お留守番 隊長
サブタイトルのみ変更。
「じゃあ、おじちゃんたちはちょっといなくなるけど、お留守番頼めるかなー?」
――こいつって、意外と子供好きなんだよな。
こくん、と頷く少女に、島田が「いい子だねー」と言いながら、頭を撫でようとする。
すると
「いやっ!」
いきなり大きな悲鳴を上げて、全身で手を避け、俺の後ろにしがみついてきた。
「どうした!? 美「隊長っ!」
――しまった!
いきなりの事に慌て、思わず美奈と呼びそうになってしまった。
鳥谷の声に慌てて口を押さえたが、時既に遅く。
「み?」
やばい、なんかないか。
何とか誤魔化そうと考えるが、慌てているためいい案が浮かばない。
すると、少女が泣きそうな声で
「ゆ、ゆか、みぃみぃ泣かないもん」
と言ってくる。
何のことか分からず少女の方を見ると、
「ゆか、名前ゆかりだもん。みぃじゃないもん」
と、ふくれ顔で訴えてくる。
――成程。
俺は、わざと慌てながら、なだめすかす振りをするが、少女はぷいっと顔を背けると、そのまま鳥谷の方へ隠れてしまう。
「あーあ、嫌われたな。お互いに」
苦笑いをした島田に言われ、内心でほっとする。
「そうだな。まぁ、行くか。――鳥谷、後は頼む」
「はい、お任せください」
鳥谷の言葉を受け、俺達は地界人の収容されている場所に向かうことにした。
「しかし、みぃみぃ泣くからみぃちゃんか。よく考えたな」
廊下に出た後、しみじみと感心したように言われる。
ほんとにな、と心の中で同意しつつ、
「考えたのは俺じゃなくて、あいつの親だけどな」
と返しておく。
ふーん、そうか、という島田を見る限り、怪しまれている様子はない。
――しかし、撫でられるのはまずいのか?
手を繋いだり、しがみついてきたりするのを見ている限り、他人に触られたからといって何かあるようには思えないのだが。
しかし、島田に撫でられそうになった時の反応を見ると、形を保っていられなかったり、正体がばれたりするのかもしれない。
「まぁ、あいつはいきなり触られるの嫌がるから、触ろうとすんなよ?一応、本人はお年頃の女の子だしな」
「あぁ、そうだな。……嫌われたかな?」
せっかく仲良くなれたのに、と残念がる島田と歩いていると、やがて二つの扉が見えてきた。
「着いたぞ。手前が男で、奥が女だ。どっち先にする?」
美奈は、今『川岸ゆかり』として鳥谷と一緒にいる訳だが、こっちはどうなってるんだろうか?
本体は牢にある、ということを言っていた気もするが、抜け殻状態で倒れていたりしてもなんだし、まずは五十嵐計人の方に会うことにする。
「じゃあ、手前から頼めるか?」
「了解」
俺達は、五十嵐計人のいる部屋へ入っていった。




