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夢追人  作者: 北西みなみ
第二話
25/175

気付いた事 計人

サブタイトルのみ変更。

「ところで、さっきの続きなんだけど」


梨亜が連れ去られた時に気付いたこと、だったか?


「つっても、何もわかんねーぞ?」


眼は二つで鼻は一つ、口もあったし腕もあった……。うん、流石にこの情報が何の役にも立たねーことは俺にも分かる。


「梨亜ちゃんの様子で変だったこととか」


「様子? やけにあっさり付いてっちまった位しかわかんねーが」


首をひねりつつ答える。


「でも、知り合いには見えなかったよね?」


「まぁ、相手は顔くらいは知ってたみてーだけどな」


梨亜か? って聞いてたのは、確認の意味だったっぽいしな。


「相手が来た時、梨亜ちゃんの方には心当たりあったように見えなかったんだけど、どう?」


言われて、その時の様子を思い出してみる。


「そうだな。一体何だ? って顔してたもんな」


顔整ったやつが表情消すとこえーんだよな……。


「それにしては、すぐについていくこと決めちゃったよねぇ?」


まー、そう言われりゃそうだが。


「待たねーって言われて焦ったんじゃねーの?」


「うーん。私はむしろ、あんまり慌ててないかなーって思ったんだけど。今の状況からしたらおかしいくらい」


ここで、隊長さんとやらが口を挟む。


「どういうことだ?」


「いえ、今ふと思ったんですけど。『北』が殆ど生きて戻ることの叶わない場所だっていうのは、梨亜ちゃんも知っていることなんですよね?」


「あぁ、そうだな。こちらの人間が知らないことはまずない。勿論結城もだ」


タイチョーサンの言葉にうんうんと頷く美奈。


「そうだとすると、連れて行かれる時、あっさりついていき過ぎかなと思ったんです」


「……確かにな」


戻って来れねーなら、もっと抵抗していい気はするな。


「第一、梨亜ちゃんは私達にすぐ戻る、と言ったでしょう? 戻れないなら、私達だけでも帰すなり、隊長さんに連絡して引き継いでもらうなりすると思うのよ」


ちょっと考えるようにして、美奈は続ける。


「多分、梨亜ちゃんは『北』に行っても、直ぐ戻れると思ってたんじゃないかなぁ? それも、隊長さんに言っておかなくても平気な位すぐに」


「私達がそこまで心配してなかったのも、梨亜ちゃんに気構えた様子がなかったからだし。こう、『面倒だけど仕方がない』くらいの感じだと思ったんだけど、どうかな?」


言われて、梨亜の様子を思い出してみる。


「確かに。入国許可貰うから待ってろってのと、ちょっと行ってくるから待ってろってのに、そんな差がなかったな」


でしょ? という美奈に、タイチョーサンが聞いてくる。


「つまり、どういうことだ?」


「例えば、『北』で働いている人や捕まっている人に知り合いがいて、その人が面会を望んでいる、とか……」


美奈のたとえに、タイチョーサンは首を振って


「別に、北の職員は出られないって訳じゃないから、わざわざ今来いって言われても、そう簡単について行こうとはしないだろう」


それから、と更に続けて


「囚人なら尚更、他人動かして面会要請、とかは無理だな。何せ、凶悪犯罪者だからな」


それは分かっていたのか、美奈も頷きながら同意する。


「……ただ、梨亜ちゃんは、帰れるだけの根拠が何かあったと思うんです」

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