何が目的だ? 隊長
サブタイトルのみ変更。
『それで、聞きたい事って何ですか?』
何もしないという言葉を一応は信じたらしい鳥が、慎重に木の枝を移動しつつ聞いてくる。
実は、聞きたいことは何もなかったんだが、せっかくなので聞いてみることにする。
「お前、何で喋るんだ?」
『それは……、言葉が分かるからです』
まぁ、そりゃそうなんだろうが。――回りくどく聞きすぎたか。
「お前は、何者だ?」
『それは、言えません』
ピクリと眉が上がるのを感じがら、慎重に聞く。
「何が目的だ?」
『それも、言えません』
「何でここに来た?」
『ここ、というのは、この樹の枝の上、ということですか?』
「いや、この隊舎の辺りに、だな。何か目的があってやってきてたのか?」
『それは、偶々休もうとしたのがここだったというだけで、意味はありません』
その言葉が本当か、声や仕草からは窺い知ることは出来ない。
「どこに行こうとしている?」
『……分かりません』
「分からない? 人に言えないとはいえ、目的がありながら?」
言えない、ではなく、分からないという鳥に眉をひそめる。
『やりたいことはありますが、どうすればいいか分からないのです』
「なら、俺に話してみたらどうだ? いい案出せるかもしれないぞ?」
我ながら、詐欺師みたいな言い方だ。これで乗るやつがいたら、知らない人間にはついていかない方がいいぞ、と忠告したくなるレベルだ。
案の定、鳥はのってこなかった。
『話して大丈夫か分からない状態で、そうそう話すことは出来ません』
まぁ、それはそうだろうな。
これ以上話し進めても、情報は引き出せそうにない、と判断して、別の事を聞くことにする。
「ところで、何でさっき、隊長って言葉に反応したんだ?」
そう。忘れかかっていたが、最初は『隊長』と呟く声が聞こえたのが、こいつに気付いたきっかけだ。
そこにはどんな意味があったんだろうか。
『それは……。ひょっとすると隊長と呼ばれる人の中に、私の話を聞いてくれる人がいるかもしれないから、です』
「ほう? それは、どんなものの隊長でもいいのか?」
『いえ、違います。……あの、隊長さんは、何の隊長なんですか?』
さて、どうするか。
情報を聞き出すには、こちらもある程度情報を開示した方がいいのは分かっているが。
得体の知れない鳥にほいほい話して平気だろうか?
話すのを躊躇っていると、鳥の方がおずおずと話しかけてきた。
『あの、隊長さんは、夢追人の隊長とか、ご存じないですか?』
どうやら鳥の目的は、夢追人の隊長らしい。俺じゃないか。
ご存知も何も自分がそうなんだが……。と、心の中で答えつつ、
「探しているのは、夢追人の隊長なのか?」
と、聞いてみると
『はい、ご存知ですか? もし出来れば、紹介とかしていただければ。。。』
と返ってきた。
――ふむ、どうするか。




