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夢追人  作者: 北西みなみ
第七話
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害夢 2 計人

「ここは……?」


いつもは、眼を開けると誰かの夢の中にいるのだが、今回は何かが違う。


どこがどうと言える訳じゃないんだが、何というかやけに現実的な。風景だって、どこかで見たことあるような……。


そこまで思ったところで気付いた。宙に浮いているせいで分からなかったが、ここは俺の家の真上だ。


以前、美奈の夢の中で校庭そっくりの場所に行ったが、今回の夢もそういった類の夢なんだろうか?


それにしては、いつもの様に夢だという意識がしないが、見渡す限り現実とそっくりだから違和感がないのか?


「計人、あっち見える?」


梨亜の指す方向を見てみると、建物の間にちかっと何かが光る。


「何だ、あれ?」


よくよく見てみると、駐車場で暴れまわる何か半透明の物体が見える。


「……カメレオン?」


その物体はカメレオンに似ていた。……まぁ、軽く家を越すくらいの大きさで、体のあちこちから舌の様な触手の様なものが伸びてくるのをカメレオンといえるならば、だが。


うねうねと気持ち悪い触手に、うげぇと肩をすくめていると、


「あれが今回の害夢。どうやら触れたものの姿を消す力があるらしいの」


と言われる。


「ん? 今度の害夢は、人の夢に現れてんのか?」


夢で害夢に襲われた場合、どうなんだ? 魂食われて植物人間状態になるとかあんのか?


「違うわ、ここは現実よ」


「は?」


いやいや、俺は空飛べねーぞ? 確かに、現実っぽい雰囲気はするけど。


「後で詳しく説明するけど、ここは現実。ただ計人の方がちょっと変質して、普通よりちょっと動けるようになっているだけ」


どうも屋根から屋根へ跳び移ったり出来て、普通のやつには見えないようになってるらしい。


流石に、化け物と戦ってるのを見られるのは困るので助かるっちゃ助かるが、俺が変質って何だ? 幽霊みたいなもんか?


が、そんな話をしている間に、問題の駐車場の近くまでたどり着く。――間近で見ると、やっぱでけーな。


「これ、どうやって倒しゃいいんだ?」


勝てる気が全くしねぇんだが。俺が襲われた時のやつは、もっとこう、コンパクトサイズだったぞ。こんなん俺にどうにかできるとは思えねー。


俺が躊躇していると、やつの触れたとこが透明になって消えていくのが見える。


これは本当に現実なんだろうか? そう思いたくなる惨状だが、梨亜がそんな冗談で人を騙す筈はない。


――これは、やばいな。


今んとこ人はいないみたいだが、いつ通るか分かったもんじゃない。車が次々に宙を飛んで消えていくのを見た日にゃ、大パニックだろうし、自分自身が消されたら大惨事だ。


「やるっきゃねーか!」


俺はそのまま一気に駐車場へ突っ込み、勢いそのまま、箒で触手をぶっ叩いた。


「え、ちょっ、計人!」


梨亜の焦った声を背に、もう一度叩こうとしたが。


ドガッという衝撃と共に、視界がしっちゃかめっちゃかに反転する。自分が敵に吹っ飛ばされたのだと理解する前に、何か鋭い鞭の様なものが目の前に迫り……消えた。


消えたというか、目に入る光景が全く異なるものに変化した。


自分の体に絡みついた何かに眼を向けると、荒い息をした梨亜だった。梨亜が俺を抱えて敵の手の届かないところまで飛んだらしい。


「け、計人あなた、死にたいの!?」

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