はその場で正座し、ミュー達をジッと嘗め回すように見つめていた。その怪しげな視線に思わず背中に寒気が走るミューとおカマンであったが、その場でジッと突っ立っていた。

「あら、心外ですわね。私はムッツリ仮面……ふぅ。不埒な妄想など……ふぅ。全てワタクシの脳内で既に完結しておりますわ……ふぅ」

「な、何かあの人私達を凝視しながらエレクトしてるよぉ……な、何か怖いぃ~~、ミューちゃ~~んっ!」

「うるせぇです」パチコーン

「きゃふぅ!ひっ、ひどいぃ!ひどいよぉミューちゃん」

「……みゅっ」

その場で正座から足を崩した女の子のような体勢で何かを訴えるようにミューを涙目で見つめる堂島。

あぁ、こいつすこぶるうぜぇ……と思いつつも一瞬ちょっと可愛いと思ってしまった自分に頭を覆いたくなるミューであった。そんな危ない思考を消しつつ、話を続ける。

「あぁん、今ちょうど69からの3Pに入った場面……ウサギちゃん、私はね。どちらかというと、いぢめられるより、いぢめる方が好きなの。だ か ら 、ペロンッペロンッチュルルッチュパチュパジュックジュック!」

「最後の擬音は何ですか。あとお前の性癖とか暴露しなくていいです」

「舐めるよりね、舐められる方が好きなの私」

「聞けよオイ」

「女の子ってね、不思議な生き物なの。無くてもそこいらの代用品でズッコバッコできるの」

「おい、そろそろヤメロ。例え深夜枠でもそれはキツイです、あとお前の存在も」

「うぅ~~……えっちぃ(///)」

堂島は何故か股間を押さえてその場で座り込んでいた。

「おい、堂島。その格好は反応に困るからヤメロです、みゅーん」

「イイッ!実にイイッ!いいわよニョイ棒咥えた子猫ちゃん!今からムッツリ仮面が貴方で妄想するからまっててね!」

「何だこのセクハラマシーン」






月明かりの下でミューたちの前に突如姿を現したムッツリ仮面。

彼女の目的は……?真意は……?性癖は……?そして正体は一体何なのか?返せ僕らのシリアス!

そして次回に続くような気がする。


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