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夢追人  作者: 北西みなみ
第七話
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術とは 2 計人

「さて、術について分かったかしら?」


今まで俺と一緒に美奈の講義を聞いていた梨亜が聞いてくる。


「『力』を冷やして固めたり、型に入れて練ったりするのが術ってことだろ?」


梨亜は、頷きながら同意する。


「まぁ、そうね。『力』の種類はいくつかあるし、厳密に言えば『肉体』に紐付いた『力』なんかもあるにはあるんだけど、そこら辺は必要な時に知ればいいし」


「で、『力』をただ押す程度ならいらんが、たいそーなことするには術名が必要、と」



ん?そういえば……。


「さっきの、花を出したり蝶に変えたりってのも『ちょっと動かしただけ』なのか?」


俺的には結構難易度高いと思うんだがな。


と、美奈が少しばつの悪そうな顔になる。


「あぁ、あれは紛らわしかったかも。あれは術じゃなくて、私の夢」


「ん?」


夢? 何の話だ?


「だから、ここ私の夢の中でしょう? だから、術が使えなくても術と同じ現象は作り出せるわけ」


どうやら、術と同じ状態変化を夢に見たらしい。――違いが分からん。


「えーっと、もっと言ってしまえば、私は夢自身だから、さっきの術だって現実で出来るかどうかはまだ分からないの。ただ、計人と梨亜ちゃんは夢じゃないから、計人はここで術使えれば、外でも出来る筈よ。ここよりはちょっとやり難いかもしれないけど」


「そうなのか?」


「ここは、私が『力』が流れやすいよう、サポートしてるから。でも、ここで『力』の動きを掴めれば、外でも同じことだし」


「そんなもんか?」


ここが夢の中で美奈の思い通りになるなら、実際には使えなくても、俺が術を使える夢を見てるという可能性はないんだろうか?


そんな俺の疑問が分かったかのように、にっこり頷く。


「重要なのは、『力』の動く感じを掴むことだから。水のかき回し方を分かれば、波を作るのは、夢の中でも現実でも同じでしょ? かき回すだけの能力があるのは分かってるし」


本当に、そんな能力あんのか? とも思ったが、それがなければ箒も使えてない、ということらしい。


あとは『力』がどのような性質をしているか、どのように変化するかを理解できれば、術の精度もあがるそうだ。


術って、魔法みたいなもんかと思ってたんだが、どっちかってーと化学や物理に近いんだな。


「ってか、よく知ってんな、美奈」


お前、実は天界人で地界人の振りしてた、とかねーよな?


ずっと前から知っていました、と言わんばかりの理解っぷりに、思わず呆れにも似た表情で見ると、きょとんと首を傾げて返されてしまう。


「だって、梨亜ちゃんが教えてくれたよ?」


そうか、簡単に理解できる事だったか。分からない俺が理解力に乏しいだけか……。


頭の良い幼馴染との理解力の差にやさぐれていた俺には、梨亜の言葉は聞こえてはこなかった。


「いや、私もここまでばっちり理解してくれるとは思わなかったけどね……」

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