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魔狩通る  作者: 五色ピンク
3/14

追跡。

171018改変

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『魔物』

 言い伝えや信仰の中でのみ語られてきたこの存在が出現したのは二〇〇年前の天変地異から。

 実際には天変地異と同時ではなく人との接触が初めて起きたのは数日過ぎてからのことだったが。


 出現当初、すぐに討伐が開始され武器や数の差にそれもすぐに終わると思われていた。

 しかし甘いその考えはすぐさま崩壊し人は魔物に敵わないと相対した者達は理解した。

 勿論、その巨躯に恐怖した訳でも、奇異なる容姿に狼狽した訳でもない。

 まるで法則が違うかのように魔物への攻撃手段がなかった。


 打撃は吸収される、刃はその表面を滑るのみ。当時最新だった火薬を用いた攻城も効き目はほぼなかった。


 そしてそれは二〇〇年経った今も世界に変化は起きていない。人は未だ獲物のままである。


 ※※※※


 泥濘んだ森を一人の少年が駆ける。

 身なりはみすぼらしくはないが簡素な服と防寒のための上着のみ。

 転んだのであろうその姿は泥だらけの上傷だらけ。握られた拳からは血が滴っていた。

 それでも少年は止まらない。

 皹の入った眼鏡が一層走りにくくしているのだろう。

 足を取られ再び転ぶ。

 休むことなく走る体からは悲鳴が上がる。

 焼けたと錯覚する喉と幾ら吸っても足りない肺。手足は千切れんばかりに痛む。

 朦朧とする頭で酷く耳障りな心臓の鼓動を感じなが、それでも少年は立ち上がり走ることを止めなかった。


 止まれなかった。


 静寂が似合う森で響くのは到底人には出せないだろう雄たけび。

 耳に入る声で恐怖に染まった顔を変える様に少年は歯を食いしばる。

 少年は雄たけびから逃げるように森を一直線に駆けていた。


 ※ ※ ※ ※


 森に一筋の黒い線が木々を避けつつ描かれていく。


 整地などされていない森の奥。

 レイモンドは朽ちた木や根、岩が無秩序に置かれたそれらに足を取られることもなく疾走する。

 その速さは異常と言えるほどに、一歩で移動する距離は人の範疇を超えていた。

 器用にぬかるんだ土を踏まず、倒木や岩を足場として飛び跳ねる。

 足場になったものの距離も優に20mは超え、通った後には明確な足跡が木々や岩に深々と刻まれていた。


 音を置き去りにする動きと呼称するに足る移動方法だが相応のリスクも存在する。

 泥で足は取られないものの、苔による足元の不安定さは泥以上。

 紆余曲折するほど険しい森が尚のこと難しくさせる。


 だがレイモンドにとってこのリスク移動方法はリスク危険足り得ていなかった。

 その証拠に踏み外し、スリップが命取りになる着地をレイモンドは走り出してから一度も足元を見ていない。

 ここまで意識してきたことは嗅覚のみ。時折不快そうに顔を顰めるが臭いを追って方向を変える。

 それだけが彼の作業だった。


 ラランと離れ大した時間は経っていないが移動した距離は相当なもの経った頃、ピタリと飛び跳ねていたレイモンドの動きが止まった。

 同時に足元の岩が砕ける。着地した岩が勢いに耐え切れなかったようだ。

 行き成りのことにレイモンドも目を見開いたが理由を察すとすぐに戻った。


 レイモンドが止まった理由、それは目的地に到着したから止まった訳ではない。勿論岩を砕くために止まった訳でもない。


 理由は別。追うべき物が消えたからである。

 その原因も推理することもなくすぐに分かった。

 先程まで迫るように吹き抜けていた風が止まり、レイモンドを押すように背後から風が流れ出す。かと思えばまた風向きが変わり、場にある空気が目紛しく移動する。


 この場合は正確に言えば消えたではなく紛失か。

 追ってきた臭いは滞留する部分では濃く流動する部分では薄い。

 何処からか流れてきているのは確かであるが、既にこの場は臭いが混ざり合い追跡するには不可能だった。


 だがレイモンドに追うのをやめる気は毛頭ない。顔に不安の色はなく逆に笑っている。

 方法が一つ潰された程度で困惑するほど彼の経験は少なくない。


 これでまだ半分ほどだったのならば周りの空気を一度空へ向かって吹き飛ばす、という方法も取ったが最後に明確に嗅いだ時点で9割以上近づいていることは分かっている。


 目的地が近いのならばとレイモンドは索敵を目視へ変更すると再び跳躍した。


 先程までの前に向かって跳ぶのではなく上へ向かって。砕けた岩を蹴り、樹の幹を蹴り、枝を掴むと勢いを利用し半回転の後、枝の上に立ち上がる。

 淀みなく行われた一連の動作は人からの賞賛を得られるほど。


 春先だというのに鬱蒼とする木々は探すことの邪魔をする。

 しかもレイモンドが最初に受け取ったのは賞賛ではなく水滴だ。

 登った木が大樹の、しかも中腹だったためレイモンドの曲芸で揺れた枝から大量の滴が零された。


 滴が止み、顔のそれを飛ばすようにレイモンドは首を振る。10秒もせずに終わったそれでレイモンドはずぶ濡れになるのは簡単だった。

 超局地的短時間集中豪雨。


 登ってすぐ閉ざされたレイモンドの視界が再び開けたときその端に紅い華が入り込んだ。

 瞬間。先程まで浮かんでいた笑みが嘘のように消え冷淡な顔へと表情が変わった。


 凝視しなくてもレイモンドには分かった。紅に染まっている物は樹であって、華のように咲き狂っているのは血であると。


 森に入る前から予想をしていたレイモンドに動揺はない。

 あるのは推測と事実の摺り合わせ。

 飛び出す前の可能性が確信に変わった瞬間、街道で起きたような破裂音が森に響き、足場となった枝のある大樹は森の倒木の仲間入りを果たした。


 ※ ※ ※ ※


 少年は扉を叩く。

 森の中で他より幾らか高い丘の上に作られた小屋。

 目的の場所に着いたはずのその顔には喜びはなかった。

 扉を叩くだけでも精一杯なのだろう。青く変わった血色の悪いその顔は喋ることを許さず、膝は笑っている。


「るっせえなこんな朝っぱらから。

 誰だ全く!!」


 叩き始めてすぐに小屋の中から反応が帰ってきた。

 内から蹴り開けられた扉から出てきたのは半裸の男性。

 むき出しの上半身は筋骨隆々。日に焼けた肌に出来た傷跡は歴戦の戦士と言ってもいいが盗賊だった場合の保険だろうか、手に持つ得物は斧。

 彼は所謂樵きこりであった。


「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」

「・・・何だお前か。こっちは寝始めたばっかだってのに起こしやがって。

 って、どうしたんだ、そんなに疲れきって?」


 息絶え絶えに顔を伏せる少年。

「お、じさ、ん」

「怪我か?病気か?それともおやっさんと喧嘩でもしたか?

 まさかおやっさんが木から落ちたか?

 ・・・まあそりゃないか!」

「ってどうしたその姿、泥だらけじゃねえか!まさか本当におやっさんが落ちたのか?!」

「・・・ち・・・う・・・」

「ん?」

「ち、がうん、だ!ば、化け物が、魔物が出たんだ!」


 息が整わない中喋ったため少年の言葉は幾らか舌足らずだった。

 2人の間にしばし沈黙が走る。

 だが次に訪れたのは森に響かんばかりの男性の笑い声だった。


「ガハハ!おやっさんに何か言われたか。面白い冗談だな。魔物か、そりゃあ大変だな。

 だがその冗談魔物はないな。近場の村からも襲われたなんて連絡来ていない上に、ここはラインからどれだけ離れてると思っているんだ。」


 突拍子もないことだった。誰もが容姿も存在していることも知っている。

 しかし半ば夢物語の生き物である魔物という言葉は誰が聞いても法螺だと笑ってしまう。

 男性も少年の言葉に笑い声を上げる。だが自身を見つめる少年を見てそんな笑い声はすぐに止んだ。


「・・・本当か?」


 無言で頷く少年。

 向けられて初めて気づいたのだろう、少年の泥だらけの容姿と切羽詰った顔に男性は息を呑んだ。


「おやっさんはどうした? ・・・・・・。お前を逃がすためか・・・・・・」


 男性からの質問に少年は何も返さない。しかし少年の悲痛な顔に男性が全てを察するのに時間は掛からず、悟ってからの質問に少年はただ頷くことしかしなかった。

 本当に魔物にあったと男性が信じているのかは定かではないが、少年の疲れきったその姿に嘘だとは思えなかったようだ。


「そうか」と男性が言葉をかけようとしたとき森から轟音が響く。

 小高い丘の上からは森の異変がすぐ気づける。破裂音が森に木霊し、数秒遅れて樹が倒れる音が複数。


「魔物?!」

「何だ?!」


 少年が魔物と、男性が異常と捉えるのに時間は必要なかった。

 森の奥、自分が逃げてきた方角の異変に少年の顔は一層血の気が引いていく。


「原因は何であれお前は村へこのことを伝えに行け!」

「お、おじさん?」

「俺はここに残る。本当に魔物かは分からんが、もしそうだったとしても俺の任務は変わらん。・・・・・・お前が逃げれるように時間ぐらい稼いでみるさ。」


 少年には男性の真意がは分からない。

 仕事ではなく任務と言ったことに拭えない違和感を抱く。

 しかし男性は少年を助けるために捨石になることをすでに覚悟していた。

 そして時を見計らったかのように丘のすぐ下、小屋から最も近い樹が音を立てて倒れた。


「早く行け! そして振り返るな! 前だけ見て走り続けろ、ライナー」


 少年は、ライナーは逃げた。再び。

 気づいた時には既に走り出していた。

 父を見捨てるように逃げた先程と同じように。父と同じ言葉をかけてくれた男性を背にして。


 森で耳にした雄たけびが再び少年の耳に入ったのと、先程まで話していた男性の断末魔が森に響いたのはその後すぐだった。


 ※ ※ ※ ※


 レイモンドが降り立ったとき最初に感じたのは異臭と鉄臭さだった。

 同時に轟音が森に響き木が倒れる。

 レイモンドが立つのは倒れた木の上。轟音を森に響かせたのはレイモンドの着地音だ。

 飛び蹴りの要領で着地したため先程の岩同様勢い余って根元から折れた木に足が深々とめり込んでいる。


 だが倒木が一つ増えたところで辺りに変化ない。

 倒した木があるのは紅い華が咲いた樹の奥。その位置から紅いそれは見えないが代わりに周りの状況は良く見える。

 見渡す限り一帯の倒木が散在し、残っているのも四本ほど。

 幹に苔が生えていないことや未だ乾いていない泥から倒されてからそう時間は経っていないことは明白だ。

 魔物が通った後は大体こんなものだと知るレイモンドは気にする素振りを見せないが、かなりの規模で何かが暴れた痕跡が残っていた。

 だから一本倒れた木が増えようと景色には何ら変わりはない。


 めり込んだ自分の足を木から引き抜くとレイモンドはそそくさと幹から降りた。

 降りた先は地面、ではなく泥濘。

 逆らうことなく沈んだ足は深々と浸かり、脛まである彼の靴の二分の一。つま先から踝までが丸々と泥濘の中に降りた。

 降りてから確かめるように二度三度足を上げては降ろしを繰り返す。


 無意味に思えるこの行動まででレイモンドは幾つかの情報を得た。


 一つ。散在する樹に刃物を入れた跡はなく、力で千切れるように折られていること。

 二つ。見る限り広範囲で木が倒されていることや残っている根元の長さが違う点から魔物は複数なこと。

 三つ。足が浸かるほど深い泥濘が出来ていることから、重量の重いものがここら辺で暴れたということ。


 現状分かっていることは巨躯な魔物であると言うことだけだが幾つかの候補は弾くことには繋がった。


 靴に絡みつく泥を気にすることなくレイモンドは血の滴る樹へと足を動かした。

 幸い樹の周辺は荒らされずに済んでいた。近づくにつれ泥濘は浅くなり、辿り着く頃には水を含んでいるものの普通の土へと変わった。


 ここまで近づいて漸くレイモンドの視界に再び紅が映る。べったりと血に濡れた樹の根元には予想通りの死体。もたれる様に腰を下ろし亡くなっているのは男性だ。片手に持つ両手斧から勇敢にも敵に挑もうとしたようだ。


 だが腹部の凹んだ遺体を見て目を逸らすほどの恐怖をレイモンドは感じていない。だからと言って感性が壊れているわけでもないが。

 いい気分ではないが遺体が残っているのを見て、時間が余りないと悟ったレイモンドは男性に近づくと跪いて顎を上げた。

 レイモンドが危惧しているのは知り合いかどうか。

 しかし顔を確認してみれば筋肉質な体つきに似合った荒い顔立ち。

 見開いた目から流れる血が恐怖を冗長させるが見知った顔ではなかった。


「さて、調べるか・・・」


 安堵から息を一つ着き、この場で初めてレイモンドは声を上げた。目には先程までの冷淡さが残っているがその雰囲気は柔らかいものへと変わっている。

 顎から手を離し、男性の開いたままの瞳を手で閉ざすと、手馴れた様子でレイモンドは遺体を調べ始め、即死だろうと即断した。

 男性の服を捲って見てみれば、よく千切れずに済んだ思うほど男性の腹は変色し凹んでいた。


(素手ではここまで綺麗には潰せまい。なら道具か)


 男性の体を見ても傷は腹部のそれ一つ。男性は腰を下ろすように事切れているため正確にはわからないが、180cmを超えるレイモンドより大きいことは確か。それを樹の中腹とはいえ4mの高さへ吹き飛ばすことは人間には、ましてや一撃では無理だ。


 自然と視線は男性の直線状、吹き飛ばされてきたであろう方向へ流れていた。向けてみれば争った跡は少ないものの男性の荷物らしきものが散乱しその一つ、防寒用のマントには足跡がしっかりと残っていた。靴なんて勿論のこと履いていない。残っている跡は大きく、土には深く沈んでいる。加えて足の指は3本だ。

 魔物、道具、巨躯、力、複数、三本指。頭の中で篩いにかければ自然と導き出された答えがレイモンドの口から零れた。


「またオークか」


 魔物言えどその容姿や能力から大雑把だが種類に別けることが出来る。例えば獣種、獣人種、鳥獣種など。

 こんな中、件のオークが属するのは獣人種だ。

 体の一部もしくは体型が人に酷似している魔獣を指し、特殊的な能力を有している種類は少ないが総じて皆屈強な肉体と体に似合わぬ機敏な動きが特徴である。

 オークの場合「豚人間」であるが、この例に漏れず屈強で巨躯な肉体を持ち身の丈は人よりも一回り大きく、三mが当たり前。大きい個体であれば4m近くになるものまで存在する。

 そしてもう一つオークだけには別名も存在する。

 その名を通称「土地喰らい」

 高すぎる雑食性によって土地に存在する動植物を根こそぎ食べつくした結果つけられた名だがこれによってオークは知らぬ人がいないほど認知されている。

 広まった原因を言えば「食べ物を残すとオークがお前を食べに来る」という子供への叱り文句に丁度良かったためであるが。


(おかしい・・・。オークが仕留めた獲物を置いて消えるなんて)


 オークと分かった時点でレイモンドの疑問は尚のこと膨れ上がる。

 魔物と言っても自然の生き物である。オークも例外ではなくその行動は生存本能の反映だ。

 普通ならば骨まで綺麗に平らげられているのが道理だ。こうして男性の遺体が残っていることはおかしい。


 ならば、と見渡せばレイモンドの予想通り不自然に踏み荒らされた泥濘とが森の奥へと続いていた。

 獲物が残された理由は二つのみだ。何かしらの理由から引き返したか。もしくは・・・


「狩りが今尚続いているか!」

「―――!!」


 それはレイモンドの言葉とほぼ同時だった。

 何処からか微かに聞こえる樹の倒れる音。

 レイモンドはなり終わる前から踏み荒らされた泥濘の向こうへ走り出していた。


 ※※※※


 結果を言えば発見は早かった。

 オークを見つけた訳ではない。泥濘から続く足跡を辿ってみればオークは人の足跡を追随していた。そして人が逃げ込みそうな場所を見つけたのだ。小高い丘の上に建つ小屋を、森の中にあったのと同じように倒されている木の目印つきで。


 それはボロ小屋という訳なく年季は入っているが作りはしっかりとしていた。何より人が逃げ込むには丁度いい大きさだった。

 既に小屋の近くに立つレイモンドも木を通り過ぎる際、オークの足跡が残っているのを確認した。


「さて、生きているかな」

 レイモンドが小屋の扉の前まで来た時、中に人の気配はなかった。

 寝ている可能性も無きにしも非ずだが木が倒れて尚寝続ける者が居るとは流石にレイモンドも思わない。

 ならばと小屋の周りを見歩いて見れば人はすぐに発見で来た。

 遺体という形でではあったが。 

 上半身裸の男性が胸から木を生やし立つように亡くなっていた。小屋に居た者だろう。まともな装備は無く、持っているのも片手斧のみ。

 在らぬ方向へ折れている腕からオークと戦ったことは確かだが周りに足跡は無い。


(落ちた場所が悪かったみたいだな。

 見る限り怪我も腕だけ。オークに挑んだが反撃にあい、詰まれた木材の上に飛ばされて、背後のそれが胸を貫いた・・・ってとこか)


 足元の血溜まりはまだ乾いていない。察するに死んでからまだ間もないようだ。

 だがレイモンドにとってこれは完全な詰みとなった。

 小屋の周り、もっと言えば丘の下辺りからここにはオークの足跡はない。砂利が増え石畳とまではいかないが小屋の近くには石が置かれた道が出来ていた。

 臭いも嗅ぎすぎたせいか鼻がおかしくなり識別は出来ても追う事はできない。

 これで血でも踏んでくれていればまだ後が追えたのだがと不謹慎なことを考えつつレイモンドはこれからのことを思案する。 


「来るなー!」 


 そのとき小屋の向こうから悲鳴が響いた。

 声を頼りに小屋へ向かえば、その奥で少年が木の上で叫んでいた。そしてその下には木の上で怯える少年を不気味な笑みで弄ぶオーク達だった。

 自然と口から出た「やっと見つけた」というため息と共に出たレイモンドの小さな呟きは徒労に終わらずに済むという安堵から。


 同時に何故気づかなかったのかという疑問が頭を過ぎる。しかし過ぎったのは一瞬。

 オークが地面を叩いたことで強引に思考を切り替えるとレイモンドはオーク達を見据えた。





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