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夢追人  作者: 北西みなみ
第三話
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週末の約束 計人

「美奈、今週予定あるか?」


俺が尋ねた問いに、美奈はにっこりと笑いながら小首を傾げる。


「土曜は、ゆっかと遊ぶ約束してるよ? 計人も行く?」


ゆかりとの先約があるなら、土曜は無理だな。


「いや、遠慮しとく。それじゃあ、日曜は大丈夫か?」


これで、泊まりで一緒、とか言うと無理だろうが、俺も誘うってことは秀も一緒だろうから、一日だけの可能性が高い。


「うん。特にこれといってないけど、どうしたの?」


「梨亜がな、飲茶ってどんなもんか知りたがってるんだが」


「作ればいいの?」


「あぁ、こんなもんだって分かりゃーいいから」


美奈は、少し何かを考えるようにしていたが、すぐにこちらを向いた。


「うーん、土曜出掛けちゃうから、お昼までに作るのは無理そうなんだけど。お夕飯でもいい?」


むしろそっちの方が好都合なので、一も二もなく頷く。


「あぁ、適当に頼むわ」


「オッケー、任せて。腕によりを掛けて作っちゃうから」


言って、拳を握ってみせる美奈。


――よしよし、いい感じに気合入れてるな。


楽しみにしてるぜ、と告げて席に戻ると梨亜が早速寄ってきた。


「どうだった?」


「日曜、飲茶な」


説明が面倒だったので、用件だけを告げると、訳が分からないという顔をされる。


「え、何? 隊長のこと頼んでくれたんだよね?」


「いや、俺はお前が飲茶って何か知りたがってるって言っただけだが」


その言葉に、慌てたようにくってかかってくる。


「協力してくれるんじゃなかったの!?」


襟首を引っつかんで揺さぶりかねない勢いに、慌てて答える。


「いきなり、たいちょーさんが泊まるからよろしくな、って言ったって意味ねーだろ」


まぁ、俺がそう言ったら言ったで、普通にOKするだろうが。それじゃあ、つまらん。少しはそっちにも努力してもらわなきゃな。


「日曜、たいちょーさんが偶然こっちに来ることになりゃ、ご一緒にどーぞって呼ばれるから、そこで頼んだ方がいいんだよ」


美奈は、人数分ではすまない量を作る。確実に。


だから、俺や梨亜とも知り合いな奴が偶々近くにいるとなれば、それが理由で行くのを躊躇う振りをすれば、確実に皆で食べよう、という話になる。


偶然家にお邪魔したやつが、そこから上手く泊めてもらえるよう交渉できるかは、本人の努力次第。ま、せいぜい頑張ってもらわないとな。


「とりあえず、土曜か当日に、たいちょーさんが偶々来るのを知ることになる予定だから、その前にばらすなよ」


「そんなんで、大丈夫なの?」


梨亜は、懐疑的な顔して俺を見つめる。


「さーな。嫌なら別に、自分でやってもいいぞ?」


うっと詰まる梨亜に、おらおらどうする? と頬を突っつくと、不承不承頷かれる。


「最初っからそう言やいーんだよ」


やれやれ、と話を終わらせようとした俺の腕の上に両手が乗せられ、思わぬ反撃が来た。


「信じてるからね」


不安に揺れる瞳にすがるようにじっと見つめられ、柄にもなく動揺する。


「協力するって言ったろ。嘘はつかねーよ」


俺は、それで会話を打ち切った。

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