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掌編小説集4 (151話~200話)

「おかしいなあ…」

作者: 蹴沢缶九郎

アパートに暮らす一人の青年が大家の(もと)を訪ねた。この青年、隣人の出す生活音に頭を悩ましており、直接は苦情を言いづらく、大家からそれとなく注意してもらおうと思ったのだ。


出てきた大家に青年は言った。


「どうもこんにちは、201号室の田中ですが、お隣に住む方の生活音がうるさく、申し訳ないのですが、大家さんから注意してもらおうと思いまして…」


しかし大家は怪訝な表情で言う。


「おかしいなあ…。202号室に現在人は住んでいないはずだが…」


「そんなバカな。毎晩ガタガタと音が聞こえてくるんですよ」


「いや、そう言われてもね…。それにおかしいなあ…」


大家はまだ何かに納得していない様子で続ける。


「私、三日前に車に跳ねられまして、それから…おかしいなあ…」


「面白くない冗談はやめてください!!」


青年は思わず声を荒げる。


「しかしね…。おかしいなあ…」


「まだ何かあるんですか?」


おそるおそる尋ねる青年に大家が言った。


「201号室にも人は住んでいないはず…」

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