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夢追人  作者: 北西みなみ
第六話
73/175

違い 4 計人

思い込みの激しい主人公が、いじめられている ――と思っている―― 場面で、ヒーロー登場。


果たして良いタイミングで現れた、といえるのか?


「まぁ、主人公にとっては……。ここぞとばかりに玲人さんにも『貴方達お金持ちは、私達貧乏人には人権なんてないと思っているのかもしれないけど、ちゃんと心があるんだから』と言い始めてね」


「……それで、どうしたんだ?」


「玲人さんは勿論、小百合さんにも事情を聞こうとしたんだけど、主人公が泣き始めちゃったり、お友達はひどいことしちゃったと青ざめてはいたんだけど、謝れるほどには頭が冷えてなくって何も言えなくなったりしてて、きちんと現状を説明できる人がいなかったのよね」


ふむ。


「で、ひとまず主人公なだめて家まで送っていく間に、色々辛い悲しい寂しいを吹き込まれてね。その原因は小百合さんなんだという結論になるような話ばかりだったの」


……ほほぉ。


「まぁ、その時は玲人さんも、小百合さんがそんなことするはずないって一蹴してたんだけど、その後小百合さんと二人の時に今回の経緯を聞いたら、よく分からないってはぐらかされて、ちょっとしたもやもやが残っちゃったのよね……」


「何でそんなこと言ったんだ?」


「一つは、本当に分からなかったから。だって、この時点での小百合さんの主人公に対する認識は、玲人さんにあげたお菓子を勝手に食べちゃった人ってだけだもの」


「それだけで十分むかつくと思うけどな」


「そりゃあいい気はしないけれど、持ち主がいるってことも忘れてついつい食べちゃうくらいおいしそうに見えたんだったら、少し嬉しい気分でもあった訳よ」


「ヒーローに付き纏って、そいつの気を引くために食べた、とは思わなかったのか」


「それは全く」


えらいお人好しないじめ役だな、おい。


「周囲は、破天荒な主人公にいじめられても嫌だからと、小百合さんに主人公を見せないように一致団結して動いていたから、全く面識なかったのよ」


ほぼ初対面に近かったのよね、と首をすくめる。


「だから、ちょっとお菓子食べられたくらいでそこまで怒った友達が分からなかったの。お友達の言っていた『私の邪魔』云々の発言は、その後のインパクトに負けて忘れちゃってたし」


お友達の短気とは程遠い普段の様子を知っているだけに、何言っていいか分からなかったのよね、という言葉には頷くしかない。


それは説明しようにも、うまくできねーな。


「それに、そこまで怒った原因は、実際にはいままでのあれやこれやが積み重なって爆発したものだけど、小百合さんからみたら、『玲人さんがお菓子取られちゃったことが原因でそんな騒ぎになった』訳でしょう?」


「……分かってる事実だけだとしても言いにくい、と」


そりゃー、はぐらかしたくもなるな。


「普段だったら、ヒーローだって『そうか、不思議だな』程度ですませるか、興味があるなら他の知ってそうな人に聞こうとするだけだから、自分が説明できないことに問題があるとも思ってなかったし」


「だが、ヒーローは後ろ暗いことがあるからはぐらかしたんだろう、と疑った、と」


「はっきりと疑う、というところまではいってなかったけどね。そこはそれ、信頼の大きさが違うから」


それですめば、別に問題なかったんだけどねぇ……、と美奈はため息をついた。

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