状況説明 隊長
サブタイトルのみ変更。
明けましておめでとうございます
助けてほしいという鳥の必死な声が部屋に響き渡った。
「梨亜ちゃんだと?」
聞き逃しに出来ない単語を聞いて、未だ姿を現さない部下を思い浮かべる。
確か、今日連れてくる地界人の名前が、計人だったな。
すると、目の前にいるのは……。
「お前ひょっとして、美奈、か?」
――そんなわけあるか。
自分で言っておきながら、阿呆なことを、と撤回しようとした俺の耳に入ってきた言葉は
『はい、そうです。お願いします、助けてください』
というものだった。
どうやら鳥の正体は分かったようだが、達成感はない。むしろ謎が大きくなってしまった。
――結城と一緒に来る筈の人間が、一体何で一人でうろうろしている? 助けろってどういうことだ? そもそも何で鳥なんだ?
状況を整理するため、ひとつひとつ聞いていくしかなさそうだ。
「ひとまず、中に入るか。ここだといつ誰が来るか分からないしな」
隊舎に戻り、隊長室と控えの間の扉を開け、控えと廊下の間の扉を閉める。
これで、外から聞かれる心配はないだろう。流石に皆に見られるわけにはいかないからな。
「まず、だ。何で鳥になった? 結城や五十嵐計人も鳥になってるのか?」
まさか、結城のやつ、調子に乗って色々な術を面白おかしく披露してるとかじゃないだろうな?
だがそもそも、人を変身させるような術なんてあったか? 結城がいくら小器用だといっても、術に全く馴染みのない人間を変化させて、そのまま維持するのは、傍にいない状態ではかなり難しい筈だ。
『いいえ、二人はそんなことないと思います。私はただ、計人と二人、牢屋に入れられちゃって梨亜ちゃん助けられないので、情報収集のために抜け出しただけなので』
「牢屋に入って抜け出した? どういうことだ?」
結城を助ける? 牢屋に入れられた時、結城はいなかったということか?
『その前に……』
言うやいなや、鳥が歪みながら膨らんで、小さな子供に化けた。
「鳥のままだと話しづらいので、こっちで」
お箸だと食べづらいのでスプーンで、というのと同じ位の気軽さで姿を変えた鳥に、唖然とする俺達。
「……確か、美奈ってのは、十五、六って話じゃなかったか?」
五十嵐計人の同級生という話だったはずだ。五十嵐計人が十六だという報告を受けているから、そこまで間違ってはいないはずだ。
「……そうですね。成長期前でしょうかね?」
あまりの驚きに、半ば、現実逃避気味な会話をしてしまう俺達。
「あ、いえ。これは変装です。本当の私は、牢に捕まっているので」
律儀に返す美奈。……別にどっちでもいい。
美奈が鳥の姿になっていたのは、結城の術じゃないのか? それとも、本人の意思で変化出来る様な術なのか?
一体何が起こっているのか分からないが、何とか気持ちを建て直し、ひとまず、今に至るまでの経緯を説明してもらうことにした。




