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夢追人  作者: 北西みなみ
第五話
63/175

悪友 計人

昼をすっとばして夕食に思いをはせていると、バカ共が内緒話にやってきた。


「計人、今日結城さん休みって本当か?」


「あぁ、病欠だと」


「結城さんのおばさんに聞いたんだって?」


「あぁ、休ませるから伝えてくれって」


ま、嘘だけどな。


「ほら、言っただろ? こいつ、結城さんの親御さんにご挨拶まで済ませてんだって!」


あー、そういえばそんな戯言いってたな。二股発言に気をとられて忘れてたわ。


「ご挨拶も何も、従姉の親知ってんのなんて普通だろ? おばさんなんだから」


「は? お前、結城さんの従兄弟なの?」


「あぁ、言ってなかったか?」


こちらの世界に対しての設定として、俺と梨亜は従姉弟同士ということになっている。


それは、学校に対して俺と同じ住所になるのにおかしくない理由を考えた結果だ。


梨亜の親が海外出張となったが、梨亜は外国を嫌がり一人暮らしで日本に残ることを希望したため、俺のところに住むことになったという設定だ。


――本当は姉の方が一番良いが、一緒のクラスにいるため同い年設定だし、流石に姉弟でずっと離れていた理由を考える方が面倒だったというのはご愛嬌だ。


その上で、学校には『姉弟同然の従姉弟なので、一人暮らしを心配した親が俺のところなら、と日本に残ることを認めた。ただ、それを知られて変に騒がれるのは嫌なので、同居していることはあまり公にしないでほしい』と言ってある。


そこら辺は、うちの親にも協力してもらっている。


何せ、学校側はうちの両親を梨亜の保護者としても認識しているわけで。万が一両親に連絡がいった時、そんな親戚いませんと言われたら一巻の終わりだからだ。


「――んじゃね?」


「あ? わり、聞いてなかった」


「だーかーらー、お前結城さんのストーカーか?」


 どごっ。――ガッシャーン! ガランゴロゴロゴロ……


少し派手な音がしたが、まぁこれ以上バカになることはねーだろ。問題ない。


「おいバカ、教室の備品は大切に扱え。きちんと片しておけよ?」


反論はない。頭を押さえてものも言わずに反省しているから大丈夫だな、うん。


「容赦ねぇな、本当に。――で、どうなんだ?」


「何がだ?」


「いや、欠席を頼まれるなんて結城さんの家に毎日行ってるのか? って。その割には一緒に来てないが」


あぁ、成程。直接学校に電話じゃなく、俺に伝えたことを不思議に思ってんのか。


「いや、家が近いんで偶々だな。おかずのお裾分けのついでに言われただけだし」


「なにぃ、お義母上にご飯を恵んでもらっているだとぉ!?」


 ごすっ。


「おばさんだって言ってんだろ、うっさいな」


「おいおい、そろそろ内臓出るぞ?」


「そうだな、手が痛んだら困るから面倒なことさせんなよ?」


「俺!? 悪いの俺っ!? ……いや何でもありません、だからその握りこぶしに息吹きかけるの止めていただけないでしょうか?」


ふん、手間かけさせやがって。


「昼は焼きそばパンな。ジュースは適当でいいや」


「お、いいな、じゃあ俺はコロッケパンとミックスジュースでいいぞ」


「……俺は、人生における友人の選択を間違えたのだろうか?」


「おかしな『はい』だな。日本は言葉を遠まわしに言うことを尊ぶ文化だが、訳わかんねーことをならべりゃ良いってもんじゃねーんだぞ?」


「まぁまぁ、こいつなりの一所懸命な努力だ。俺達だけでも認めてやろうぜ」


「俺は友人関係に恵まれてないっ!」


「否定形による肯定は高等技術だからな、こいつが間違えるのは仕方ねーな」


「正しくは、『これほど友人関係に恵まれてると思ったことはない』だな」


「きちんと覚えとけよ?」


「ちくしょー! ハーレムストーカーとエロ眼鏡ー!」


きちんとした解答を与えられたってのに、礼もせず、暴言と共に走り去ってくとは。駄目なやつだ。

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