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夢追人  作者: 北西みなみ
第二話
28/175

行方不明 隊長

「来ていない?」


俺の言葉に、門兵たちは頷く。


「本日、こちらに新たな囚人は一人も入っておりません」


「それは確かなのか? 交代前に入っているとかないのか?」


一応聞いてみると、


「はい。ご存知かと思いますが、係が交代する際、次に対して作業報告の義務があります。それによると、誰も増えておりません」


更に、もう一人も同調して


「勿論、見回り時、全室変わりのないことを確認しております」


「確か、本日『風』に、不法侵入を試みて暴れた地界人が捕らえられていると伺っておりますが、それは関係ありませんか?」


こっそり見ると美奈端末が、黒いぐるぐる渦巻きを画面いっぱいに表示させている。


暴れてなんかいない、という抗議の意味なのか、怒りマークも点滅し始めた。


「しかし、『夢の通い路』で、『北』へ連れて行った、と言われたんだが」


門兵たちは顔を見合わせ、


「しかし、実際にうちには入っておりませんので……」


「なんでしたら、中を見て回りますか?」


「いや、いないと言うのなら見てもしょうがないだろう」


ここにいるのなら、俺の一存で勝手に出すことは出来ないので、嘘を言う理由がない。彼らの言うことは本当なのだろう。


しかし、そうするとどこへ行ったんだ?


「一旦来たけど入れずにどこか行った、ということもないんだな?」


確認をしてみるも、揃って頷かれる。


「はい」

「その様な話は聞いていません」


これ以上ここにいても、事態は進みそうになさそうだ。


美奈端末に、ボタン入力で『何か聞きたいことあるか?』と打ち込むと、【×】と表示されたので、


「分かった、一旦戻る。もし何か気付いたことがあったら、連絡してくれ」


と言いおき、一旦離れることにした。



「一体、どうなってるんだ?」


隊舎に戻り、外から聞かれないようにして鳥谷と相談する。


「門兵が嘘をついている様には見えませんでしたが」


「そうだな。どう思う? 美奈」


端末に話しかけると、端末から二人の立体映像が映し出された。


「――普通に話そうとすればいいのか? お、話せてる」


どうやら、五十嵐計人も会話に参加できるようにしたらしい。


――端末がそのまま残った状態で立体映像って、何だかどっち見ればいいかややこしいな。


「先ほどの人たちも梨亜ちゃんを連れていった人達も、嘘をついていた様には見えませんでした」


まぁ、後者は実際に会ってない俺達には分からない。だが、


「少なくともどちらかは嘘になるぞ」


両者の言い分が両立することはないからな。


「俺ら捕まえてるやつらに何か聞けねーのか?」


何かって、あれ以上何を聞き出せば……。あぁ、そういえば、こいつはその場にいなかったか。


五十嵐の言葉で、島田との会話を知らないことを思い出す。美奈が一緒にいたせいで、五十嵐にも情報がいっている気になっていた。


「ここの人たちって、何がどうなってるのか知らないみたい」


「私達を捕まえた理由も、あまり知らないみたいよ。不法侵入だって言ってたもの」


美奈が五十嵐に、島田との話を説明する。


「じゃ、こっちの牢のやつらも知らねーだけじゃねーの? 梨亜が捕まってること」


「いや、『北』の見回りは徹底してるからな。隠せば門兵たちには却って分かりやすい目印になる」


「そうだとすると……」


美奈が何やら背景に靄を漂わせながら考え始める。


やがて、顔をあげた美奈はこちらをじっと見つめながら


「隊長さん、どこか『北』か、それに似た名前で呼ばれる場所をご存知ないですか?」


と聞いてきた。

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