観察記録
また番外編です。
因みに、番外と内の違いは、一人称でやるかやらないか、です。うーん、どうでもいいね。
7月19日
学校の終業式の記念ということで、帰りに同級生達とカラオケへ。結城と五十嵐が同行するため、詳細観察は任せることに。
報告により、美奈が力を使っていないことを確認。
7月22日
美奈から、海への旅行を提案される。四泊五日とのこと。同行できるのは好都合なので了解しておく。
しかし、美奈のテンションが異様に高い。一体何があった、美奈?
天界から、何らかの精神操作を受けている可能性を考え、美奈の様子を五十嵐に連携することにする。
7月23日
昨日の提案時の様子について、五十嵐に意見を聞いた。勢いで押せば断られないと考えたのでは、との意見。それであんなテンションになるのか?
しかし、ひとまず問題はなさそうで一安心。
その際に、美奈は俺らと行く前に、五十嵐以外の幼馴染みとも旅行へ行くとの話を入手。
旅行時の観察はばれぬ様、慎重を要する。
7月27日
海といえば水着ですよ! と、ハイテンションを維持した美奈に連れられ、水着を買いに。結城や五十嵐もそれぞれ購入したらしい。美奈と結城の水着は、着いてからのお・た・の・し・み♪ だそうだ。本当に何があった? 美奈。
7月30日
美奈の旅行時はこちらも邸から離れる旨を伝える。予定が変わったら自由に邸を使用してよいと言われるが、こちらのやろうとしていることを考えると申し訳ない気分になる。
8月1日
美奈、幼馴染みと海へ。行き先は俺らと同じ美奈の別荘で、幼馴染みが帰る時に俺らが行って、美奈とは現地集合とのこと。
元々、毎年夏は、五十嵐含めた四人で旅行 ――海と山、交互に行っていて、今年は海の番らしい―― に行っていたが、今年は同居人がいるのにおいていくのはどうなんだ、という話になったらしい。
しかし、初対面の人間と一緒に旅行というのも気を使うだろう、と別々に旅行することにしたらしい。
五十嵐は、幼馴染みと旅行できないことに特に不満はないと言っていたが、悪いことをした。
美奈は、力について全く知らない相手といるためか、力を使うそぶりも見せず。
8月3日
夜、一人になった後、掃除機を動かして海に溜まっていた念を消す美奈を確認。昼に見つけたものを消しに向かわせた様子。ただ、遠隔操作では念を感知するのは出来ないらしく、すぐ近くにあった念に対しては無反応。
8月4日
同行者はどうやら、一人は幼馴染みでもう一人はその恋人のようだ。美奈の恋人は呼ばないのだろうか?
力を使う様子はない。
8月5日
幼馴染みが帰っていき、俺は結城達と合流して美奈の別荘へ。監視していた間の豪勢な料理はとてもおいしそうだったので、表舞台に立てることになった今、密かに楽しみにしている。
力の行使は確認できず。
8月6日
午前は夏休みの宿題を片付ける。美奈は既に終わっていたので、講師役。旅行における毎年恒例行事らしい。
結城と五十嵐が必死にやっている中、スイカをくり抜いて器としたフルーツポンチを作成。餌に釣られてスピードを上げる部下に多少の不安を感じる。しかし、美奈に餌付けされているのは俺もなので、文句は言わない。力を使わずに他人を上手く動かせるのは良いことだ。
8月7日
海で花火。監視している時も思ったが、打ち上げ花火は個人でやる花火として一般的なのか?
地元住民が、主催者不明の花火大会が今年は二回あった、と言っているのを耳に挟む。毎回やっているらしい。盛大に打ち上げられている中、手持ち花火も一緒に行う。
力は使っていない。
8月9日
楽しい旅行はあっという間だ。旅行中にパトロール代行していた部下に土産を渡しつつ、元の生活へと気持ちを切り替える。結局、旅行中の美奈は、夜に一回念を消去した以外、感知も共鳴も何も行わず。
8月18日
同級生と映画を見に行った際、念を発見。同行していた結城達に伝え、払うように頼んだとのこと。自身で消去はせず。本職がいるならそちらに任せるということのようだ。
8月26日
夏休み最後に、幼馴染みとパジャマパーティらしい。美奈の家で行うため、監視は容易だが、男子禁制の会合を監視とか……。『心残り』の感度調節とか出来ないものか。
邸内で力の使用がないことを確認することにする。
8月31日
夏休み最終日とのことで、結城、五十嵐と、幼馴染みも含めて夕飯を食べることに。気合の入りまくったご馳走に舌鼓を打つ。
幼馴染みの名がどこかで聞いたことあるな、と思ったら、天界で動いていたミニ美奈の偽名か。
力の使用は見られず。
「……何だか、小学生の朝顔観察日記みたいだな」
「上への報告はきちんとしなくちゃならない分、ストレス発散に書いているみたい」
「二人とも、何を見てるの?」
「「うわっ!」」
「?」
「な、内緒! 美奈は見ちゃ駄目!」
「? はーい」
「「ほっ……」」




