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夢追人  作者: 北西みなみ
第三話
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飲茶 梨亜

うちの飲茶の仕方は、結構てきとーバンザイです。いいのです、人それぞれ、楽しいやり方でやれば。

「最後は、飲茶しましょうか」


そう言って、美奈が取り出してきたのは、可愛らしい茶器セット。


まず、大きなお碗の中に急須を置き、お茶っ葉を入れる。


続いて、溢れんばかりに ――いや、実際に溢れた!―― お湯が注がれていく。


お椀の中に豪快に溢れたお湯をそのままに蓋を閉め、小さな壷にお茶が移される。


更に、一列に並べた湯飲み ――何故か、長いものと丸いものの二種類がある―― の上で壷を傾け、横に一気に移動した。


成程、湯飲みの下の深みのあるお盆は、お茶がこぼれても平気なようにするためだったのね。


壷の中身を全て出し切った後、お椀の中に戻されていた急須にお湯を注いで ――今度は溢れなかった―― 蓋を閉めた。


最初の一杯は、どちらの湯飲みで飲むものなんだろう?


何となく、どうぞ、と言われるのを待っていると、せっかく入れたお茶が次々に急須に掛けられてしまう。


ビックリするが、計人は平然としているのを見て、そういうものだと見守ることにする。


少し待って、もう一度お茶が壷に移される。


今度は長細い湯飲みの方だけにお茶が注がれ、空のままの丸い湯飲みと一緒に差し出された。


「はい、どうぞ」


うん、何をしていいのか分からない。


「こうやって、聞香杯から品茗杯に移して、聞香杯をちょっと振ったら香り嗅げばいーんだよ」


計人が、説明しながらやってみせてくれる。


「品茗杯を被せて裏返すやり方は、難しそうなら、普通に注いでも平気よ」


美奈が補足する。


「聞香杯は、香りを楽しむためのもの。中国茶は、温度によって香りが変わるから、聞香杯を振って、少し冷ますと香りが際立つの」


成程、香りを逃し難いよう、長めの器なのね。


見よう見まねで聞香杯を嗅いでみると、確かにほんのりと甘いような香りが漂う。


「おいしい」


一口飲んで、ふんわりとした味に思わず言葉が漏れる。


「あぁ、うまい」


「俺の好きな葉だな」


私達の素直な感想に、美奈はにっこり笑って、言った。


「お口にあって良かったです」


お茶のついでにお茶請けを進められたが、流石にもう入らないかな。


………。


計人、それおいしい?


「食ったら分かるぞ」


そうね、計人の顔見てても分かるね。


隊長、まだ入るんですか?


「あぁ、別に限界まで食べてたわけでもないしな。これ茶の味が引き立つぞ」


そうですか、お茶によく合うお茶請けですか……。流石お茶請けというだけありますね。


「少しだけしかいらない、とかなら、好きに残していいよ」


…………。


「じゃあ、いただきます」


結局、美奈とお茶請けを半分こして食べ合った。――うーん、おいしぃー!

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