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夢追人  作者: 北西みなみ
第五話
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人気作品 計人

今日も今日とて清掃活動。


段々と暑くなってきたので、俺としては室内を見回りたいんだが。デパートとかスーパーとか。何でいっつも外なんだ。


「まぁまぁ、終わってうち来たら、冷たいお菓子食べさせてあげるから」


美奈の言葉に、やる気が出てくる。さっさと終わらせて、うめーもん食いに行くぞ。


「――しかし、ここ、いつ見ても念溜まってるよな」


「前見たの三日前なのにねぇ」


二人で首をひねっていると、梨亜が諦めたように息をつく。


「あぁ……。ここは仕方がないのよね」


「あれか? 害夢の汚染とやらがここにもかかってるのか?」


他の場所は、特に固定の場所に念が渦巻いていることは少ない。せいぜい『あれ、ここ前にもあったところか? 違ったか?』と思う程度だ。


だが、ここ ――公園のジャングルジム近く―― は、毎回来る度に念が渦巻いている。


「そうではないんだけどね。ここは今、空前絶後の大ヒット作品のところなのよね」


念をちょんちょんつつきながら言うのは梨亜だ。


「大ヒット作品?」


「うん、そうなの」


何でも、漫画を始めとして、アニメや実写ドラマ、小説化までしたような作品の場所らしい。


何でも、主人公以上に人気のあった脇役が、物語上何の意味もなく死ぬんだとか。


あまりの救いのなさと、その理不尽さに、その小説を読んだ人達が怨嗟の声をあげているんだそうな。


成程、不満に思う数が多いから、いつでも念が溜まるのか。――しかし、


「夢人でもない人間が怒って、こっちに念が出来んのか?」


実際にこっちに来れるわけでもないのに、念だけ飛ばすなんて出来るんだろうか?


「ううん、流石に普通の人が怒っただけじゃあ、こちらの世界に何の影響もない」


だけど、と梨亜は続ける。


「夢人みたいに自ら世界に共鳴する力はなくても、他人の見たものを追って感応することが出来る人達がいるの」


そいつらは、夢人のつけた道をたどって夢人の見たものを見るため、皆が理不尽に思うこの場所で次々に念が生み出されていくらしい。成程な。


「――って、おかしかねーか?」


「何がよ」


「夢人が共鳴して、そっから小説なり何なりが出来るわけだろ? そんなら、他のやつが見ようとする頃にはその話の状態は終わってんじゃねーか」


それをどうやって見るってんだ?


まさか、異世界からは過去も未来も自由にいけるとかじゃねーだろうな? 冗談じゃねーぞ。俺らの世界、そんな切ったり貼ったり出来る様な薄っぺらなもんじゃねーはずだ。


「あぁ、そうか。詳しく言ってなかったっけ。あのね、通常の夢人って、異世界には共鳴できないのよ」


「は?」


――何言ってんだ、こいつ?

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