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夢追人  作者: 北西みなみ
第六話
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タイミング 計人

梨亜が戻った次の日の見回り。


梨亜も美奈もいなかったせいで、昨日はえらく時間が掛かった。


美奈が用事を後回しにして付き合おうとしたのを、大丈夫だからと遠慮しなきゃよかった。全然大丈夫なんかじゃねぇよ。


いつもは通っているだけで見つかる念が、ちゃんと通りの裏や車の下まで覗かないと見つからねぇんだぜ?


つくづく一人でやるのは無理だと実感したわ。うん、ありゃ無理だ。


今日は梨亜がいるため、さらっと回っていける。楽だ。次からは絶対、美奈か梨亜と一緒にいくことにしよう。



「しっかし、ここもちょいちょい念が溜まるな」


「えぇ、ここはロングセラーの物語だから。ブームは過ぎても、思い出したかのように読まれるものなのよね。全く、もう少しタイミングがずれてくれれば……」


訳の分からん感想に首を傾げる。


「ずれればどうなったんだ?」


「ここの話、複数の夢人が共鳴してて、最初に物語書いて発表した人の話を皆が見てるんだけど、他の人も出版しようとしてたから、そっちの方が早ければ、こっちは発表できなかったのにって」


「何だ? そいつそんなに文章書くの下手なのか?」


でも、そこまで売れねーなら、元のやつも、似た作品があるなんて気付きもせずに出しちまうんじゃねーか?


「ううん、むしろ先に出しちゃった人より売れっ子作家よ」


は?


「なら、意味ねーだろ」


読む人増えれば、それだけ感応者も増えるはずだ。むしろ、売れてねー方が出してくれてよかったってことじゃねーのか?


「いや、でも実際に出版した方の作家さんって、鬱な展開を書くのが好きな作家でね。もう一人の方は軽いタッチで書く人だから」


そこまで不満にならなかったと思うのよね、としきりに悔しがっているが、分からん。


「そうはいっても、実際に起こってることは変わんねーんだろ? 同じもん見たら、同じ感想になんじゃねーの?」


物語だけだったら、作者の書き方で変わるかもしれない。だが、それで記憶世界に実際に見に行った場合は、見るもん同じなんだから、不満だって変わんねーだろ。


むしろ、軽く書かれてたのが実際に共鳴したら悲惨だった、と更に酷い拒否反応が出る可能性だってあるわけだし。


「それが、結構違うのよね。自分自身で共鳴する力ない人だと、作者と同じ道すじ辿るし」


首を振って言うが、全く分からん。同じもん見るんだろ?


「そんなもんか?」


「うん。多分、美奈だったら分かるんじゃないかなぁ? 力強いから、他人の見たものを見に行っても、周りも見ることが出来るし」


「ふーん」


よく分かんねーけど、聞いてみるか。

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