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夢追人  作者: 北西みなみ
第二話
20/175

確認と追及 隊長

サブタイトルのみ変更。

「……ところで、その子、誰なんだ?」


部屋に入り、さぁ説明を、と促す前に、こっちが聞かれる。


――まぁ、確かに変だな。


いきなり見られた少女は、ビックリして慌てて俺の後ろに隠れ、俺の後ろからちらっと島田を見てはまた隠れている。


うん、本当に幼子みたいだ。


「あぁ、この子は、ちょっと訳ありで今日一日預かってる子でな」


一旦、少女の方に顔を向け、言う。


「こっちのおじちゃんは、島田といって、顔は怖いが子供にはやさしいおじちゃんだ」


島田は、屈んで目線をあわせるようにして、怖くないよー、と手をにぎにぎさせている。


少女は、俺の裾を掴みながら少し顔を出し、


「川岸ゆかり、ななさいです」


と言った。


――しまった。


俺らが美奈の世界よりかなり長生きするってのを言い忘れてた。七歳じゃあ、親から離れてるのは、よっぽどの訳ありだ。


これは追求されるか、と身構えたが、


「そうか~、ちゃんと言えて偉いねぇ」


と返した島田に対し、少女がおずおずと俺の後ろから出てきて、はにかむ様ににこっと笑ったことで、場がなごみ、ほんわかムードに包まれる。


……はっ。俺まで一緒になごんでどうする。


「で、悪いんだが、説明してもらえるか?」



「と言っても、こちらも教えるようなことは何もないんだよな」


弱ったように、島田が答える。


「そもそも、誰が連れてきたんだ?」


「普通の兵だったらしいぞ。どこ所属かは特に聞いてない」


職務怠慢と思われるかもしれないが、これについてはそんなもんだ。


後で、隊からきちんとした報告書 ――逮捕状みたいなものだ―― が届くのでそちらを見ればいいし、兵を騙るなど、軽々しくこの世界でやるようなバカはいない。


「その後の連絡は?」


「それがこないんだよ。いくらなんでも遅いだろうって、いくつかに聞いてみてるんだが、今のところ、どこもうちじゃないって返事ばっかでな」


いぶかしく思っているところに、丁度俺たちが来たらしい。


「連れてきた際の理由は何だって?」


「霧への『侵入』及び勧告無視、だな。これ以上ない程、妥当な理由だろ? ただ、複数人で来たってのが珍しいとは思ったが」


「こちらが連れてきてるんだから、『進入』は当たり前だな」


意味を変えて反論する。


「……流石に、偶然たどり着いた別人ってことはないか? というか、うちに来たのは二人だけだぞ?」


一緒にいるはずの結城がいないから人違いじゃないのか? と聞いてくる島田にもう一度、結城は別の場所に連れて行かれたことを告げ、


「連れてくる地界人の名前は、五十嵐計人と、美奈っていう男女二人だが、違ってるか?」


と聞くと、あちゃー、と額を押さえながら、


「報告に上がっている名前も一緒、だな。同姓同名が偶々同じ時に紛れ込んだってのは……、いくらなんでもあり得ないだろうなぁ」


と返ってくる。まぁ、こっちは本人に聞いているわけだから、当然間違いはありえないんだが。


ふぅ、と深いため息をつきながら首を振る島田に、俺もつられてため息を吐く。


「……無理があるだろうな」

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