不審者 計人
サブタイトルのみ変更。
視点が戻りました。久しぶり、計人。
扉が開かれ、男が二人入ってくる。
「こいつがそうだ」
片方が俺を示し、もう片方が礼を言う。
さて、一体何をはじめようってのやら。
――美奈の方にも、誰か行ってんのか?
数時間前に外へ行った美奈だが、顔を出してこないところをみると、まだ戻ってないのだろう。
そんな状態の美奈にあれこれ干渉されるのは、あまりいい感じしねーな。
俺が美奈のことで気を揉んでいると、後から入ってきた方に話しかけられた。
「五十嵐計人か?」
「そーだけど? 知ってんじゃねーの?」
ここ入るときも答えたんだし。
と、ここでさらに後から誰かが来て、何やら耳打ちし始める。
「悪い、木崎。ちょっと呼ばれて、行かなきゃならなくなった」
「どうすればいい?」
「悪いが、一緒に中に入っていてもらえるか? 顔見たから終わり、でいいなら横も覗いて戻るんでもいいが」
「いや、いても平気か?」
俺が平気じゃないんだが、聞く気はねーな、そーだな。
「まぁ、他には内緒だけど、特別な。隊長ともなりゃ、暴れられたところで対処できるだろうし」
「助かる」
なるべくすぐ戻る、と言いながら、男が去り、二人残され鍵を閉められる。
しばらくの間、扉の方に注意を向け、出て行ったやつらが十分遠くに行ったのを足音で判断したらしい男が、こちらを振り返って話しかけてくる。
「俺は木崎要、夢守隊・第三部隊の隊長だ」
ゆっくりと言い聞かせるように言ってくるが、ふーん。としか言いようがない。
ご大層なこと言われたって、それが何なのか知んねーけからな。
俺が隊長という肩書きに恐れ入るとでも思ったのか、しばらくそのままじっと見つめられたので、
「で、それが?」
と答えると、不思議そうな顔になって、
「聞いてないのか?」
と尋ねてくる。何をだ。
「ぁ? 聞いてるから答えてんだろーが。自己紹介だけで何しに来たのか分かるわけねーだろ」
まるで知っていることが普通だという雰囲気にむかつき、投げやりに答えてみる。
すると、目の前の男は、ますます不思議そうに
「結城から、俺のこと聞いてないのか?」
と聞いてきた。
結城? 結城なんてやつ、知りも……って!?
「梨亜のこと知ってんのか!?」
梨亜のことだと分かった瞬間、身を乗り出して聞いた俺に、男が頷く。
「あぁ。……だけど変だな? 五十嵐には言ってないのか? 普通逆だろ?」
何やら小さく呟くのを無視し、気になっていることを聞く。
「あいつ、どこで何してんだ? 無事なのか!?」
あいつめ、俺らのこと忘れてのんびりしてるんだったら、出会いがしらに首絞める! いや、忘れてなくてもいっぺんシめる!
「落ち着け、こちらも結城の行方を探しているんだ」
聞くと、どうやら、俺らの居場所をあいつが言ったからここに来た訳ではなく、あいつが来ないから探しに来たらしい。
「こちらに来て結城と別れるまで、何があったのか説明してもらえるか?」




