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夢追人  作者: 北西みなみ
第八話
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デパートの怪 梨亜

あれ? いつの間にやら知らないが、どなたかがお気に入りに入れてくださった?

ありがとうございます! 見てくださってる方がいるって感じで嬉しくなっちゃいます♪

「お早う、梨亜ちゃん」


教室の扉を開けると、既に登校していた美奈に声をかけられた。


「お早う、美奈」


「昨日は大丈夫だった?」


昨日あんな別れ方をしたから、心配していたらしい。――しまった、片がついたら連絡しておけばよかった。


「うん、おかげさまで。心配してくれてありがとう」


こちらがお礼を言うと、にっこり笑って良かった、と言ってくれる。


――本っ当ーに可愛いなぁ。


美奈の身長は標準より少し小さいので、標準より高めの私と話すと美奈が見上げる形となる。


くりっとした瞳で上目遣いに見られると、とんでもない破壊力だ。この小動物をどうやってなでくりまわしてやろうかという気になるが、やったら変態やったら変態、と心で呪文を唱えて思いとどまる。


「お早う、結城さん」


クラスメイトに挨拶されたのでそのままお喋りしていると、ふと思いついたかのように提案される。


「あ、そうだ! ねぇねぇ二人とも、肝試し参加しない?」


「肝試し?」


いきなり変わった話題に、鸚鵡返しで聞き返す美奈。


「うん、そう。ここ最近、具合が悪くなったり休んだりしてる人多いじゃない?」


「そうね、確かに」


確かにここ数日、空席が目立つ。夏休みが終わったばかりで、気の弛んだ人が多いのかと思っていたけれど、何か理由があるのかな?


「それでね、休んでる人達には意外な共通点がある事が発覚したのよ」


共通点?


「共通点って何?」


美奈の問いかけに、ふふんと胸をはり、彼女は言った。


「それはね、設楽図デパートに行ったってこと!」


「設楽図デパート?」


「そう! 皆、新発売のコスメ買ったり、本屋寄ったり、洋服ひやかしたりした人達ばっかりなのよ!」


ふぅん、特定のデパート行った人がお休みねぇ……。


普通に考えれば、そこに丁度風邪の菌が蔓延していて、皆やられてしまったのだろうというところだけれど、よくよく聞くと、休んでいる人達がそこに行った日はバラバラだ。


そうすると、デパート内に念が溜まっており、それにやられたという可能性もないとはいえない。


――建物内は、特に調査対象外だからなぁ。


デパート屋上で発作的に飛び降りたくなるような念が溜まっているとかならともかく、建物内で多少空気が澱んでいようとも、これといった問題は起こりにくい。


というか、デパートの様に多種多様な人間が出入りする場所は、その人達の意識に紛れて少しくらいの念なら勝手に散らされて消えてしまうので、気にしなくても構わなかったりする。


だけど、行った人が次の日に休んでしまうほど影響力のある念だとするなら、知ったからには対処しておいた方が良さそうだ。


でも、よくない強力な念が渦巻いているかも知れない場所に、耐性のない人間と一緒に行くのは……。


「……っていうし、これはもう、行くしかないって!」


こぶしを握り締めて力説するクラスメイトに、どう諦めてもらうべきか。


「でもそんなの、確証もないのに推測で悪評広めたりしたら、デパートだって困っちゃうよ」


美奈の言葉に乗っかって、揉み消しを図ってみる。


「私もそう思う。行っても具合悪くなってない人もいるんだから、ただの偶然じゃないのかなぁ?」


「いや、だからこそ! 設楽図デパートへの疑念を払拭するため! 無念を晴らすため! いざ行かん、設楽図デパート!」


あ、だめだ。これは他人のいうこと聞かないタイプだ。どうしよう。


「うーん、そういうことなら今週末行ってみる? 買いたい物もあるし」


悩んでいると、美奈が週末決行を提案した。そっか、行く日を遅らせちゃえばいいのか。美奈、ナイス!


「そうこなくっちゃ!」


こうして、週末にデパートへ肝試しが決定。と、同時に、本日デパートへの見回りが自動的に決定。


念の仕業でなければいいんだけどな。

因みに、設楽図デパートってのは、名前考えるのが面倒だった私が、連想ゲーム状態で


 私→東がない→東抜き or 東足らず → ひがぬき or したらず


と決めました。呪いのデパートなんて、下手な名前使っちゃ駄目だもんね。

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