再会 梨亜
邸を退出して一直線に空を駆けていた時、何かがこちらに突撃してきた。
「きゃっ」
お腹に直撃したものは、白と黒のツートンカラーが可愛い小鳥だった。
びっくりして、鳥の来た方 ――下の方から来た様に見えた―― に目をやると、邸の門の前にこちらに手を振る隊長と副長の姿が見えた。
「結城!」
「隊長! 申し訳ありません!」
慌てて降り、隊長に頭を下げる。今の私は、報告もせずに連れて来た二人を放り出して一人遊んでいたことになっている筈だ。
きちんと確認しなかった私に非があるので、余計な言い訳はせず、ひたすら謝るしかない。
どうにかして、怒りは解かないと、と思っていると
「無事か、梨亜!?」
どこかから、計人の声が聞こえた。
――幻聴? それにしては、いやにはっきりとした……。
「梨亜ちゃん、怪我とかしてない? 大丈夫?」
今度は、美奈の声。しかもそれは、先程ぶつかってきた鳥 ――一緒についてきていたらしい―― が発しているものの様に思える。
思わず、自分の頬をつねりつつ鳥を凝視していると、
「詳しいことは後だ。まず、五十嵐と美奈を出してやりたい。お前の兄に頼めないか?」
と隊長が口を挟む。――確かにそうだ。
我に返って、解放指示書を渡し、これで解放されるであろうことを説明する。
「そうか、なら鳥谷は先に戻って準備しておいてくれ」
「了解しました。では」
副隊長は、一瞬こちらに笑いかけてから、去っていく。隊舎のほうへ行くのだろう。
「美奈達も戻っておくか?」
隊長が、ここにいない美奈に向かって話すと、鳥が携帯端末に飛び込み(!?)ながら、
「いえ、顛末を見たいのでこのままで。でも、消えても平気なように、隠れていられると嬉しいです」
と、美奈の声で喋った。
――どういうこと!??
何が起こっているのか、とパニックになっている私を尻目に、隊長は頷きながら端末をポケットに入れ、何事も無かったかのようにこちらを向いた。
「さぁ行くぞ、結城」
「え? 隊長、それ何なんですか?」
「これは美奈だ。お前が捕まったのも、自分達が投獄されたのも教えてくれたんだぞ。後で十分お礼言っておけ」
「い、いや、それどう見ても生き物じゃないし、ましてや美奈は人間なんですが……」
「それは後で美奈に聞け。無事に外に出られるようになってからな。まずは救出だ」
「は、はい」
確かに、二人はいきなり牢屋に入れられて辛い思いをしているのだから、一刻も早く助け出してやらないとならない。
ひとまず疑問は横において、私達は『風』へと向かっていった。




