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夢追人  作者: 北西みなみ
第八話
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見舞い客 梨亜

皆が家まで様子見に来る頃には、美奈の具合もすっかり良くなっていた。


広く豪華な客間に通され萎縮していた皆は、顔色も良い美奈の姿を見て、ほっと安堵の息を吐いた。


皆、思い思いにお見舞いを述べる。


「美奈ちゃん、大丈夫?」

「もう起きてて平気なのか?」

「ごめんね、大勢で押しかけて」

「倒れたって聞いてびっくりしたぞ、無事か?」


「うん、心配してくれてありがとう。全然平気だよ」


「私が、肝試ししようなんて言ったからだよね。ごめん……。本当に呪われるなんて思ってなかったの! ほんとだよ?」


美奈の不調を自分のせいだと項垂れるクラスメイトに、美奈が慌てて首を振る。


「ち、違うのよ。これは呪いとか関係なくって、単に私の自業自得」


実は……、と言いにくそうに指を遊ばせながら、


「私、怪談ちょっと苦手で。明日は呪いのデパートか、と思ってたら寝不足になっちゃって、そのまま出掛けたからあそこで電池切れしちゃったの」


あはは、と笑う美奈。


「でも、いきなり意識失ったように見えたけど。平気なの?」


倒れる瞬間を見ていた男子だけは、それでも心配そうにしているが、こけそうになった時の落下感が、眠りに落ちる寸前の浮遊感と似ていて、つい眠っちゃったみたい、と明るく舌を出す美奈に、なんだかんだで言いくるめられていた。


少し寝て顔色も良くなっている美奈を見て、皆は納得したようだ。ほっとした顔から一転、面白そうに好き好きに話し始めるクラスメイト達。


「美奈ちゃんって、そういうの駄目だったんだ?」


「じゃあ、今日はゆっくり休まないとね」


「わぁ、みんなのお茶持ってきてくれたの? 偉いねぇ、僕。美奈ちゃんの弟さんかな?」


「おいお前、気をつけろよ。このねーちゃん見た目通り強暴だから……いでっ」


「このおバカなにーちゃんの言うことは気にしちゃだめよ? 馬鹿が感染るから」


「小学生の前でどつき漫才やってんなよ。ビックリしてるだろうが」


「こんな凄いとこだと、緊張して眠れなくね?」


「バカね、美奈っちにとってはこれが普通なんだから、眠れないわけないでしょう」


「むしろ、お前んちのあのゴミ溜めで眠れる方が俺には凄いと思うよ」


「いやいや、そんなに褒めんなよぉ」


「「「「褒めてない(ねぇ)よ」」」」


ひとしきり皆で話した後、誰ともなく言い出す。


「もう休めるように帰った方がいいんじゃないかな?」


「そうね、眠った方がいいよ」


「あ、でも折角来てもらったんだし、もう一杯お茶でも……」


美奈が引きとめようとするが、健康を心配する皆に固辞され、帰ることに。私達も残っているのは不自然なので、一緒に家を出る。


「皆、今日はありがとう」


「ううん、早くよくなってね」

「また学校で」

「お大事に」


それぞれ、別れの挨拶をして去っていき、私達も家路に着いた。

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