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夢追人  作者: 北西みなみ
第四話
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追及 1 計人

俺が、伸縮自在の便利な掃除機を手に入れてから数週間。


外では箒として念を散らし、家では遠隔で隅々まで掃除。普通の掃除機と違い、吸いたいものを選んで吸えるので、物があっても掃除OK。細い隙間も機体を小さくしたり、首を長く伸ばして吸い出したり。


吸ったゴミは一体どこへいくのか、と思っていたが、ゴミ袋を吸い込み口にあて「ゴミ出て来い」と念じると出てくる安心設計。


しかも、念じる際に「プラゴミ出て来い」「燃えるごみ出て来い」と、種類を指定すると分別までしてくれちゃう便利機能。さすがに、新聞紙と紐を入れて「紐で纏められた新聞紙出て来い」と念じても、くくられてはいなかったが。


うむ、いいものを手に入れた。


「ちょっと計人、それは生活便利用品じゃないんだからね」


何やら聞こえるが、聞かなかったふりをする。生ゴミや油汚れも吸ってくれる掃除機の、一体どこが便利じゃないというんだ。


「いいなぁ、それ。色々使えそうだねぇ」


美奈も興味しんしんのようだ。


「そうそう、それなんだけど、美奈」


うらやましそうに見る美奈に、梨亜が何かを思い出したように声をかける。


「うちの隊長に聞いたら、美奈が私達を手伝ってくれるなら武器をもう一つ用意してもいいっていうんだけど、いる?」


まぁ既に手伝ってもらってるけどね、と言う梨亜に、俺も同意する。


「もらっときゃいいんじゃねーか?」


軽く言った俺に一つ頷くと、早速条件を確認し始めた。


「うん、そうね。――武器を持ったら、今までと何か変わるの?」


「うーん、現在ほぼお仕事してもらっちゃってるのと同じ状態だから、それならいっそのことお仕事しやすい形にした方がいいかなって話になったってだけだから、特にこれといった決まりはないかな」


ま、元々はいないはずのメンバーなわけだからな。妥当なとこだろ。


梨亜は、ただ、と続ける。


「出来れば、時々計人とは別行動で回ってくれると、広範囲カバーできて助かるかも」


その時は、隊長と一緒にいってもらうことになると思う、という言葉に、美奈が反応する。


「隊長さんが? でも、隊長さんってお仕事があるんじゃないの? それに、こちらのご用事終わったら、戻ってしまうのよね?」


まぁ、そうだよな。


こっちにいる間は、美奈の監視が役割だから、理由つけて堂々と一緒にいられるのはいいんだろうが、流石にそんなに長い間監視するわけでもねーだろうし。


というか、そもそも俺はどれくらいの間この夢追人をやるんだろうか?


今は時間のたっぷり取れる身だから、見回りもそこまで大変じゃない。


だが、社会人になったら、昼間見回るような時間はなくなるし、それでやっとくる休日を見回りに費やすのは、なんかもったいない気がする。


「隊長は、ちょっと数ヶ月くらいいなきゃならなくなりそうなの。だからひとまず」


その後はまたその時に考えるから、と言われ、少し考える振りをした美奈は、それならよろしくお願いします、と肯定した。


「ところで、俺は一体いつまでやるんだ?」


ついでに聞いてみる。美奈と一緒に引退、くらいか?


「計人は……。そうねぇ、あと十年くらい?」


「はっ!? いやいや、それはなげーだろ!」


十年後には、俺は立派な社会人になっている予定だ。


その前に大学受験や就職戦争もあるというのに、ずっと掛かりきりになどなれるわけがない。


それは梨亜も分かっているようで、流石に今の見回りをずっとやらせるわけではないらしい。


「お休みとかに回ってくれればいいから」


「一週間放っといたらやばいのもあるんじゃねーのか?」


大体、休み全部潰してたら、俺の大学受験は壊滅的だろう。美奈に予想問題・大学入試編を作ってもらうべきか? いや、そんな問題でもない。


「今のところ、そんなにすぐに溜まるような念は見当たらないし、問題がある時は、私の部下にやってもらうから平気よ」


私、結構偉いのよ? と、自慢し始めた梨亜を横目に、そんなんでいいなら、最初からそうしてくれ、と思い……。


「ん? そもそも、何で俺が手伝ってんだ?」


「は?」


「だってお前、普通に色々やってんだろ」


「え?」


「しかも、部下もいるんだろ?」


そうだ。元々俺は、梨亜が夢追人やれない状態になったから、その間代わりにという話だった。


だが梨亜は、俺に教える際、実際に自分でやってみせるし、代わりにやらせることの出来る部下もいるという。


何も知らない俺が手取り足取り教わりながら、慣れないことをやる必要がどこにあるんだ?

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