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夢追人  作者: 北西みなみ
番外編
37/175

中央高校の風物詩 2

昼休み。


三人が学食に行くと、直射日光が当たらず、外の景色が見える席の前に立っていたクラスメイトが大きく手を振ってきた。


「こちらでよろしいでしょうか?」


「おぅ、悪いな」


近づいていった先には、四人テーブルに用意された日替わりランチとしょうが焼き定食小。


当然の様にランチの前に座る計人と、状況が理解できずにきょろきょろと見回す梨亜。


「お昼ご馳走してくれるんだって。買っておいてくれたみたいだよ」


美奈が、持ってきた弁当を置いて、クラスメイトが引いてくれた椅子に座る。


「腹減ったから、さっさと座れ。食うぞ」


「え? え?」


戸惑いながらしょうが焼き定食を見る梨亜に、


「プリンは、食後に出してもらえる様頼んでおきました。ぎりぎりまで冷蔵庫で冷やしておいた方が良いかと思ったので」


「常温の方がお好みでしたら、今すぐ取ってまいります」


と、告げながら、椅子を引くクラスメイト。


恐る恐る座ると、それではごゆっくりどうぞ、と、一流レストランのウェイターの様に礼をして、クラスメイト達がさがっていった。


「これ、どういうことなの……?」


多分、さっきの会話と関係があるのだろうが、そもそも何故おごってもらえるのかがさっぱり分からない。


しかし、その時いなかった筈の美奈まで、これを普通のこととして受け入れているようだ。


「えっと、これはね……」


どう話せばいいかな、と考える仕草をする美奈。そんな美奈をちらっと見て、計人はランチを食べながら言った。


「賄賂だな」


「賄賂!? 一体何の?」


まだ社会人にすらなっていない彼らが、一体何を求めて賄賂を渡すというのか。しかも、何も返せない自分にまで。


更に訳が分からなくなった梨亜が思わず美奈の方を見ると、苦笑いしながら説明してくれた。


曰く。


学校のテストというものは、基本的に点を取らせるために行うものである。


従って、授業中にきちんと先生の話を聞いていれば、テストで出る所は、大抵分かる。


よって、テスト前に、出るといわれた部分を中心にやっていけば、点数を取るのは容易である。


「どこが出るかなんて、教えてくれていたっけ……?」


「うーん、直接『ここを出す』って言うのは、そこまで多くないけど、説明の仕方とか、生徒の反応の見方とかで、あ、ここが出るんだなってのは分かる様に教えてくれているよ?」


「で、だ。実際に、美奈が出るって言ったやつは、ほぼ間違いなく出てくるんだな、これが。それこそ、テスト用紙を盗んだんじゃねーかって疑われそうな程の精度でな」


「それは凄い。……でも、それとこれ、何の関係が?」


どこがどう繋がっているのか分からない梨亜が尋ねると、


「朝言ってただろ? 勉強会しようって」


「うん、そうね。……で?」


「その時、梨亜は毎回、試験予想テキストを作ってくるんだ。全教科の」


「と言っても、出るよって言われた時に教わった部分をちょっと抜き出しておいただけだから、テスト期間に改めて作る、とかではないんだけどね」


「やつらは、それを狙ってる」


たいしたものじゃないのよ、と軽く笑う美奈と、重々しく頷いて言う計人。


「は?」


狙ってる? それ……って試験予想?

中高のテストって、授業聞いてりゃ点取れるようになってますよね。

つまり寝なけりゃ、直前のテスト勉強はほぼいらんということ。

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