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夢追人  作者: 北西みなみ
第三話
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おもてなし料理 梨亜

お腹がすいているときに見ると、少し空腹度が上がるかも?

……まぁ、そこまででもないか。

食堂で待つこと十分くらい。


数々の皿と、高く積まれた蒸篭が次々と運ばれてくる。


焼き・揚げ・水と揃った餃子。粽に春巻きに、ほかほか湯気の立った少しずつ形の違う包子達。


焼売は、それぞれ色が違うものがいくつも並び、目を奪われる。


肉と野菜の炒め物、薄い皮で巻いた海老や、じゅわじゅわ音がするオコゲの餡かけも食欲を誘い、思わず頬張りたくなる肉団子も並んでいる。


四角く焼き目のおいしそうなものは、大根餅というらしい。


不思議な模様の入った月餅や、中は海老のすり身だという春雨がとげの様に付いている揚げ団子も見るからにおいしそう。


海老チリソースに麻婆豆腐、きのこと野菜の煮たものに、焼きそばに中華そば、各種スープまである。


主食は、蒸しパンや揚げパン、食欲誘う真っ白なお粥と、一緒に入れたらおいしそうな具材たち。炒飯も、それだけでお腹いっぱいになりそうなものが何種類も。


更には、胡麻団子や桃饅頭、杏仁豆腐にカステラらしいものや、そのままでおいしそうな果物まで所狭しと並んでいる。――デザートだけで満腹になれそうだ。


「いっぱいあるから、好きなだけ食べてね」


料理を運んでくる人達に何か指示を出しつつ、美奈が勧める。


いやこれ、いっぱいというレベルではないでしょ。


どう考えても、食べきれる量ではない。


「あ、あとミニ肉まんとかあんまんとか、揚げ物がいくつかくるから、食べたい場合は調整しておいてね」


思わず計人のほうを見ると、だから言っただろ? とばかりに、平然としている。


これ、美奈が作るって言ってたけど……、本当? どこかから出前してきてるんじゃなくて?


もう、何から取っていいか分からないけれど、体全体が目の前のご馳走を求めて暴れているので、覚悟を決めてお箸と皿を手に取る。


恐る恐る、計人を真似て、好きなものを少しずつ取ることに。


試しに春巻きを口に入れてみる。かりっという皮を破ると、中の餡が口いっぱいに広がる。


海老のぷりぷりの食感に魅了され、熱々の肉汁が溢れ出す包子に夢中になり、燕の巣も欠片も残さず飲み干す。


お粥にシンプルに梅干を入れてかき込めば、更に食欲がわき、揚げ団子に舌鼓を打つ。


結構な量の料理を食べ、もう何も入らないと思いながらも、別腹の胡麻団子と杏仁豆腐を口に運ぶ。


うん、甘いものは正義。だけど、流石にもう無理。


ソファに寄りかかって、大きく息をついた。


「ご馳走様。あぁ、お腹いっぱい!」


あぁ、この幸せな気分のまま、横になりたい。乙女としては絶対やっちゃいけない行為だけど、楽な格好でだらけたい。


ここに来た目的なんてすっかり忘れきって食事を堪能した自分がいた。

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